よしあきのブログ

徒然と書いています。


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厚生労働省が「2011年度全国母子世帯等調査結果」を発表した。

この調査は、昨年11月に無作為抽出した全国の1648の母子世帯、

561の父子世帯などを対象に実施されたものである。

 

◆母子世帯の平均年収(2010年)は291万円で、

児童のいる全世帯の平均年収(658万円)の

約44%であることが分かった。

 

◆母子世帯数(推計値)は06年度の前回調査と比べて、

約9万世帯増の124万世帯

最も多い理由は「離婚」の80.8%で、同1.1ポイント増だった。

 

◆母子世帯の母親の就業率は80.6%(06年度比3.9ポイント減)で、

雇用形態別では、正規労働者が39.4%(同3.1ポイント減)、

臨時・パートは47.4%(同3.8ポイント増)だった。

 

◆母親自身の平均年間就労収入は、

父子世帯の父親の360万円の約半分の181万円だった。

 

◆母親の貯金額は「50万円未満」が47.7%で最も多かった。

 

【考察】

父子世帯は、経済的には問題ないと思われがちだが、

実際には、平均年間就労収入は360万円で、

児童のいる全世帯の平均年収658万円の54.7%という結果から、

経済的にも決して、楽ではないことが分かる。

しかも、慣れない家事などもしなくてはならず、

その負担は、思いのほか大きいといえる。

 

一方、母子世帯の平均年間就労収入は181万円で、

これに公的な手当などが加算されるとしても、

経済的に厳しいことは想像に難くない。

 

この調査結果をもとに支援策を講じるならば、

母子世帯だけでなく、父子世帯も含めた「ひとり親世帯」への支援として、

経済的な支援が第一義的に行われなければならない。

その上で、現金支給以外のソフト面の充実を図る必要がある。

親が働いている間、子どもが安全に過ごせるよう、

学童保育や放課後児童クラブ等の支援を手厚くし、

父子世帯、母子世帯に関わらず、育児休業が取りやすい環境をつくる。

すなわち、親が働きやすい環境づくりをすることが肝要である。

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生活保護世帯に暮らす15~18歳の高校生世代を対象に、

通学状況や学校生活などについて調べる実態調査を

堺市と関西大学が合同で実施することが5日、分かった。

 

生活保護をめぐっては、

世代をまたいで受給を続ける“貧困の連鎖”が課題となるなか、

高校生世代に対する支援のあり方を模索する狙いがある。

市によると、受給世帯の高校生を対象にした大規模な調査を行うのは

全国でも初めてという。

市によると、行政の支援策などで、

生活保護世帯の高校進学率は上昇しているが、

中退や不登校などによって就職できず、

生活保護予備軍となってしまうケースも少なくなかった。

しかし、これまで実態を示すデータはなく、

市は効果的な支援策を検討するため、調査の実施を決めた。

 

調査は、市と関西大学人間健康学部で社会福祉施策を

研究する岡田忠克教授が合同で実施。

対象は堺市内に住む高校生世代の子供がいる

生活保護の受給世帯約千世帯と、

大阪府南部を中心とした公・私立高校と専修学校となるという。

 

方法は、受給世帯に、担当のケースワーカーが赴き、

保護者や子供に面会して聞き取りを行う。

高校への通学や学校生活の状況のほか、

高校中退のケースでは、その後の進路なども尋ねる。

各高校にはアンケート文書を送る。

9月中をめどにアンケート項目の詳細を決め、調査を実施。

今年中に結果を分析し、効果的な支援の施策を検討する。

 

岡田教授は

「経済的な理由で部活に入らない生徒も多い。

部活での人間関係が、中退を思いとどまらせることもあり、

部活の入部状況なども調べたい」としている。

また、生活保護世帯の高校生について、岡田教授は

「安易に中途退学を選んでしまう人もいる」としたうえで

「貧困の連鎖を立ちきり、親の生き方にとらわれず、

自分で生きる力をつけるために何が必要なのかを導き出したい」話している。

 

『産経新聞』 2012年9月6日付

 

親から子への貧困の連鎖は、昔から世界的な問題となっています。

親世代が貧困のため、子どもが進学できず、

結果として、子ども世代で貧困が繰り返されるという図式です。

貧困の連鎖を断ち切るには、行政だけでなく、

民間団体や周囲の支援が必要です。

すべての生活保護受給世帯がそうではありませんが、中には、

親の無責任な生き方が原因となっている場合もあります。

そういう原因で、子どもが貧困を繰り返すなら、それは悲劇です。

 

生活保護制度では、高校の学費は「生業扶助」として支給されます。

ですが、そこから先(大学、専門学校など)の学費は支給されません。

大学進学が困難である生活保護世帯の高校生は、

どういう心境でいるのかを調査することで、

実情に見合った支援策が立てられるのではないかと思います。

 

