●日本は「憲法の支配」(「法の支配」)を教育しない異常な国家である

 

 日本では中学や高校の「社会」や「政治経済」の授業で、憲法は国の最高法規であり、国会で制定される法律は憲法に則ったものでなくてはならないとは教えられている。私も教えられた記憶がある。だがそれだけである。つまり肝心なことは何も教育されていない。逆に反「憲法の支配」を教えられているのである。

 

 憲法98条2項「日本国が締結した条約及び確立された国際法規は、これを誠実に遵守することを必要とする」や、98条1項「この憲法は、国の最高法規であって、その条規に反する法律、命令、詔勅及び国務に関するその他の行為の全部又一部は、その効力を有しない」を教えたならば、表面的には「憲法の支配」をいくらかは教えたことになる。もちろん憲法98条は全く教えられていない。先生自身が理解していないからだ。

 

 本ブログを読んでくださっている人は、今書いたことの意味を理解されるであろう。日本では憲法と憲法の支配について全く教育していない。その理由は少し考えてみれば分るであろう。政府(広義の政府。すなわち行政府、立法府、司法府)は、国民が政府を厳しくチェックして政府の誤りを批判する存在であって欲しくないのだ。政府を最上位の存在だととらえて、政府が決めたことが正しいと考える政府に従順な国民であって欲しいのである。近代文明国家の原理は「憲法の支配」である。政府は憲法に支配されて政治をしなければならない。憲法は政府の上位の存在であって、政府を支配するものだ。もし政府が意図的に憲法の支配を踏みにじるのであれば、その政府は「悪の政府」であり、国民から非難され国民によって「正しい政府」に交代させられねばならない。

 

 これが「憲法の支配」であり、近代国家の原理(根本法則)だ。「憲法の支配」を教育しない日本政府の在り方は、前近代国家の権力者の在り方に通じるものである。

 

●憲法また憲法の支配を教育するとは具体的にどういう教育をすることか?

 

  以下に日本がしなければならない憲法教育の内容について限定的になるが述べたい。

 

 ①日本のすぐに隣には核ミサイルを配備する独裁侵略国家の中共、ロシア、北朝鮮がいる。だからまず日本の安全保障を計らなくてはならない。つまり自衛権の問題である。これらの侵略国家の日本への侵略を抑止するためには、強い軍事力を持ち、また頼もしい国と軍事同盟(集団的安全保障条約)を締結する必要がある。日本の安全、存立を守り抜かなければ、憲法が保障する国民の生命、身体、財産、自由、福祉も守れなくなるから、日本国家の安全保障を計ることは根本問題である。

 

 憲法を教えるとき、前記の観点からまず国防軍と自衛権について教えなくてはならない。自衛権は国際法(国際慣習法を含む)が定める。主権国家の権利である自衛権(個別的また集団的)は軍隊によって行使される(国際法)。だから主権国家は必ず軍隊を保持する。

 

 ②GHQが作成して日本政府に渡した憲法9条2項案は、軍隊の保持と交戦権を一切禁止する内容であった。このままでは日本は主権を回復した時にも、自衛権を行使できなくなる。自衛権とは「国家の正当防衛行為」であり、その内容は国際法によって規定されている。軍隊を保持できなかった場合は、日本は「国家の緊急避難行為」つまり「必要最小限度の実力行使」しかできなくなり、国の防衛が困難になってしまうのだ。

 

 ③そのため憲法改正小委員会委員長の芦田均氏は1946年8月1日に委員会で、憲法9条2項案を修正したのである。冒頭に「前項の目的を達するため」の語句を加える修正である。この修正によって9条2項は、自衛目的のためであれば軍隊(戦力)を保持でき、交戦権も認められることになった。この修正によって、日本は国連の集団安全保障措置(軍事制裁)に軍隊を送ることもできることになった。GHQは直後に芦田修正を承認している。連合国極東委員会(11か国)も9月にこの修正を受け入れている。この憲法9条を含む日本国憲法は1946年11月3日に成立し、翌年5月3日に施行されたのであった。だから日本は主権を回復すれば、誤りに満ちていた旧軍を自己否定した新国防軍を創建して、米国と同等に自衛権を行使できることになったのである。

 

 ④憲法98条2項は条約と国際法の支配を命じている。自衛権や軍事に関する法規は国際法で定めているから、憲法9条の内容は憲法98条2項によって国際法に合致しているものでなければならない。憲法9条(芦田修正論)はまさしくそのような内容になっている。

 

