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やまとなでしこ養成講座 144

2012年01月25日 10時11分39秒 テーマ:やまとなでしこ養成講座

新しい年があけ、1ヶ月がたとうとしています。


2012年が、みなさまにとってよい年になりますよう、心よりお祈り申し上げます。



『やまとなでしこ養成講座』においては、たくさんのご拝読、ありがとうございます。


ご縁がありまして、今年の初夏ごろ、書籍化し全国発売できることになりました。


「やまとなでしこ養成講座を本にしてほしい」という声を多くいただきました。


その想いのエネルギーのおかげで、本になるのではないかな、と思います。


ほんとうにありがとうございます。




1月23日に出版社(東京)へ打ち合わせにいってきました。


担当の方たちが、よりよい本にするために、真剣に考えてくださったり、アドバイスをくださったり、その熱意をとてもうれしく思いました。


原本そのままでは、出版できないので、少し書き直しをすることになります。


原本には原本のよさがあり、書籍には書籍のよさがあるので、どちらの形にしろ大切なところがきちんと伝わるようにしたいと思っています。




『やまとなでしこ』がよりよい形となって、この本を必要としてくださる方々のもとへ届きますように。


感謝とともにそう願っています。





では、また本になっていくようすをときどきお知らせしたいと思います。




深謝 


 


木津コウ 拝






やまとなでしこ養成講座 145 につづく

やまとなでしこ養成講座 143

2011年12月30日 21時11分01秒 テーマ:やまとなでしこ養成講座

追記


二〇一一年十月初旬、とあるご縁と成り行きがありまして、『脳とカラダがよろこぶ調和力ごはん(ワニプラス)木津龍馬』という本を手にしました。


この『調和力ごはん』は、「やまとなでしこ養成講座」と同じ期間、さらに同じく十日間ほどで執筆された本です。


この中には、食事や料理、病気についての考え方が、具体的に書かれていて、すぐに実践できるお料理のレシピや、放射能対策のレシピも紹介されています。


感覚的(女性的)で架空的な「やまとなでしこ養成講座」に対して、『調和力ごはん』は、論理的〈男性的〉かつ現実的ですので、「やまとなでしこ養成講座」と『調和力ごはん』を合わせて読むと、とてもよいバランスだと思います。


農業に携わる方たちが、お日さまや土、雨、風からいろんなことを学ぶように、わたしたち「やまとなでしこ」は、まず台所からたくさんのことを学びはじめることにしましょう。


そして、おいしくて光エネルギーの多い、愛情たっぷりのお料理を食卓に並べて、笑顔を増やしていこうではありませんか。



『食が変われば、日本が変わる。

日本が変われば、世界が変わる。』(『調和力ごはん』より)



想いが届きますように。


願いを込めて。  

                     



よいお年をお迎えください。




木津コウ 拝





やまとなでしこ養成講座 144 につづく

やまとなでしこ養成講座 142

2011年12月29日 10時24分05秒 テーマ:やまとなでしこ養成講座

わたしたちは、災害から多くのことを学ばなければなりません。


自然の尊大さ、人間の傲慢さ、放射能汚染の脅威と核戦争の愚かさ、クリーンで安全なエネルギーの必要性(原子力発電は本当に必要ですか?)。


今あるもの、あたり前だと思っていることへの感謝。



助け合い、分かち合い、譲り合い、お互いを思いやることの大切さ。


日本人としての誇り。



真に学ばなければ、学ぶまで繰り返されるのです。



力を力でねじ伏せるのではなく、わたしたち女性の偉大な創造力(抱きとめて新たに生み出す力)で、楽しみながら笑顔で地球を再生していきましょう。


この講座をどう生かすのか、それはわたしたち次第。


まだ、できることがきっとあるはずです。


地球がやわらかな光で包まれますように。


このたびの東日本大震災における被災者のみなさま、ならびに関係者のみなさまには、心からお見舞いを申し上げます。


制作をバックアップしてくださった方々、そして、この本を手に取り最後まで読んでくださった方々、ほんとうにありがとうございました。


深く感謝を込めて。






やまとなでしこ養成講座 143 につづく


やまとなでしこ養成講座 141

2011年12月28日 14時03分16秒 テーマ:やまとなでしこ養成講座

それからパソコンに向かったわたしは、


「やまとなでしこ養成講座へようこそ。……」


と書きはじめたのでした。


昼間はなかなか時間がとれないので、書くのはだいたい夜中でした。


昼の間に、書く内容が頭の中にたまっていく感覚。


それをパソコンに向かったときに出す、という感じでした。


「日常のやるべきことは、ちゃんとやりなさい。

大丈夫、書くときにはすべて思い出すから」


と、そう言われている気がしましたので、日常生活も普通に送っていました。


お風呂に入っているときは、訂正時間。


間違って書いている部分が次々と浮かんできて、「あ、違ってた」とわかる。


だから、覚えておいて、お風呂からあがってすぐ書き直す、そんなふうでした。


最初に降りてきていた詩も、次々と文章の中に織り込まれていきました。

 

