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2016-06-01 23:21:25

消費税率引き上げ延期:想像を絶する総理会見

テーマ:政治
 1日、安倍総理は、2017年4月予定の消費税率10%への引き上げを19年10月まで延期すると表明した。総理は、リーマンショック級もしくは東日本大震災のような大災害がない限り、消費税を絶対に上げるとした発言について、批判を真摯に受け止めるとすると同時に、「これまでの約束とは異なる新しい判断」と述べた。

開いた口がふさがらない、ふざけた発言である。

そもそも社会保障と税の一体改革を定めた2010年の三党合意は、財政健全化という未来への責任と、年金・医療・子育てといった社会保障の充実を目指し、この改革を政局としないための合意であった。喫緊の課題に回答を出すために、当時の野田総理はこの合意を得ると引き換えに解散を決断し、野に下った。
ところが、14年になって安倍総理は、増税延期を政権維持の道具と化して消費税上げの延期を決め、国民の信を問うとして解散に打って出た。その際には、「この道しかない」との言葉の下、経済の好循環を進めるとするとともに、前述の絶対に上げると発言したのであった。
さらに、政局としないための三党合意のうち、政治家自身の身を切る改革は見送られ、逆進性の高い消費税対策でもある総合合算制度はメニューから外され、4000億円規模の子供に対する支援のための恒久財源は確保されないこととなった。その代わりに、野合がもたらした逆進性の高い軽減税率の採用が決定され、その財源すら示せないままである。
一方で、成長戦略なき金融政策のみのアベノミクスでは経済は好転せず、消費税を8%に上げた14年4月以降の家計消費は25か月中22か月で減少、安倍政権の三年余の実質GDP成長率は、東日本大震災時を含めた民主党政権時のそれの半分にも満たない状況である。

 このような中で、未来への責任と社会保障の充実への取り組みは放置され、公約違反については「新しい判断」があったとして、参議院議員選挙で民意を問うと言い出したのである。さらに姑息なことには、G7首脳会議を自国の政局のために利用しようとしたのみならず、自分の総裁任期の後まで次の消費税上げの時期を遅らせて、他人に判断を委ねる無責任さである。
 14年に民意を問い、経済を改善させるとして失敗したのであるから、筋から言えば総辞職である。それでも居直り、まっとうな理由も示さずに新たな判断と主張して政権の座に居座る、総合合算制度も復活させない、再び政局にする、など、あまりに無責任ではないだろうか。

社会保障と税の一体改革を政局にしたうえで、日本経済を回復させてから消費税を上げるとした道のりが座礁した以上、消費税上げの延期は当然だが、その前に総辞職すべきである。民進党としては、目先の金融政策ではなく、時間はかかる地味な政策ではあるが成長戦略を充実させ、その上でかつての総合合算制度を復活させ、自らの身を切る改革を進めたうえで、未来への責任を全うすることが必要である。
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2016-05-27 20:32:33

もっちゃんマスコット

テーマ:ブログ

(投稿:大野もとひろ事務所スタッフ)


杉戸の支援者さんが、「もっちゃん※」のマスコットをフェルトで作ってくれました。

大宮事務所の受付で、ちょこんと皆様をお迎えしてくれています。




Kさん、かわいいもっちゃんを、ありがとうございます。


※もっちゃん とは?


大野の祖父にあたる大野元美元川口市長が全国でもトップレベルの水泳選手だったことから、当時埼玉県知事選に出る際に使用したキャラクターを、大野が引き継いだもの。カッパの皿は埼玉県の地図になっている。



(投稿:大野もとひろ事務所スタッフ)

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2016-05-03 23:40:22

サイバーセキュリティ:4月14日の内閣委員会のご報告その4

テーマ:政治
 4月14日の内閣委員会におけるサイバーセキュリティ基本法改正案についての質問報告の最終回です(http://kokkai.ndl.go.jp/SENTAKU/sangiin/190/0058/19004140058010.pdf)。

