2011-08-28 00:24:55

深海生物の光技

テーマ:動物、古生物うんちく

深海。


光がほとんど届かず何百気圧という水圧がかかる
過酷な暗黒世界。


そんな暗黒世界という舞台で光をたくみにあやつる生物が
数多くいる。


よく知られているのがチョウチンアンコウだろう。

チョウチンアンコウ  学名(Himantolophus groenlandicus )


川崎悟司 オフィシャルブログ 古世界の住人 Powered by Ameba-チョウチンアンコウ

チョウチンアンコウといえば、頭の上に伸びる
釣り竿のようなもので発光器を吊るしている。
まさにそれは光のルアーで、その発光器をちょちょいと動かすことに
よって獲物たちを誘引する捕食道具なのだ。
しかし

光って誘き寄せるだけではない!
なんと釣り竿の先端から発光液を噴出するのだ!
そのまばゆい光は獲物たちの目をくらますことが
できるのだという!


しかし
暗黒世界である深海においての発光器を身を守る技として
つかう深海魚もいる。


テンガンムネエソ 学名(Argyropelecus hemigymnus )


川崎悟司 オフィシャルブログ 古世界の住人 Powered by Ameba-テンガンムネエソ

水深1000mの深海に生息する深海魚
これくらい深い海でも海面からわずかに青い光が届いている。
テンガンムネエソの目は海面を見るために上向きについており
海面の光をバックに映る獲物の陰影を常に探っているというわけだ。


逆にテンガンムネエソも同じ要領で下から天敵に狙われている

可能性は十分にある。上向きの目は無防備ではないか!

いやいや
実はテンガンムネエソを下から見てもその陰影が見えなくなっている!


これはどういうことなのか!


テンガンムネエソには腹部に発光器を備えており、
これを光らせることによって

海面からくるわずかな青い光に同調
カモフラージュしているのだ!


川崎悟司 オフィシャルブログ 古世界の住人 Powered by Ameba-カウンターシェーディング

この技を「カウンターシェーディング」とよばれ、
自分の体の影を掻き消し敵の目をくらますという光技なのだ!


さて
実はこのカウンターシェーディングを見破ってしまうという
とんでもない深海生物がいる!


クラゲイカ 学名(Histioteuthis dofleini)


川崎悟司 オフィシャルブログ 古世界の住人 Powered by Ameba-クラゲイカ

左右の目が向きも大きさもずいぶん異なったイカのなかま。
背中側と上向きについた左目は右目の2倍の大きさはあるわけだが、
この左目は黄色い水晶体でできている。
黄色い水晶体は青い光を吸収する特性を持つらしい。
このことによって
クラゲイカは海面から届く青い光は見えないということになる。


川崎悟司 オフィシャルブログ 古世界の住人 Powered by Ameba-クラゲイカの左目の見え方

すると
自ら光ることによって海面からの青い光に同調し、カモフラージュしていた
深海生物の発光器だけが丸見えとなってしまい
カウンターシェーディングという光技は無効になってしまうのである。




というわけで今回の記事とは
まったく関係のないご案内なのですが
5月30日に刊行した
「ミョ~な絶滅生物大百科」ですが、
電子書籍版が発売されました。
http://www.bookgate.info/books/6180

それではどうぞよろしくお願いします。



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コメント

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17 ■将来すごいことになりそう

深海生物が進化して陸上に上がったら地球はもう今とはだいぶ違う姿になってるでしょうね。

16 ■何とか発生は何とか発生を繰り返す・・・って

人類が絶え間ない競争を経て、新技術や新戦術のつもりで編み出したものの片っ端からが・・・

・・・人類登場以前からの絶え間ない競争を経て、とうの昔に編み出されたものばかりという。

深海に沈んだ日経やら航空雑誌やらを目にした彼らが記事を読めたなら、何を思うのか。

「すげーぞ人間。千万年前の俺らの発明を今頃新製品だって。あいつら太古に生きてんな」

15 ■とても勉強になりました!!

興味深い内容ですね★
また拝見させて頂きます!