「あ、これは、ここでつかう詩だったのか、無駄がないなあ」と感心しました。


書き上げてみると、それは本にして三百ページほどありました。


およそ一週間で補講を除く講座部分、さらに三、四日ほどですべてを書き終えました。


一度もふんばることなく、詰まることなく、つるりんと全部出た、という気持ちよさでした。


ただ、地球からのメッセージのところでは、イメージはあるのですが、さすがに何をどう書いていいのかと一時停止しました。


そのとき、ずいぶん前に友人が貸してくれていた本がふと目にとまり、なんとなく真ん中のページを開いてみたのです。


借りてから、まだ一度も開くことなく本棚に置いてあった小さな本でした。


それは『光ある愛の星にアセンション』という題名の本でした。


開いたページに答えがすべてありました。

さすがに驚きました。


地球からのメッセージ部分は、この本がもとになっています。


十日間ほとんど徹夜で、睡眠時間は人生最短の日々でしたが、不思議なことにあまり眠さも感じず、頭は冴えていて昼間も元気でしたし、とても楽しく書かせてもらいました。


 

わたしは、この講座の文章を書きながら、この講座を受けたのです。


 あなたは、この文章を読むことで、この講座を受けたのです。


 この世の中って、ほんとうにおもしろい世界だなあとつくづく感じます。


反面、テレビやラジオのスイッチをオンにすると、流れているのは、ネガティブな殺傷事件、テロ、紛争、火山の噴火、ウイルス関係のニュース。


書き終えたこの原稿を、友人に手渡していた最中には、東日本大震災もおこりました。


壊れかけた地球が、悲鳴とともに身を震わせ、大地震や大津波をとおして大事なメッセージを訴えかけているようにも思えます。






やまとなでしこ養成講座 142 につづく

やまとなでしこ養成講座 140

2011年12月27日 10時33分19秒 テーマ:やまとなでしこ養成講座

おわりに


二〇一一年二月四日の夜から、詩がぽろぽろと降ってきていました。


わたしは、詩が浮かんでくるたびに慌ててペンをとり、その詩たちを書きとめていたのです。


そして三日後、二月七日の朝、突然こんな言葉が浮かんできました。


「やまとなでしこ養成講座へようこそ。

わたくし、講師のレディ・ガイアと申します」


わたしは、何? と思いながら、またもや慌ててそばにあったオレンジ色のペンをとり、机の上のメモ帳をたぐりよせたのでした。


そのとき書いたオレンジ色の文字は次のとおりです。


「やまとなでしこ養成講座へようこそ。

わたくし、講師のレディ・ガイアと申します」


「は?」


「このたび、わたくしの担当しております地球が、危機的状況にあるということで、救済計画としてこの講座を開講することに決定いたしました」


「あのう……」


「この講座の受講者として選ばれたあなたは、大変ラッキーなのであります。

なぜなら、この時期に日本という場所に女性として生を受けるということは、その時点でみずから使命感を持ち、高い倍率の中から選ばれて生まれてきているからです。

しかしながら、あなた方は、この発達した文明の安楽さの中で、物質の執着にまみれ、神の存在など忘れ、自分のことばかりに関心を持ち、地球への感謝も忘れ去り、好き勝手に魂を汚しているのです。

