ホールPA実習のドキュメントも今日が最終回です。

 

実際にはこの実習、録音・PA技術科/ライブ音響・コンサートスタッフ科の1年生を2班に分け、別日に行っています。つまり、皆さんに報告しているこの実習と全く同じ内容の実習が、日を改めて別の班を対象に行われているわけです。あまり大人数だと、個々の学生が機材に触れる機会が少なくなってしまいますからね。

 

さて、Pantographのメンバーさんたちがホール入りされると、早速、ドラムセットのセッティングに入ります。スタッフたちはそのお手伝いをしながら、マイクやモニタースピーカーの位置調整等を、ドラマーのYukariさんとコミュニケーションをとりながら詰めていきます。マイクスタンドの扱いやケーブルさばきは、みんな上手くなって自信を持って作業しているのが伝わってきます。

 

 

突然マニアックな話になって恐縮ですが、ベースのKeisukeさんは、AVALONという音の太さとツヤで知られるプリアンプを使っていて興味津津でございます。

このAVALONからのスルーアウト(何も変えずにそのまま取った信号)をベースアンプのスピーカーに送って、その音をマイクで拾ってPAミキサーヘ。

さらにAVALONで加工した信号も別ルートでPAミキサーに送るという作戦ですね。(入学前の方々には難しい話ですみません)

 

 

いよいよ、Pantographさんがステージに揃い、彼らに協力していただきながら、サウンドチェックを進めていきます。

 

メイン卓の方では、晴美先生がサウンドチェックの手順やコツを解説。その後、マンツーマン指導を受けながら学生たちは交代でFOH(観客向けスピーカー)の音を作るためのオペレートをしていきます。

 

 

一方、ステージ上では、モニター担当の学生チームが、モニタースピーカーの出音を確認しています。上手袖のモニター卓から送った音が、演奏者にどういう風に聞こえているのか、そしてその音に対して、演奏者がどういうリクエストをするのかを体感し、モニターエンジニアとしての判断力を高めるためにとても重要なプロセスです。

 

 

 

この後、数曲のリハーサルを経て、ライブの「本番」を行いました。本番といっても観客は音響スタッフだけです。それでもPantographの皆さんは、全力で演奏してくださいました。

 

昼休みを挟んで、ステージモニターとFOHのチームを入れ替え、同じ流れで実習は進行。それぞれの学生たちが、ステージ上とメイン卓の仕事の両方を行いました。

 

そして本番が終わると、安全に気をつけつつも、テキパキとバラシ作業。

写真で見ると載せているのか降ろしているのかわかりませんが、これはスピーカーを降ろしているところです。

 

 

最後に、学校へ戻す楽器やアンプ類はワゴン車に。

PA会社の大型機材は機材運搬用のトラックに積み込んで実習は終了しました。

 

 

 

1年生たちが入学時とは見違えるように成長しているのをこの目で確認し、大変頼もしい気持ちでホールを後にしました。

 

本日2/22は、別の班が、同じホールで同一内容の実習をしています。先ほど、様子を見てきましたが、そちらの班も負けず劣らず、成長した姿を見せてくれました。1年前には何も知らず何もできなかったのに、いやあ、若者の成長ってすごいですね。彼らの今後がますます楽しみです。