 ⑤国際社会もこの憲法9条解釈(芦田修正論)を承認した。だからこそ1951年9月8日に締結された「連合国(54か国)と日本国との平和条約」の5条の(c)は、「連合国としては、日本国が主権国として国際連合憲章第51条に掲げる個別的又は集団的自衛の固有の権利を有すること、及び日本が集団的安全保障取極を自発的に締結できることを承認する」となっている。連合国は、日本は主権を回復すれば(1952年4月28日)、憲法9条に基づいて自衛目的の軍隊を保持できると考えたからである。言うまでもないが、「権利を有する」とは「行使できる」ということだ。行使できなければその権利を有するとは言わない。

 

 ⑥憲法を教えるというとき、重大なことはまだある。1952年11月の吉田内閣の統一見解以降の歴代内閣の憲法9条2項解釈(一切の軍隊の保持を禁じているとするもの)、つまり「現行の憲法9条2項解釈」は、本来の正しい憲法9条2項の解釈(芦田修正論)に違反しているから、憲法98条1項によって無効であると教えることである。また現行の憲法9条2項解釈は、条約(「連合国と日本国との平和条約」等)及び国際法の支配を謳っている憲法98条2項に違反しているから、98条1項によって無効であると教えることである。

 

 現行の憲法9条2項解釈はまさしく「反国防・反日の解釈」であり、憲法違反であり、だから無効なのだ。

 

 ⑦憲法の98条1項は極めて重要である。国民の代表の内閣や政府が決定した現行の憲法9条2項解釈(軍隊=戦力の保持の禁止、交戦権を認めない)でも、憲法の条規に違反していれば無効であるとするものだからだ。つまりこれこそが「憲法の支配」である。憲法98条1項こそが、憲法は政府(広義の政府。すなわち行政府、立法府、司法府)の上位にある存在であって、政府を支配するものであることを体現している条規なのである。「閣議決定」は98条1項が言う「国務に関するその他の行為」である。

 ⑧歴史的に形成されてきた真理で正義である〈法〉がある。〈法〉は政府と国民の上位にあるものである。〈法〉は全て支配する。もちろん憲法を支配する。これを「法の支配」と言う。〈法〉に反する憲法条規は無効である。「立憲主義」とは、〈法〉を発見して〈法〉に支配された「正しい憲法(条規)」を制定することを言う。「正しい憲法条規」自体も〈法〉となる。準〈法〉と言うこともある。だから「正しい憲法(条規)の支配」も「法の支配」と言うことができる。「正しい憲法」を制定して政府(広義の政府)を支配することが立憲主義である。権力を持つ政府を憲法で支配することが立憲主義の主目的であるが、憲法が国民も支配することは言うまでもないことである。

 ⑨だが日本では「立憲主義」が完全に誤って使用されている。憲法学者の大部分は共産主義者やそのシンパであるが、彼らは立憲主義を180度反対に使用する。学問ではなくイデオロギー闘争なのだ。彼らは「自衛隊は軍隊であるから、軍隊保持を禁止した憲法9条2項に違反している。立憲主義に反している!」と主張する。既に述べたように、彼らの憲法9条2項解釈は正しい9条2項解釈(芦田修正論。これが〈法〉である)に違反している。つまり彼らこそが立憲主義を否定し破壊している。自衛隊を違憲存在として否定したら、日本の国防は不可能になり日本は中共、ロシア、北朝鮮に侵略されることになる。これが彼らの狙いである。主観的にはそうは考えていない者も客観的効果としてはそうなる。だから共産主義者というのは反日主義者であり、日本内部の侵略勢力である。彼らこそが違憲存在なのである。

 

 安倍政権など歴代自民党政権も、本来の憲法9条(芦田修正論)と憲法98条2項を無視して、憲法9条2項を軍隊保持を禁止していると解釈する(閣議決定)。だから自衛隊についても「戦力(軍隊)ではない必要最小限度の実力組織である」としてしまう。そのために日本国の国防は困難になってしまう。彼等も立憲主義を否定し破壊しているのである。念のために述べる。このように解釈された9条と自衛隊なので、自衛隊は63年間ずっと合憲存在である。共産主義者の憲法学者は意図的に嘘の主張(イデオロギー闘争)をしているのである。反日の安倍氏は5月3日、この反日の憲法学者の嘘を利用して憲法9条をさらに改悪する策動を行った。これについては7月14日掲載の拙文を見ていただきたい。

 

 ⑩立憲主義とは〈法〉に支配された「正しい憲法」を制定して、政府と国民を支配することである。芦田修正論の憲法9条も憲法98条1項2項も正しい憲法条規であり、これも〈法〉である。しかしほとんどの人が誤解しているが、憲法1条にある「主権の存する国民」(国民主権)部分は明白な誤りの条規である。「法の支配」「正しい憲法の支配」に反しており、憲法98条1項によって無効の条規である。

