「チョイ悪るおやじ」の面白さ・・・音相基の組み合わせが作った隠された笑い | 日本語好きな人、寄っといで

「チョイ悪るおやじ」の面白さ・・・音相基の組み合わせが作った隠された笑い

 チョイ悪るおやじとは、一部にガキっぽさが残っているおやじのことだそうですが、この語に感じる「おかしさ」は意味的なもののほか、音の仕組みの面にもあるように思えたので、それを捉えてみようと音相分析をしてみました。


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choiwaru


 表情解析欄を見ると、「おやじ」と「ガキ」を作っている表情語が次のように対立しているのがわかります。


(1)「おやじ」を作る表情語

暖かさ 40.9ポイント
非活性的 30.0ポイント
安定感 27.3ポイント
充実感 25.0ポイント
高尚さ 18.2ポイント 合計 141.4ポイント

(2)「ガキ」を作る表情語

鋭さ 25.0ポイント
個性的 21.4ポイント
単純さ 16.7ポイント
若さ 12.5ポイント 合計 75.6ポイント

 合計数は「おやじ」2、「ガキ」1の割合になっていて、この語の音が「おやじのくせにガキが抜けない人」の心の内側を見事に捉えているのがわかります。


 また、それを作ったのは「有効音相基欄」(ここでは省略)の

オヤジ (陰のムード) ・・・ 「有声音と、逆接拍(子音と母音の明るさが反対の拍)」
ガキ (陽のムード) ・・・ 「破裂音、イ音、高勁輝拍(明るく強い音)」

という、反対方向を向く音相基の組み合わせであったこともわかるのです。