 2014年9月、北大西洋条約機構(NATO)ウェールズ・サミット首脳宣言は、NATO加盟国に対する攻撃は、NATO憲章第5条、つまり集団的自衛権の適用だとしています。このNATOが第五条適用とする場合のサイバー攻撃の定義、および許容されるサイバー攻撃に対する集団的自衛権行使の範囲についての我が国の国際法上の解釈を外務省に尋ねました。
 すると黄川田政務官は、首脳宣言にサイバー攻撃の定義に関する記述はなく、サイバー攻撃が北大西洋条約第五条の援用に当たるか否かについての決定は、北大西洋理事会によりケース・バイ・ケースにて行われる旨記述されているとしたうえで、「サイバー攻撃と自衛権の関係におきましては、個別具体的な状況を踏まえて判断すべきものであり、一概に述べることは困難であると考えております。いずれにせよ、これまでサイバー攻撃に対して自衛権が行使された事例はなく、サイバー攻撃に対する自衛権行使の在り方については国際的にも様々な議論が行われている段階であるというふうに承知をしております。一般国際法上、ある国家が集団的自衛権を行使するための要件などもいろいろなところで申し上げておりますが、武力攻撃を受けた国からの要請又は同意があること、ほかに適当な手段がないこと、必要最小限の実力行使であることというふうに一般的に考えております。」と答弁しました。
 すでに当方が読んで指摘している首脳宣言を再度述べ、集団的自衛権の一般的な解釈を述べたにすぎず、これでは質問に対するなんの回答にもなっていません。

 そこで小生の方から、NATOに対してこれらのことを確認したのか、と質しました。すると外務政務官は、「聞いているということではなくて、このNATOウェールズ首脳宣言がございまして、そこの中からこういうことが読み取れるということでございます」と、ひどさにもほどがあると思わざるを得ない答弁でした。首脳宣言くらい、当然読んでから質問しているのですから、これでは答弁になり得ません。

 サイバー上では、PCからの攻撃という国家の関与を認定しにくく、且つ踏み台等を介することもあるため、意図せずに攻撃側の国になることもあり得ます。それにもかかわらず、NATOという世界最強の同盟が攻撃を行うと首脳会議で宣言しているのですから、その要件について相手側に確認することもなく宣言を読むだけで放置しておくのは、あまりに「無責任」です。小生はこのような強い懸念もあったために、実はNATO本部のあるベルギーまで行って問い合わせ、議論して来ていますが、政府は、日本が世界最強の同盟から攻撃を受けるかもしれなくとも照会すらしないで大きな顔をしています。

 そこで、政府が国の安全を守るのは当然であり、相手側に照会すべきではないかと問いただしました。
 すると、何を血迷ったのか外務政務官殿は、「このサイバー攻撃についてはいろんなものが想定されるわけでございまして、その様々なケースでどういうことができるかというのは、先ほども申し上げましたが、議論の最中でございますので、ここで申し上げることはできません」と大迷走となりました。

 「議論の最中で申し上げられない」のではなく、単に聞いていないだけの話ではなかったのかとの思いから、「もう一度確認します。聞いたんですか、聞かなかったんですか」とただしたところ、くだんの政務官殿からは、「聞いてはございませんが、国際的にこういう形で様々な議論がなされているという段階でございます」との答弁。その議論についても詳細は承知しておらず、首脳会議の宣言を知っているに過ぎないていたらくです。

 ここで質問の時間が終了となったので、小生の方から「サミットの首脳会議の最終宣言で、これ、採択された文章の中に入っています。だとすれば、これは確かに議論されているものでありますから、明確に文章として表れているものですから、聞くぐらいは当然じゃないんでしょうか。是非、最後、政務官、私もうこれで質問終わりますけれども、最後に、これから聞きますということは是非御対処いただきたいと思います」と述べたところ、さすがに「委員御指摘のとおり、確認いたします」との答弁をせざるを得なくなったのです。

 危機感ゼロの外務省が、我が国が攻撃を受けるかもしれないような問題について、相手側に照会すらしない怠慢は、決して見逃すことができないとの思いを強くし、今回の質問を終えました。当然のことながら、早急な本法の再度の改定が必要であり、そのための布石としての意味も含め、付帯決議を起案して付しておきました。

サイバーセキュリティ:4月14日の内閣委員会のご報告その1
http://ameblo.jp/oonomotohiro/entry-12156351708.html
サイバーセキュリティ:4月14日の内閣委員会のご報告その2
http://ameblo.jp/oonomotohiro/entry-12156405085.html
サイバーセキュリティ:4月14日の内閣委員会のご報告その3
http://ameblo.jp/oonomotohiro/entry-12156664158.html
参議院内閣委員会サイバーセキュリティ基本法改正案付帯決議
http://www.sangiin.go.jp/japanese/gianjoho/ketsugi/190/f063_041401.pdf
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2016-05-03 23:38:46