 

 「主権」とは『広辞苑』によれば、「最高・独立・絶対の権力。統治権。国家の政治のあり方を最終的に決める権力」である。だから「国民主権」は「正しい憲法の支配」「立憲主義」を否定するものだ。少し論理的に考えたら分るはずである。あえて「主権者」の言葉を用いれば、立憲主義国においては「(正しい)憲法」こそが「主権者」なのである。「国民主権」は憲法違反の条規であり無効である。

 

 「国民主権」が危険なのは次である。共産主義者も保守を自称している自民党も「国民主権」を支持する。それは位相は異なるものの「国民主権」を利用して、「正しい憲法の支配」(「法の支配」)を否定して自らに都合のよい政治をするためである。「我々は主権者の国民から選挙によって選ばれた国民代表の政府である。政府こそは最高位の存在であり、政府が決めたことこそが正しい、正義である」という理屈を創り出すためである。現行の憲法9条2項解釈(軍隊保持の禁止、交戦権を認めない)も、主権者国民の代表たる政府の決定だから、正しいのであるとしているわけである。

 

 共産主義勢力は「正しい憲法」を「ブルジョア憲法」と規定して全否定し、「国民憲法」という名称の実質は共産党独裁の憲法の制定を目指している。「主権者の国民」を利用して「正しい憲法」の破棄を正当化するのだ。

 

 ⑪憲法教育をするとき、私たちは憲法秩序の破壊を目的とする政党や政治団体の結成は認められないことを教えなくてはならない。

 

 戦後のドイツは戦前の痛苦な歴史から学んで、ナチス(国家社会主義労働者党。右の左翼)と共産党(左の左翼)を非合法化した。戦前昭和期の日本国家も、明治憲法秩序を否定破壊した国家社会主義勢力が政府・軍部・議会・マスコミを支配して、ナチスドイツと同盟条約を結んだ「右の左翼国家」であった。そこには国家社会主義者に偽装した共産主義勢力も多数加わっていた。戦前の日本国家は「新国際秩序建設」を掲げて、国際法を否定して侵略戦争を実行し、日本を国家滅亡の瀬戸際にまで追い詰めた「左翼革命国家」であったのである。

 

 共産党や社会党も国家社会主義者に偽装してあの侵略戦争を推進していたのである。歴史をねつ造しているだけである。私たちは今日の共産主義政党や政治団体あるいは国家社会主義団体(反米民族派団体)と戦っていかなくてはならないのである。彼らは違憲存在であるからだ。日本国憲法にはこの点の条規が欠落していることを教えなくてはならない。

 

 ⑫憲法教育においては、「正しい憲法条規の支配」(「法の支配」)を教えるわけだが、そのことは、国民は常に政府は正しい拳法条規に基づいて政治(外交・軍事、内政)をしているかどうかチェックしなくてはならないこと、そして政府がもし意識的に正しい憲法条規を否定し破壊していくときは、「悪の政府」として打倒して「正しい政府」に交代させなくてはならないことを教育するということである。国民は政府や政党や政治団体から自立した政治主体でなくてはならないし、権威主義を否定し正しい個人主義を形成していかなくてはならない、と教育することである。

 

●私たちは自らに厳しく在らねばならない。反日の安倍首相と戦っていかなくてはならない

 

 もし前記した憲法教育がなされてきていれば、日本はとっくの昔の正常な国家になっているはずである。国民も政府や与党等から自立した批判精神を持った政治主体に成長してきているはずである。だが自民党政府はそれを望まないのだ。国民には政府に従順な存在であってほしい。だから自民党政府は、「正しい憲法の支配」を否定する「法治主義」でやってきた。「法治主義」は政府を「最高存在」として、政府が決めたことが(それが正しい憲法条規に違反していても)「正しい」とする立場だ。自民党政府はそれを「法の支配」と言うようにしてきた。安倍首相の決まり文句だ。言葉をすり替えて「法の支配」の本来の意味を否定して反対の意味にねつ造してしまうやり方である。「法治主義」は「人(政府)の支配」の一種であり、前近代国家のものである。

 

