領土問題と在日米軍(1)
以前にも記述したことであるが[下記参考]、我々日本人というのは自国の国境というものをわかっていない。
昨日、インターネット上のウィキペディアを見ていたのだが、けっこう間違っている。
数カ月以上前だったが、テレビ朝日系「朝まで生テレビ」で民主党議員の大塚耕平氏が発言していたことで、民主党が政権を取り新たにわかったことがある。
「韓国(大韓民国)が1949年、独立した時に竹島、対馬を自国の領土として独立しており国際社会がこれを認めている」という主旨の内容と私は記憶している。
この一件で私は驚いてしまった。
竹島は微妙なところだが、対馬は日本の領土であると思ったからだ。
いったいサンフランシスコ平和条約では何がどう決定したのだろうか?
ここに一冊の本がある。
「日本の国境問題―尖閣・竹島・北方領土」
孫崎享(まごさきうける)著
ちくま新書、 (2011/5/11)
この著者、孫崎享氏は外務省、外交官をへて、防衛大学校教授として日本の国防・外交の大家である。
この本を手に入れたので、ここから一部、エッセンスを引用、参考させていただくことにする。
私のような人間の言うことなど信用できなくとも外交の大家の言葉なら信用していただけるであろう。
この書籍は、非常に優れているのですべての日本人の必読の書であると私は思う。
ぜひご購入をお勧めする。
「多くの日本人は日米安保条約があるから、尖閣列島、竹島、北方領土の問題では米国が守ってくれると思っている」(同書、13頁)
しかし、
「過去、北方領土では日本漁船が拿捕されたり、銃撃を受けたりしている。 しかし米軍が関与したことはない。…中略… 北方領土は日本が管轄していない。 したがって安保条約の対象ではない。 安保条約は『日本の管轄下にある領域』に攻撃された時に米国は『自国の憲法上の規定に従って行動する』のである」(同書、13頁)
私から言わせていただければ、そもそもロシア国の入国ビザが無ければ行けない所を『自国とか自国の領土』などと呼べるのであろうか? まったく理解できないではないか!
また、親ロシア派と言われた鈴木宗男氏、鳩山由紀夫氏が処分された様に、アメリカ[我々アメリカは沖縄を返還していると同様にロシアから北方領土を返還してもらえ…]からの圧力がある。
おそらくヒラリー・クリントン、リチャード・アーミテージ、マイケル・グリーン等であると思われる。
第二次世界大戦時において、旧ソビエト連邦は三国同盟のナチスドイツに和平条約がありながら、これを反故にし、侵略した。 これにより、日本がポツダム宣言前に日本に対し攻撃したまでだ。
客観的に見るとこれしかないというタイミングの勝利であると思う。
北方領土は問題といっても国際的には同盟国のアメリカにも相手にされておらず話にもならない。
では、竹島 対馬ではどうであろうか。
「『尖閣諸島は日本固有の領土ですか』と問うと約90%の人が『そうだ』と答える。 では『尖閣諸島はいつから日本の領土になっていますか』と問うと皆、びっくりする。 尖閣諸島は日本固有の領土である、古代からと思っている。 私は『1870年以前には、尖閣諸島は日本の明確な領土ではありませんよ』というと、皆『そんな馬鹿な』という反応を示す。 しかし、『沖縄はいつから日本になりましたか』と問うと、かなりの人がはっとする。…中略… 日本人のほぼすべてが『尖閣諸島は日本の領土である』と思っている。 しかし、『古来とはいつからですか』と問うと、この信念が崩れる。」(同書、12頁)
「琉球王国(1429年から1879年)は中国との間で宗主国・属国関係の一種である冊封関係にあった。」(同書、12頁)
「日本が琉球王国を強制廃止して琉球藩を設置したのが1872年、明治政府が琉球藩の廃止を宣言し、鹿児島県に編入したのが1879年である」(同書、12頁)
これでわかる様に日本は北海道、沖縄、共に武力行使して領土を広げたことがわかると思う。
(つづく)
[四王天兼続]
参考 同ブログ;
北方領土(日露外交上における)問題 1
2011-04-20
http://ameblo.jp/ootadoragonsato/entry-10846879973.html
北方領土(日露外交上における)問題 2
2011-04-21
http://ameblo.jp/ootadoragonsato/entry-10849556863.html#main
尖閣諸島問題(1)~(4)
ズビグニュー・ブレジンスキー地政学、及びロックフェラー、李一族 リレーションシップ
2010-12-18 ~2010-12-21
http://ameblo.jp/ootadoragonsato/theme2-10030686261.html#main