このまま実想界に帰れば、みずからの使命を思い出せず、事実上放棄して好き勝手したことに気づき、深い苦しみと後悔の念に何百年もさいなまれていたことでしょう」


「えーっと、で、あなたはいったい誰なんですか?」


「先ほども申しましたが、わたくし講師のレディ・ガイアと申します」


「じゃなくて、まったくすべてが意味不明なんですけど……って、ああ、わかった、これは夢なんだ!」


「ほっぺをつまむ必要はありません。

あなたのおっしゃるとおり、これは夢です。

あなたの守護天使の許可を得て、夢という場をお借りして、本講座を開講いたしております。

本講座は全八回、つまり八夜にわたって開くことになっております。

補講のようなものもありまして、最後には、レポートを提出していただくことになっております。

レポート制作は、守護天使とともに取り組んでいただきます。

テストではありませんので、もちろんわたくしへの質問も受けつけますし、アドバイスもさせていただきます。

そしてレポートにまとめた内容を、まわりの女性たちへ広げていってほしいのです。

本講座は、女性を対象に、日本全国で随時開講されていく予定です。

受講者の数は未定ですが、受講すべきと守護天使が判断した女性には、なんらかの形でこの内容が伝わるようになっています。

わたしたちの希望は、日本の女性がみずからの本来の型を思い出し、意識が現在のものから一段階上がることです。

本来、高い高い意識、女性性を持っているあなた方が、ほんとうの自分を思い出し、開花させることで、男性が変わり、子どもが変わり、日本の未来が変わります。

その日本を中心としたエネルギーは世界中に広がり、世界中の人びとの意識革命をになう原動力となるのです。

地球はすでに、サッカーでいうならロスタイムに入っています。

でも、サッカーでも、過去にロスタイムで大逆転勝利をおさめた試合、チームは数えきれないほどあるということを、あなた方はご存知でしょう。

最後まで望みを捨ててはいけません。

わたくしたちもみな、固く信じているのです。

ひとつひとつ行動しているのです。

あなた方地球人があきらめてはなりません。

あなた方が思っている以上に、信じるという想いの力は強いものなのです。

『大丈夫』、この言葉をキーワードとなさい」




やまとなでしこ養成講座 141 につづく

やまとなでしこ養成講座 139

2011年12月26日 11時45分25秒 テーマ:やまとなでしこ養成講座

【リオマから教えてもらった 豆入り玄米ご飯の炊き方】 



<材料>

玄米(できれば無農薬、有機肥料。黒米・赤米を少し混ぜてもおいしい)……四合

あずき、大豆、黒豆(※緑豆、金時豆などもおすすめ)……適量

天然塩(岩塩)……小さじ二杯

水(できるだけよい水)……一リットル(五カップ)


1.ボールにざるをセットして玄米四合を入れ、さっと右回りに洗って、ボールの水を捨てる。


2.再び水を入れ、玄米を両手ですくって、「おいしくなあれ、おいしくなあれ」と、優しくこすりあわせるように洗う(拝み洗い)。


3.水がにごってきたらボールの水を捨て、また水を入れて拝み洗い、これを二、三回ほど繰り返す。


4.圧力鍋に洗った玄米を入れ、四合の場合、一リットルの水 ※三合 八00cc、五合 一一五〇cc、六合 一三〇〇cc、七合 一四五〇ccの水)を入れる。


お好みの水加減を、指や手を沈めた感覚で覚えておくと便利です。


5.豆類を洗って、圧力鍋に入れ、天然塩(ミネラル豊富でにがり成分が少ない岩塩がおすすめ)を、小さじ二杯ほど入れる。


6.手、または木のしゃもじや竹箸で、右回りに丁寧に混ぜる。

木のじゃもじや竹箸で混ぜるときは、自分の手の一部になったような感覚で。

玄米から光が出てきてあふれ出すイメージを持って数十秒~数分間混ぜる。


玄米・豆は、三時間から一晩水にひたしたほうが、ふっくらと炊き上がります。


7.ガスの火を強火にし、シュッシュッシュと蒸気の音が力強くしだしたら、弱火にして二十分(夏)~二十五分(冬)。


※忘れないようにタイマーをセットしましょう!