 自民党は2012年の総選挙の「政策集」で「尖閣諸島の領有権・施政権を明確化するために尖閣諸島に公務員を常駐させる」「灯台等の施設を造る」。そして「領海警備強化法を制定する」と明記したが、安倍総裁・首相は反故にした。海自に領海侵犯対処任務、陸自に領土侵犯対処任務を付与しなければ尖閣諸島の施政権・領有権は守れない。反日の安倍首相はいずれも拒否して、尖閣諸島を中共に貢ぐ方針なのである。中共公船はもう自由に尖閣諸島の「領海」を巡回パトロールしているのだ。だが自民党員は安倍首相を糾弾しない。思想も倫理道徳もなく「親分子分」のような関係があるだけではないか。国民も安倍首相を糾弾しない。政府に従順な奴隷のような在り方ではないか。

 

 「加計学園」の獣医学部新設問題は、「国家戦略特区制度」は政治が主導して文科省と農水省による「誤った規制」を撤廃していく制度であるから、今治市と加計学園しか申請がなかったのであるから(京都産業大学は準備不足)、首相の友人であろうと政治主導で推進していって何の問題もない。実際そうであった。審査が公正であればよいのだ。ところが安倍首相は加計学園の名前を知ったのは今年の1月20日の「諮問会議」が新設を認めた日であったと嘘を述べた。首相は諮問会議の議長である。和泉洋人首相補佐官も荻生田官房副長官もそれぞれ嘘を述べた。自民党もこれを支えた。国民に対して平気で嘘をつく安倍首相の姿がここにも現れている。反日共産主義者でロシアや中共の尖兵なのに「保守」を装って国民や自民党員を騙してきている安倍氏だから、嘘は主要な戦術である。そのために逆に支持率を下げたのだが。自民党が国民を馬鹿にしていることもここに現れている。政府与党が一番偉いと思い込んでいるからこうなる。政府と国民の上位にある「正しい憲法の支配」「それに基づいた政治」を実践していないからこうなる。

 

 軍隊を保持しなければ日本の安全と存立を守ることはできない。軍隊を保持する方法はいとも簡単である。「正しい憲法の支配」(法の支配)の立場に立つ内閣が、「これまでの憲法9条2項解釈は本来の憲法9条(芦田修正論)また憲法98条2項(条約と国際法規の支配)に違反していて無効である。芦田修正論が正しい憲法9条である。自衛隊は軍隊である」と閣議決定すれば済む。1日でOKだ。「憲法9条2項改正」運動では永遠に軍隊を保持できない。誤った運動である。「安保法制懇・報告書」(2014年5月15日)はこの「芦田修正論」を閣議決定することを安倍首相に提言したが、反日共産主義者ゆえに安倍首相は即日拒否したのだった。

 安倍首相は「拉致問題の解決は安倍政権の最重要課題だ」と言って国民を騙してきた。安倍首相は自衛隊法84条の三(在外邦人等の保護措置)を改悪して(2015年9月)、自衛隊による拉致被害者救出の戦いを不可能にしてしまった(前回文参照)。

 

 安倍首相は「平和国家日本」「専守防衛」「不戦の誓い」「非核3原則」のスローガンを繰り返して、日本国民の精神を武装解除し自衛戦争を戦うことができないように洗脳してきた。安倍首相は日本はもっぱら敵基地等を攻撃することを目的とする兵器を保有しないとも明言して、敵の日本侵略を抑止する兵器の保有を否定する。

 

 中共、ロシア、北朝鮮は多くの対日核ミサイルを配備している。北朝鮮は7月28日夜、2回目のICBMの発射実験を成功させた。アメリカ本土に到達するものだ。来年中には恫喝をかけてきたら、日本はどうするのか?日本も早急にアメリカから輸入して核ミサイルを配備しなくてはならない。核ミサイルを配備すれば核攻撃の恫喝も効かなくなる。そのようにしなければ、日本は核攻撃恫喝に白旗をあげることになっていく。しかし軍隊を保有し自衛権を米国と同等に行使できるようにし、核兵器も配備することによって、国民の意識は変わるのだ。

 

 人は正しい知識、正しい思想を獲得できていないと(奪われていると)、現実の政治を正しく分析把握できなくなる。それだけでなく、現実を誤って把握してしまう。反日の安倍首相を、「日本を守る保守の偉大な政治家」と「ねつ造された社会評価」でとらえてしまうのも、このためである。私たちは自らに厳しく在らねばならない。「法の支配」=「正しい憲法条規の支配」の思想を獲得し、安倍首相とその仲間を倒していかなくてはならない。5月、6月、7月に掲載された拙文も併せて読んでいただけたら幸いである(7月執筆の文はテーマが2つなので、2つの文に分けてまとめたため各文は少し短かくなりました。なお7月18日付で「特別抗告」が最高裁で棄却されましたので、私と弁護人は第3次再審請求の準備を始めていくことになります)。

(2017年7月30日脱)

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