サイバーセキュリティ:4月14日の内閣委員会ご報告、その3

テーマ:政治
 第三回目となる、4月14日の内閣委員会におけるサイバーセキュリティ基本法改正案についての質問報告です(http://kokkai.ndl.go.jp/SENTAKU/sangiin/190/0058/19004140058010a.html)。
 今回は、本改正においてNISCが監査を委託する先として、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)のみが実質的に限定されている問題についてご報告いたします。改正案では、NISCが所掌する事務の内、独立行政法人や特殊法人、認可法人に対する監査業務を「IPAほかの独立法人」に委託することができるとされています。ところが、実際にはIPAへの委託のみが実質的に想定され、且つIPAの行い得る監査部分のみが監査のための基準として想定されているように思われるのです。
 結論から申し上げれば、サイバー攻撃の深刻さに鑑み、幅広く取るべき想定をIPAが対応できる部分のみに狭め、その上でIPAのみが監査を行えば十分と主張できるようにしていることが疑われます。他に監査を委託し得るであろう機関である国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)については、同機構の改正法が今国会にかけられているのに、委託を受けられるような改正がなされておらず、委託先の対象から実質的に外されています。つまり、政府主導のマッチポンプで、それ以外の事態が発生する場合には「想定外」として処理されかねない法改正なのです。

 まず小生より、法律内に例示されているIPA以外の想定される委託可能な法人組織はどこかと尋ねたところ、遠藤大臣は、「現時点ではIPAと同等の法人は存在しておらず、他の法人に委託することは考えておりません」と答弁しました。
 これに対して小生より、「例えば、総務省所管のNICTなどは、空きパケットを利用してサイバー上の悪意ある活動をモニターするNICTER」を保有してネットワーク・トラフィックのモニターを行えるはずだが、これらのモニターはどうするのかと質しました。
 すると、NISCが各府省等の情報システムのいわゆるインターネットの接続口にGSOCセンサーを設置して不正な通信等を監視をしているのと同様に、独立行政法人及び指定法人の情報システムのインターネット接続口に同様のセンサーを設置をし、IPAが不正な通信等を監視するとの回答がありました。事前の政府側の説明とは異なる答弁でしたが、いずれにせよ、独法のみならず行政機関や重要インフラ等を含めた我が国に対する攻撃をトラフィックとして把握し、その上で政府関係機関や独法を守るためには、go.jpドメイン以外をもモニターできる期間を絡める必要があるはずなのに、これでは対処に支障が出かねません。
 そこで、「今後対象となり得る組織の中には、国立女性教育会館、宇宙航空研究開発機構、大学評価・学位授与機構、高齢・障害・求職者雇用支援機構などはgo.jp」以外のドメインであり、DoS攻撃の跳ね返りを検知できるNICTERの能力なしでは、早期に違法なトラフィックを検知できないのではないかと質しました。
 これに対し政府側からは、「委員御指摘のように、NICTにおいてNICTERで得られた攻撃情報、その他脅威情報については、昨年の五月にNISCとNICTとの間でパートナーシップ協定を結んでおりまして、これに基づいて様々な情報共有を行っているところでございますので、引き続きNICTとの間でも連携を図ってまいりたいと考えております」との答弁がありました。要するに、NICTが最初に違法なトラフィックを検出する能力を持っているとしても、意地でもIPAにやらせたいというわけです。

 さらに小生より、「監査ということは、最初に基準を決めます。そうすると、この基準をIPAができることのみに定めて、それで監査をさせるのであれば、これはマッチポンプと一緒になる。ところが、これまでの質問で明らかになった通り、すでに想定できる「想定外」の部分が存在する。IPAの長所は認めるが、政府が一元的にコントロールできる体制を敷きつつも、その下の機関には、様々な長所があるところを使っていくというのが理想であるはずだ」と意見を述べました。そのうえで「実質的にIPAにしか委託を今想定していませんとおっしゃいましたけれども、実はもう既に想定できる脅威ありますから、やはりその外、例えばNICTもそうかもしれない、あるいは、質問しませんがJPCERT/CCなんかもそうかもしれませんけど、様々な機関を使えるような法律にするべきではないか」と質しました。これに対して遠藤大臣は、引き続き検討していきたいと答弁しました。