8.タイマーが鳴ったら、再び強火。

シュッシュッシュッと蒸気の音がしたら火を止めます。


9.四十分ほど蒸らしてできあがり。

切るようにさっくりと混ぜます。

天然塩少量とゴマをすり鉢ですった「ごま塩」を、玄米にかけると、おいしいうえに栄養バランスもよくなります。






やまとなでしこ養成講座 140 につづく

やまとなでしこ養成講座 138

2011年12月24日 21時31分20秒 テーマ:やまとなでしこ養成講座

家に戻ってシャワーをあび、着替えをすませたところで携帯が鳴った。


彼からの夕食の誘いだった。


オーガニックフードのレストランで食事をすませた彼とわたしは、そのレストランと続きになっている雰囲気のいいラウンジで、食後のコーヒーを飲んでいた。


山登りの話はすでに笑い話になっていて、「最高の体験だった」とふたりとも思っていた。


「受け取り方を変えるだけでさ、苦しいばっかりの嫌な体験になったり、おもしろくてためになる体験になったりするってことが、今回よくわかったよ」


笑いながらそう言った彼が、ふと黙り込んだ。


突然の空白に、あれ?っと思ったところで、彼がまた口を開いた。


「今日の山登りさ、おれ、きみと登れてよかったよ。

おれひとりだったら、きっと苦しいばっかりで楽しめなかったと思う。

パートナーって大事なんだなって思った。

……実はおれさ、近いうちに独立して、小さな診療所をやりたいと思ってるんだ。

古民家を改築して、そこで患者を診ながら、食育やったり、民間療法教えたりしたいんだ。

考え方のコツとか生き方の方向性とかもアドバイスできたら、と思ってる。

科学薬品じゃなくて、漢方薬とかオーガニック食品とかハーブとかホメオパシーとか使ってさ、自然のエネルギーと自然治癒力を信じてやっていきたいんだ」


「すごいわね。

あなたなら、きっとやれると思うわ」


「今までの貯金も全部つかってしまうし、これから安定した収入があるとも限らない。

だけど……」


「だけど?」


彼の真剣なまなざしが、わたしの目をまっすぐに見つめた。


「……おれと一緒にいてくれない? 

……おれさ、ずっときみのこと、探してたんだと思う……。

きみじゃなきゃだめなんだ。

……結婚、してほしい」


山登りをしていたとき、わたしはきっとこの人と人生をともにするだろうと確信していた。


鏡として彼を見たとき、わたしは鏡に映る自分が大好きだったし、今まででいちばん、自分と似ている鏡だと思った。

わたしはこの人を支えていきたいと思った。


レディ・ガイア、わたし、自分そっくりの半分のりんご、見つけたよ。


彼の全部を丸ごとそのまま抱きしめていこう。


もうひとりのわたしとして。


「はい、喜んで」


彼が少年のように笑った。








end






やまとなでしこ養成講座 139 につづく

やまとなでしこ養成講座 137

2011年12月23日 22時43分49秒 テーマ:やまとなでしこ養成講座

頂上についたわたしたちは、うつむいて一分ほど静かに目を閉じた。


雨と風が激しくて、立っているのもやっとという状態だった。


わたしは、山と大地と雨と風と地球に感謝の祈りをささげた。


彼は、何を思っていたのだろう。


あたりはいつまでたっても薄暗く、夜が明けることはなかった。


顔を上げた彼が、わたしをのぞきこんで言った。


「おれね、この山の神さまに呼ばれてる気がするって言っただろ? 

今日の体験は、きっとメッセージだと思うんだ。

だから、きっと無事に戻れるよ。

おれたちは護られてるんだからさ。

ね、おれを信じて。

あせらず、ゆっくり下りような。

大丈夫だから」


わたしは、何度もうなずいた。


「大丈夫」「おれがいるから」「おれを信じて」……何度も頭の中でその言葉を繰り返しながら、彼の背中を追った。


彼は何度もふり返り、わたしがちゃんとついてきているのを確認しながら、ゆっくりと下っていった。


土砂降りだった雨が、少しずつ弱くなってきた。


半分ほど下ったとき、突然、彼が立ち止まった。


雨はもう降ってはいなかった。


「どうした……」


「しっ」


たずねかけたわたしの声を途中でさえぎって、


「風が変わった。耳を澄まして」


と彼が言った。


数秒後、ごおーっという音とともに、濃い霧が一斉に流れ出した。


山頂に向かって吸い込まれていく。


下からの強風に乗って、わたしたちへ向かってきた白い煙のうずは、わたしたちをなでまわすようにすりぬけて、噴火口へと昇っていった。


あっという間の出来事だった。


霧が消えた。


視界が大きく開ける。


目の前に果てしなく続く、ブルーグレイの空。


薄くなった雲の間から淡く光る陽の光。


遠くまで連なる緑の山々。


眼前に広がる広大な大地。


小さな木箱に入れられていた小鳥が、大空へ放たれたような開放感。


ミニカーより小さく見える彼の愛車が、登り口のところでわたしたちの帰りを待っているのが見えた。


「人生でさ、悟りを開く瞬間って、こんな感じなのかもな」


彼がひとり言のようにつぶやいた。






やまとなでしこ養成講座 138 につづく

やまとなでしこ養成講座 136

2011年12月22日 14時08分30秒 テーマ:やまとなでしこ養成講座

空中に浮かんだような一本道と、まわりの景色すべてを覆い隠す白い霧、さらにその霧は、噴火口から大量にわいて出てくるようで、強風にあおられて左の崖へと流れ込んでゆく。