今は、お金さえあれば、どこかの大学に入れる「全入時代」で、

大学生とは名ばかりの、基礎学力の低い学生が少なくありません。

分数の計算ができない経済学部の学生や、

九九をマスターしていない短大生がいます。

まぁ、ゆとり教育の弊害なんでしょうが…。

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このブログのアクセス解析の検索ワードで、8月に上位に出ていたのは、「仙台育英 根性焼き」、「仙台育英 いじめ」と「ソーシャルワークの価値」、「ソーシャルワーカー 価値」でした。
そこで、ソーシャルワークにおける価値、あるいはソーシャルワーカーが指針とすべき価値について、過去に書いたレポートの一部を抜粋し、加筆したものを掲載しますが、その前に、キーワード検索している人に言いたいのは、まずテキストをよく読んでください。
ネットで調べなくても、テキストに詳しく書かれています。
ここでいうテキストとは、中央法規出版の「社会福祉援助技術論Ⅰ」です。

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ソーシャルワーカーが援助を行う際、指針とすべき専門職の価値と倫理がある。
人間の尊厳、社会正義などの専門職の価値と、そこから導かれる倫理原則である。
こうした専門職の価値と倫理は、倫理綱領として明文化されている。
倫理綱領には、「人間は生まれながらに平等であること、またかけがえのない存在であること、一人ひとり違った素晴らしさと可能性を秘めている」、「偏見や差別をなくし、常に社会や組織、人々が公正であるよう働きかけるべきである」などの指針が盛り込まれている。
このような価値を根底におき、ソーシャルワーカーは、社会正義を実現し、あらゆる者の人権尊重と自己実現、特に弱者の権利を擁護する。
すなわち、ソーシャルワークの価値とは、ソーシャルワーカーが時代に関係なく求め続けてきた、人間観と社会観を集約したものである。
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ソーシャルワークを行うにあたって、上記のようなことが求められる背景には、競争社会による弊害があります。
現代の競争社会は、強者が弱者の権利を侵害するという不正義で満ちあれています。
多数決、多数派が正義とされれば、少数派や競争すらできない人の自己実現はありません。
ですので、ソーシャルワーカーは、社会正義の実現のため、競争社会で「強者」になれなかった人たちの権利を擁護し、それぞれがもっている可能性を実現できるよう働きかけることを使命としているのです。
それが専門職として、ソーシャルワーカーが自身の根底におかなければならない価値です。


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東京都豊島区の都営団地で先月28日、発見された70代の母親と40代の長女の孤立死は、

1人暮らしより安心と思われがちな「2人暮らし」があだになった状況が、

関係者の話から分かってきた。

長女には精神障害があり、高齢の母親との暮らしは

かえって社会的な孤立を深めやすかったのではという指摘もある。

 

池袋駅の北西約1.5km、周辺には各線の駅も多い豊島区高松3の都営団地。

林京子さん(77)と長女崇子さん(42)は、死後数日たった状態で見つかった。

先に崇子さんが死亡した可能性が高いとされるが、死因は不明なままだ。

団地住民によると、親子は取り壊しが決まった区内の

別の都営団地から数年前に引っ越してきた。

一緒に移ってきた女性は「前から近所付き合いのない家だった。

訪問しても顔を出さないので、配布物をドアの下から入れた」と話す。

区は、2人に生活保護の受給歴はなく「生活に困っていなかった」とみる。

区の高齢者対策として調査や見守り、配食のサービスがあるが、

いずれも対象は単身か高齢者だけの世帯で、京子さんには当てはまらない。

崇子さんが障害者という情報は、区の高齢者福祉の担当には伝わっていなかった。

 

崇子さんは、パン作りをする区内の福祉作業所に月2~4回程度通っていた。

最後に行ったのは6月29日。

1カ月近く連絡無しで休んでおり、1人暮らしの利用者であれば、

作業所の職員が様子を見に行くケースだが、

「お母さんと一緒なので大丈夫だと思い、安否確認しなかった。

まさか2人で亡くなるとは…」と代表の男性は話す。

6月4日に1度だけ、区の地域包括支援センターの職員が2人を訪問した。

京子さんの通う病院から「受診予約したのに来ない」と連絡があったためだ。

崇子さんとは穏やかに会話できたものの、

京子さんから「来てほしくない」と強く拒否され、それ以上の介入はしなかったという。

2人暮らしだからこそ、異常を見落とされた上に、

「社会的な孤立をより深めたのでは」と

東京都精神障害者家族会連合会の野村忠良会長はみる。

 

精神障害の子どもを抱えた親は、世間に気兼ねして生活を隠そうとし、

交流しなくなりがちだ。

野村会長は「ふだんから『子どもと一緒に死にたい』と考える人も少なくない」と話す。

「今回のケースは、そういった親の感情に長女が巻き込まれて生活していたのでは」と推察する。
崇子さんは8年前から数回、1人で区の相談窓口を訪れ、将来の不安を訴えていた。

野村会長は

「母親から独立して暮らしていれば、

2人が1度に亡くなって見つかるという悲劇にはならなかったかもしれない。

障害者の自立を家庭だけでなく、地域で支援する体制が必要だ」と話している。

 

『東京新聞』 2012年8月3日付

 