 さて、今回の法案改正と共に、IPA組織令は、監査の委託を受けられるように変更されています。ところが、IPA以外の委託先として想定し得るNICTについては、今国会にその組織令の改正が提出されているにもかかわらず、監査の委託を受けられるような変更が含まれていません。そこで小生は、「NICTの方も組織令変更するべきですよね。大臣、いかがですか」と問うたところ、大臣は「今回は提出しておりません」と、またしても回答にならない答弁でした。
 そこで改めて、「べきですよねと聞いているんですけれども、組織令、NICT側も変えるべきですよね」と質したところ、遠藤大臣は、とうとう「必要だと考えております」と明確に述べ、大臣として政府側の不作為もしくは瑕疵を認めるに至ったのです。
 これを受けて小生より、これは「政府にとって瑕疵ではないか」と質したところ、政府委員より、最初はIPA以外を想定していないので今回は改正を含めなかったとの答弁がありました。これでは納得できるはずもなく、さらに突っ込むと、改めてIPA以外の監査等の業務についての位置づけや性格の評価を行い、将来的にはそれ以外の委託先もあり得るとの答弁に変わってきたのです。この経緯については、以下に全文記しておきます。

○政府参考人(谷脇康彦君) お答え申し上げます。
 今委員御指摘のNICT法の改正につきましては、サイバーセキュリティー関連の人材育成等の観点から法改正を行うものでございます。
 現時点におきましては、サイバーセキュリティ戦略本部の事務の一部を委託する先につきましてはIPAのみを想定をしております。将来的にNICTがその対象になり得るというふうに判断できた場合には、NICT法の所要の法改正も検討の視野に入ってくるものと理解しております。
○大野元裕君 また話戻します。
 先ほど申し上げた、IPAはそのとおり私はすばらしいと思っています。しかしながら、基準をIPAに合うように定めて監査させても仕方がないんです。想定はなるべく幅広く取ってやるのであれば、今回、しっかりと広げられるような可能性というのは置いておくべきだと。しかも、今回出ていなきゃいいんですよ。NICTの法律に関する改正が出ているんですから、そこは、しかも審議官、お立場は総務省じゃないですから、内閣官房としてお立ちになっていらっしゃいますから、そうだとすると、やはりこれは改正を、今国会出ているんですから、やるべきではなかったんですかと聞いているんです。
○政府参考人(谷脇康彦君) お答え申し上げます。
 NICTは、いわゆる研究開発法人ということでございます。したがいまして、監査等の業務を今後NICTにも委託をするということであれば、この独立行政法人としての位置付け、性格というものも含めて改めて評価をしていく必要があるというふうに考えております。
 ただ、今回、このサイバーセキュリティ基本法の改正法案におきまして、IPAはあくまで例示でございますので、将来的にはそれ以外の委託先はあり得るということを改めて申し上げさせていただきたいと思います。
○大野元裕君 これ法律ですから、悪意のある攻撃者はこれ見ていて、ああ、想定はそれなのかというふうに思う可能性すらありますよ。これで万が一ここに攻撃があったときには、責任そちらですよ。そこは是非しっかりと御認識をいただいた上で、法律立ては分かっています、今後そういったことができることも分かりました、是非早急に御対処をいただきたいし、そこは政治主導で大臣にもお願いをしたいと思っています。


 質問時間も限られている上に、党として本法案には賛成を決めていることもあり、政府側の混乱にもかかわらず、今回はこの程度で議論を取りやめましたが、大臣すら認めたNICT法改正の必要性については、今後とも国会で取り上げると共に、最初から想定を狭めたうえで、監査の委託先を限定するという姑息な手法については改めさせる必要があると強く感じました。
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2016-05-03 08:36:42

サイバーセキュリティ:4月14日の内閣委員会ご報告、その2

テーマ:政治
4月14日の内閣委員会におけるサイバーセキュリティ基本法改正案についての質問(http://kokkai.ndl.go.jp/SENTAKU/sangiin/190/0058/19004140058010a.html)、第二回目のご報告は、本法が規定する第三者機関に対する監査業務の委託についてです。今回の法律では、NISCが所掌する事務の内、独立行政法人や特殊法人、認可法人に対する監査業務を「IPAほかの独立法人」に委託することができることになっています(なぜか、委託する事務を担うはずのNISCが法律で規定されていないことは、第一回目のご報告の通りです)。
 このIPAによる他の独立法人等に対する監査が適切であるのか、また将来、省庁等の行政機関にまで監査の範囲が及ぶことはないのか、について国の安全保障という観点から質しました。印象としての結論から先に言えば、経済産業省所管のIPAへの業務委託を優先させるあまり、ネット上の自由な経済活動を推進する経済産業省の立場が優先され、安全保障へのリスクが過小評価されているように思われてならない答弁、政府のゆるみを反映した答弁となりました。