「見た感じ、霊界にまちがいないけど、たぶん、まだ死んでないと思う」


わたしは、彼の体温のあたたかさを感じながら言った。


「……おれさ、コンタクトなんだけど、大量目薬状態で前が見えないよ……そうだ!」


半分笑いながらそう言った彼は、ポケットから薄く色のついたサングラスを出してかけた。


大粒の雨が次々と彼のメガネを直撃し、彼の視界をまったくさえぎっている。


「あ、目薬は回避したけど、これ、ワイパーがないとやっぱり見えないわ」


彼が、メガネのレンズの前に両手の人さし指をたてて、ワイパーのまねをしたので、わたしは思わず声を出して笑った。


彼も笑ってメガネをはずし、ポケットに戻した。


ふたりとも、ぬれ雑巾のようにびしょぬれで、寒くて、遭難してもおかしくないようなこんな状態で、でも彼と一緒だと笑えた。


そして、なんだかこの苦しい状況までもが、おかしくなってきた。


わたしたち、何やってるんだろうって。


こんな天気の日に山登りなんかして、ふたりしてこんな濡れネズミみたいな格好になっちゃって、ほんとアホみたいと。


そう言い合って、しばらくふたりで笑っていた。


「苦しいときにさ、笑えるってすごいよな」

彼が言った。


「苦しいときってね、成長するチャンスなんだって。

苦しみ大歓迎! 

成長させてくれてありがとう! 

って受け入れて、そこにあるメッセージを受け取りなさいって教えてくれた人がいたよ」


ユーモアは、苦しみにつける特効薬。

苦しいときほど、ユーモアを忘れずに……


レディ・ガイアの言葉を思い出した。


その意味が、今はよくわかる。


「さあ、足もとに気をつけて、一歩一歩登ろうな。

もう頂上はすぐそこだよ」


「うん」


そして、彼は真面目な顔でわたしを見ると、


「大丈夫、おれがいるから」


と言った。






やまとなでしこ養成講座 137 につづく

やまとなでしこ養成講座 135

2011年12月21日 09時34分09秒 テーマ:やまとなでしこ養成講座

一歩、一歩、足元を確かめるようにして歩いた。


前を行く彼の背中を追いかけながら、濃い霧の中を登っていった。


片道一時間半ほどで登れるそれほど高くない山だけれど、傾斜が急なので、足元を確かめ、手で岩をつかみながら進まなければならない。


途中で小雨が降ってきた。


さらに強い風が吹いてきた。


気温が下がり、寒くなってきた。


「大丈夫か?」


彼がふり向いた。


「大丈夫」


ひとりだったら、死ぬほどこわかっただろう。


でも、彼の背中が目の前にあるだけで、わたしは力強い安心感のようなものを感じていた。

この山は、昔は霊山だったという。


今は、気軽に登山できる人気の山になっているけれど、江戸時代までは女人禁制だったほどだ。


火山ということもあり、少しすると草木が一本もなくなった。


足元には、赤と黒の溶岩がごろごろしている。


赤と黒と白の世界。


天から降ってくる水の粒、風の音。


前を歩いていた彼が立ち止まり、ふり返ってこう言った。


「人生って、こういうものかもな。

……前も見えない、とおってきたはずの後ろも見えない。

見えるのは、今、ここだけ。

この足元を一歩一歩確実に進むだけ。

でも、いつか、めざすところにたどりつく。

一歩、一歩、ちゃんと近づいていってる。

きっと、それが大事なんだよな」


「わたしもね、今……同じようなこと、考えてたよ」


ふと足元を見ると、こんな草木もないと思われる瓦礫の隙間に、鮮やかな緑のコケが生えていた。


よく目を凝らして見ると、少し離れた場所には、砂に根をおろし地をはって広がるような草もあり、黄色い小さな花まで咲かせている。


「ねえ、あの草のように生きられたら、こわいものなしだって思わない? 

水も栄養も限られた、こんな荒れた土地なのに、でもしっかりと根をはって、花まで咲かせてるよ。

これがほんとうの強さだよね……」


「ほんとだな」


雨と風が次第に強くなっていった。


頭から足先までずぶぬれだ。


寒い。


打ちつけてくる雨が痛い。


頂上を目前に、道はさらに険しくなり、幅二メートルほどの一本道になった。


右は噴火口、左は崖だ。


石ころを踏んで足元をすくわれたわたしは、強風にあおられて、左の崖へと大きくよろめいた。


「あっ」


その声にふり向いた彼が、とっさにわたしの腕をつかみ、抱き寄せた。


わたしの足は、がくがく震えている。


「危なかったな。

……おれたち、まだ……死んでないよな」


抱き合ったまま、彼の視線は道の先を見ていた。







やまとなでしこ養成講座 136 につづく

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