存在の矛盾
(・_・) 唐突な質問だが、ちみは、自分の生まれてきた理由を知っているか?
たとえば、神か、それに準じるようなモノと交信する能力を持っているとか、未来を予見する超常能力を持っているなら、己の存在意義に確信を持てるかもしれない。
だが、たいていの人間は、己が運命を知らない。
知らないということは、無いことに等しい。
だから、運命など無い。あるいは、いかようにも変えられる、とも言えるし、自分で、自分の好きなように勝手に思い込んだとしても、なんら不都合はない。
だが、もし、生まれたときから、絶対的に運命を定められており、なおかつ、その運命が、存在とは矛盾したものであったとしたら?
『絶対彼氏』というドラマに、まさに存在の矛盾を抱えた登場人物が出てくる。
夜のドラマだが、ぼくは、こういう番組は、通常、まず見ることがない。
なのに、なぜ、見てるかというと、
水嶋ヒロさま
が出演しているからだ。(ファンである)
ただし、この時間帯、ちょうど仕事から帰った旦那が晩飯を終えて、「遊ぼう遊ぼう」とまとわりついてくる時間帯なので、集中して見るコトが出来ない……
音叉: 「いまは、テレビ見たいから、あっちいけ~~!(泣)」
旦那: 「録画しといて、あとから見れや。いつもそうしてるやろ。」
音叉: 「
オレはッ! ほかにも見なきゃいけないアニメが、いっぱいあるんだよっ!」
旦那: 「そんな理由か!」
そんな理由かって、あなた言うけど、ぼくは、先週のコードギアスも、まだ見てないのだよ……(涙) 察してくれたまえ。 (なにがだ)
ま、そんな話は、どうでもイイ。
要するに、あんまり集中して見てないのだが、なんとなく、ぽつぽつと、ぶつ切りに見ているうちに……
お目当ての水嶋ヒロさまよりも、速水もこみち演じる、恋人ロボットのほうに、激しく感情移入している自分に気づいたのだ。
はぁ~~~~
このドラマ……、笑わしてくれるのに、すっげー切ないワ………、最初から、ちゃんと見てればよかった……
あらすじは、こうである。(ちゃんと見てないから、間違ってるかもしんない)
真面目すぎて、男性からは重たい存在と思われ、敬遠されがちな主人公の、リイコちゃん。
ある日、新開発の「恋人型ロボット」のモニターとして選ばれる。
リイコちゃんの好みにあわせて、外見から性格から設定された恋人ロボットが、速水もこみち。
リイコちゃんの上司で、会社社長の次男坊が、水嶋ヒロである。
ウハウハ
な状況である。
だが、この恋人ロボット、完璧にプログラムされているのだが、やはりロボットなので、言動が、変なのである。ここが笑いのポイントである。(かなり笑えるヨ。)
リイコは、迷惑に思って、何度もロボットを返そうとするのだが、そのたびに、このロボットの、絶対的な愛(笑)の前に、ほだされてしまい、なんだかんだで、結局、1億円だったかな? で、買い取ることになる。⇒貧乏生活に突入。
だが、しょせんは、ロボット。恋愛の対象にはならない。リイコちゃんは、なんだかんだで、最初は、嫌な奴だと思っていた水嶋ヒロが気になりだす。そして、水嶋ヒロのほうも………
というお話。
(・_・) バカバカしいお話である。
でも、切ないのだ……、アニメしか見ないぼくが、ドラマ見て、ちょっと泣いちゃったのだ……
リイコちゃんや水嶋ヒロもイイが、とにかく、この恋人ロボットが、切ない。
「リイコの理想の彼氏だから。」
「リイコを愛しているから。」
と、素っ頓狂ではあるものの、リイコのためなら、どんなことでもやってのける。なのに、リイコの気持ちが、水嶋ヒロに傾きつつあることを理解し、
「リイコには、オレよりも大切なものがある。」
と悩み始める。
考えてみよう。
このロボットは、「リイコに愛される」ために、生まれてきたのだ。
リイコの「理想の彼氏」になることが、絶対的に、定められた運命なのだ。
だが、この運命は、矛盾している。
ロボットが、人間と愛し合えるだろうか?
ロボットのように、あるいは人形のように、意のままになる相手しか愛せない、という人間も、この世界には、いるかもしれない。それは、ぼくが、思ってるより、たくさんいるかもしれない。
だが、それは、本当の愛なのか?
愛とはなんぞや、という話は、膨大すぎるので置いておくが。
人形は、ヒトと愛し、愛される関係を継続して持つことは出来ないのだ。
つまり、このロボットは、存在自体が、矛盾しているといえよう。
どこかで、これに似た話を知っている……と思ったのだが、スピルバーグの『A.I.』という映画が、これとそっくりのテーマじゃなかったか。
永遠に愛されるために造られた子供型ロボット。
なのに、愛してくれるはずの家族に、本当の(人間の)子供が出来てしまう。
結末は、確か、人類がすべて死に絶えたあとも、この子供型ロボットだけが残って、どっかの宇宙人にみつけられ、彼らと家族になる、というお話じゃなかったかな?(うろおぼえも甚だしい)
ロボットは、ロボットである。
人間とは、肉体的な強さも違えば、記憶の仕方も違う。きっと、感じ方も、なにもかもが違うのだろう。いや、そもそも、なにかを感じたりするのだろうか? 彼らが表す感情は、そもそも、ヒトがつくったプログラムなのに。
なのに、ヒトは、ドラマや映画で、この悲しい運命を負わされたロボットのほうに、より強く感情移入するのである。まったく異質な存在に、己自身を投影するのだ。
なぜなのか?
(・_・) そこで、もう一度聞く。ちみは、自分の生まれてきた理由を知っているか?
追記: ちなみに、『絶対彼氏』は、次回が最終回(のはず)。 この物語では、なぜか、製作者の意図を離れて、ロボットを自我を持ち始めてるようだ(笑)。 最終話がどうなるのか、非常に気になる。