 最初に、防衛省の関連企業による情報漏えいが発生した場合の約定事項の存在等にみられるように、各省庁ごとにインシデント発生の対応は異なるが、かりにIPAがこれらの行政機関の監査業務を行うとすれば、これらの秘密事項や異なる特約事項の義務をそれぞれ履行するということができるかを質しました。これに対して遠藤大臣は、改正後の規定においても、委託する法人に行政機関への監査業務を行わせることは想定していないと答弁しました。当然のことです。しかし、実は衆議院の付帯決議において、行政機関への業務拡大が指摘されていたので、この言質を取りたかったのです。なお、法律が採決された後に付された参議院の付帯決議では、行政機関への業務拡大について慎重に対応することを盛り込みました。

 それならば独立行政法人に対しても、一様の対応でよいのかを質しました。防衛省所管の駐留軍労働者労務管理機構(LMO)は、在日米軍施設で働く駐留軍等労働者の雇入れ、提供、労務管理、給与及び福利厚生に関する業務を行っています。LMO自身は、米軍の作戦行動のような運用等についての情報を有していませんが、どの基地でいかなる職種をだれが行っているかについての情報を保有しています。かつてフェイスブック上で、某投稿者が米軍高官であることを特定され、大きな問題となったことがありました。どこでだれが勤務しているかについての個人情報は、米軍の保有する軍事上の機密に近い人物を特定したりできる等、日米同盟にも影響を与えかねません。そこで防衛政務官に対し、この法律では守秘義務が委託される独法に課せられるが、ほかの独法と同じような守秘義務条項でLMOに対する監査業務を担わせることが適切かを質しました。
 すると熊田政務官は、LMOの個人情報の漏えいがあってはならないとした上で、日本の法令及び基準等にのっとり万全を期しておるところだが、引き続きエルモにおける情報保全に万全を期するように努めたいと、ほぼ他人事のような木で鼻をくくったような答弁を行いました。
 このため小生より、「政務官、おっしゃっていることの意味分かりますか。」と再質問しました。LMOは米軍の運用情報等は持っていないものの、米軍の基地労働者、配置、その家族等の情報を一元的に管理しており、悪意のある攻撃者が、彼らの情報を把握し、在日米軍の活動や我が国の安全保障に影響が出るような事態が起こった際に、「防衛省としてあるいはLMOとして、いや、その情報は実は独法が監査していました、しかも、その監査を行っている守秘義務あるいは保秘に関する規定は、例えば年金を扱っているとか、ほかの政府の機関と全く同じでした、これで」良いのか、危機感が余りに欠如しているのではないか、と質したのです。
 これに対して政務官は、「様々なことを考えながら、またこれは引き続き検討していかなきゃならないことだと思っておりますので、よろしくお願いいたします。」と回答するのが精いっぱいでした。

 次に警察庁に対し、サイバー・インシデントが発生した際に、警察庁が政府機関たるNISCと行ってきたような情報協力を、IPAのような独立法人との間でできるのかを質しました。というのも、このような場合の対処はサイバー上で全てが完結するわけでなく、属性や足跡、いわゆるアービトレーションやアトリビューションが重要で、この分野については警察が秀でている一方で、警察は刑事訴訟法の第四十七条で情報の提供の制約があるのです。この質問に対し、警察庁は、「刑事訴訟法第四十七条におきましては、訴訟に関する書類は公判の開廷前にはこれを公にしてはならないとされ、ただし書として、公益上の必要その他の事由があって相当と認められる場合はこの限りではないとされております。したがいまして、事案の解明及び同種事案の拡大防止に必要であると認められる場合には、このただし書の趣旨を踏まえまして、監査を委託された法人と捜査情報を共有することは十分に可能である」と答弁をしました。この手の協力が但し書きに基づき独法との間で行われるとの言質を取っただけで、今回は満足しました。

 この質疑を通じて明確になったのは、個別の場合の対処、特に安全保障の分野から機微な問題について、具体的な想定が甘いということでした。サイバー上の攻撃は、自由なネット上の活動を制約するのみならず、最悪の場合には国の安全保障に脅威を及ぼすことを想定し、細部についても想定すべきです。しかしながら、今回の法律も安全保障法制などと同様に想定が甘く、議席数さえあれば何でもできると考えているのか、政府のゆるみを象徴しているようでした。
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