1人暮らしではなく、精神障がい者と高齢者という2人暮らしのために、

安否確認や見守りの対象にならないという皮肉なケースです。

独居老人の安否確認や見守りは、全国の社会福祉協議会や行政が行っています。

独居老人のほかに、1人暮らしの障がい者の見守りを行っている地域もあります。

しかし、2人暮らしに対する施策はありません。

全国の行政を調べた訳ではありませんが、一般的に、2人暮らしは対象とはなりません。

 

この孤立死には、いくつか問題点と課題があります。

問題点として、まず挙げておかなければいけないのは、

娘が障害者という情報を、区の高齢者福祉の担当が把握していないことです。

同じ福祉でありながら、かたや障がい者担当、かたや高齢者担当で、

福祉的に必要な情報を共有していないことに大きな問題があります。

まさに、「木を見て森を見ず」です。

 

次に、「2人暮らしだから大丈夫だという思い込み」です。

2人で暮らしていても、閉鎖的な家庭はいくらでもあります。

ましてや、精神障害のある娘と母親なら、母親が人との関わりをもたないのは、

精神障害のある子どもをもつ親の心理を考えれば、当然ともいえます。

 

そして、課題として挙げたいのは、

障がいのある息子(娘)と高齢になった親が2人暮らししている場合の支援策です。

よほど明るい性格の親でない限り、高齢になると社会から孤立しやすいでしょう。

行政の高齢者担当が、それぞれの家族構成と家族の障害の有無を把握するのは、

孤立死の可能性を考えると、不可欠です。

(個人情報保護より優先される事柄)

 

今回の孤立死の問題をみると、精神障害のある娘は、通所施設に通い、

8年前から相談窓口を訪れ、将来の不安を訴えています。

誰とも関わりたくない母親とは違い、外部にSOSを送っていたのです。

その時点では難しいかもしれませんし、結果論ですが、

母親を説得して、40歳を過ぎた娘が安心できるように自立支援をしていれば、

今回のような悲劇はなかったのではないでしょうか。

70代の母親と40代の精神障害のある娘なら、年齢的に考えても、

娘が独立できるように自立支援するのが妥当です。

母親は「親亡き後の問題」から逃避していたのかもしれませんが、

娘が独立できるように、社会が手助けしないといけません。

 

最後になりましたが、亡くなられたお二人に、心からご冥福をお祈り申しあげます。


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兵庫県尼崎市は25日、市内の生活保護受給世帯のうち、

年収1000万円以上の親や兄弟を持つ世帯が77世帯あったと発表した。

自己申告に基づく調査だけに、実態はさらに多いとみられ、

市は今後個別に精査し、必要に応じて扶養を求める。

 

生活保護の支給を決定する際、市は2親等以内の親や兄弟らに支援を求める。

今回の調査は7月から、扶養できないとした親族から届いた書面で調べた。

その結果、

市職員1人を含む78人が、

世帯の合算年収が1000万円以上としながら、

「住宅ローンで余裕がない」「教育費がかさむ」などとして

扶養を断っていた。

78人のうち仕送りをしていたのは8人だった。

 

また、それとは別に市職員33人が扶養義務がありながら、

同様の理由を挙げて、扶養を拒んでいた。仕送りは4人がしていた。

同市の受給世帯は6月末時点で、1万2914世帯(1万7780人)。

 

『読売新聞』 2012年7月26日付

 

法律上、強制できないが、生活保護を承認する際や保護費支給の間、

福祉事務所は、2親等以内の親族に、受給者の扶養をするよう

打診するのが通例となっている。

兵庫県尼崎市では、生活保護受給世帯の親族で、

年収1000万円以上の世帯が78もあるにも関わらず、

仕送りをしているのは、僅か人で、約1割に過ぎなかった。

 

扶養を断る理由として、住宅ローンや教育費を挙げているが、

年収1000万円以上もある世帯が、

月に2~3万円の仕送りもできないというのは、社会通念上、あり得ない話だ。

もちろん、それぞれに事情があり、たとえ2親等以内でも、

絶縁状態にあって、仕送りする義理などないと考える人もいるだろう。

 

しかし、生活保護制度は、一般的な福祉制度とは性質が異なる。

生活保護制度には、以下の原則がある。

「民法の定める扶養義務者の扶養および、他の法律に定める扶助は、

すべてこの法律の保護に優先して行われるものとする」

(生活保護法・第4条2項・他法他施策優先

 

つまり、扶養義務者の援助や、他の法律で定められた援助をもってしても、

最低限の文化的な生活が営めない場合、生活保護の受給対象となる。

とはいえ、親族が扶養しない場合であっても、それに対する罰則規定はない。

そのため、福祉事務所も「裕福な親族」に扶養の強制ができないのである。

 

私見として、生活保護受給者が急増し、財政を圧迫している今、

年収1000万円以上で、裕福であるにも関わらず、

生活保護を受給している2親等以内の親族に

まったく援助しないというのは、「常識外れのドケチ」としか考えられない。

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