ジオターゲティング
2017年05月07日(日) 07時04分16秒

隣人のために身を削る

テーマ:ブログ

 東京に行った折、知人たちと飲みに出て聞こえる他の席からの話は、東京の人たちが相当驕り高ぶっていると嘆きたくなるような内容ばかりです。でも一方で、彼らは自分たちが日本の中で勝ち組の地位にいて、地方を負け組にして踏みつけていることさえ自覚していないことも聞き取れます。そして、これは地方に至っても当てはまります。地方は同様に自分たちより田舎を踏みつけて行きます。負け組は頑張るのが当たり前。衰退しているのは、頑張りが足りないからだというわけです。


 日本の政策や経営はどれも、総花的です。そして中央と呼ばれる組織に属する人たちは、何事も努力と根性と気合があれば困難は乗り越えられると信じている。国際化、スポーツの振興、学力向上、技術の開発・獲得、食糧の自給、少子化の克服、高齢者の介護、防衛力の強化、福島第一原発の廃炉作業、そして更には膨大な国債の償還…。その総花主義は深刻な少子高齢化の中では、若者の生き方に総花主義を求め、文武両道、従順の代償が高給という形でまとめてしまった。でもその中でも、また勝ち組と負け組に細分化されて行行きます。
 内田樹神戸女学院大学名誉教授が神奈川新聞に寄稿した「『属国』直視から」の中で「日本ははっきりいって末期的である。これから急激な人口減局面を迎え、生産年齢人口が激減し、経済活動は活気を失い、国際社会におけるプレゼンスも衰える。日本はこれから長期にわたる『後退戦』を戦わなければならない。」とあります。


 保育業界に身を置いていると、この「後退戦」とは本当に骨の折れる仕事だとつくづく思わされます。まず全体にその危機感をもたらし、共有することがまずただ事ではありません。ある人たちは食うや食わずやの状況に追い込まれている一方で、ある人たちは優勢に戦いるわけだから。


 無論、どんな状態にしたって、食うや食わずやの悲壮な状況の中で戦わざるを得ない部分は必ず出るに違いない。好景気の時だって倒産する会社はあるわけだから。すると、「本当に撤退戦が必要なの?」という問いが出る。優勢な人たちからすれば「創意工夫が足りない」、「仕方がない」などの言葉が思い浮かぶ。その故に「足を引っ張るな」と感じてしまうでしょう。結果、勝ち組は驕り、負け組は切り捨てられる。そうなると、「後退戦」は一層難しくなってしまいます。


 少子高齢化への対応という「後退戦」は、放って置いても自然に小さくなっていくパイをどのように切り分けるのか、ということで、気合いや自己責任論では行き詰まります。内田氏は「後退戦の要諦は、ひとりも脱落させず、仲間を守り、手持ちの有限の資源をできるだけ温存して、次世代に手渡すことにある。後退戦局面で、『起死回生の突撃』のような無謀な作戦を言い立てる人たちについてゆくことは自殺行為である」と書き、更に「指導層の劣化は目を覆わんばかりだけれど、医療や教育や司法や行政の現場では、いまも多くの専門家が、専門家としての矜持(きょうじ)を保って、私たちの集団を支えるために日々命を削るような働きをしている。彼らを支えなければならない」と綴ります。


 信仰は隣人と次世代への遺産であり、それは高い倫理性と人間性に裏付けられた社会の構築の業です。私たちはそのために福祉を向上させ、教育を充実させる矜持と責任を神様の御業として担って行くのです。

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