14 ■深海の攻防戦

光学迷彩にフィルター付暗視ゴーグルと、深海はまさに”進化の軍拡競争”を地でいっていますね。
人類は海の1%も調査していないと言いますから、深海にはまだまだ不思議な能力を身につけた生物がたくさん潜んでいるのでしょうね。

13 ■少し疑問が

海にいる発行生物で光っているものを見たことがあるのはホタルイカとウミボタルくらいですが、いずれも青く光っていました。
テンガンムネエソの発光器の色は知りませんが、利用目的からいって青色が合理的のように思います。
青色発光器であれば、この理論は通じませんし、青色でなければどうして、テンガンムネエソの発光器が青くないのか疑問です。

12 ■深海はやはり奥が深すぎるなぁ…

光が届かない深海では発光する魚や生物がたくさんいて当然だと思っていたが…光を利用したサバイバル戦術が想像していたよりも高度なのはビックリしました。

そしてクラゲイカの事を初めて知りました。

どの位の大きさのイカなのか?想像しています。(笑)

11 ■発光もつかいよう

カウンターシェーディングですか・・・へぇ、そんな使い方もあるんですな。ご教示ありがとうございました。
クラゲイカのイラスト、リボンを結んだ女の子みたいです、これぞまさしく「イカ娘」(お粗末)

関係ありませんが、ヒトの水晶体は加齢とともに黄色くなって来ます。ですから白内障などで水晶体を除去して眼内レンズなどを入れるとものの見え方が変わります。極端な話し、画家では術前と術後で作風が変わったりするそうな。

10 ■コメントの続き

長文ですので、今回もコメントを分割させて頂きます。ご了承下さい。m(_ _"m)ペコリ

後、今回も小ネタを幾つか見つけました。↓
http://www.dino-paradise.com/news/2011/08/smok-wawelski.html
http://www.dinopantheon.org/2011/08/18/ポーランドから後期三畳紀の主竜類/
http://www.nationalgeographic.co.jp/news/news_article.php?file_id=20110825004&expand
http://news.google.co.jp/news/more?pz=1&jfkl=true&cf=all&ned=jp&cf=all&ncl=dHHNbUIGNv6p5hMwOD7kMdxi-l3aM
http://boropin.blog.shinobi.jp/
http://www.afpbb.com/article/life-culture/life/2821888/7668094
http://www.afpbb.com/article/environment-science-it/science-technology/2819927/7613948

あ、後、こんな小ネタも・・・。如何でしょうか?↓
http://www.yukawanet.com/archives/3911368.html

9 ■またまたお久し振りです!

またまた暫くこのサイトから離れていましたが、久し振りに顔を出します。
何時もながら、面白い記事を楽しみにしております。(≡^∇^≡)個人的には、深海生物では、世界最大の無脊椎動物であるダイオウホウズキイカをブログで取り上げて欲しいと思います。(。-人-。)参考になりそうなページを幾つか紹介します。ρ(._.*)コレコレ
http://en.wikipedia.org/wiki/Colossal_Squid
http://en.wikipedia.org/wiki/Cephalopod_size
http://big-game.web.infoseek.co.jp/kraken/kraken3.html
http://www.afpbb.com/middle/146

あ、こんなページも見つけましたよ。↓
http://www.youtube.com/watch?v=QglMF5S7s5s

話は変わりますが、古生物に関するニュースを二つ紹介します。

「最古の真獣類化石=1億6000万年前、中国で発見 」
http://news.google.co.jp/news/more?pz=1&jfkl=true&cf=all&ned=jp&cf=all&ncl=dvwiTQK6kAPWCmMB-RZt_APhkIonM
http://www.dino-paradise.com/news/2011/08/jurassic-eutherian-mammal-and-divergence-of-marsupials-and-placentals.html
http://en.wikipedia.org/wiki/Juramaia

「石頭恐竜の新種、ゴビ砂漠で発見 9千万年前に生息 」
http://news.google.co.jp/news/more?pz=1&cf=all&ned=jp&cf=all&ncl=d2W35KpOwFoql_MHYod1yIFdvJUKM
http://www.hayashibara.co.jp/press.php?id=359
http://www.dino-paradise.com/news/2011/08/new-mexico-museum-of-natural-history-and-science-bulletin.html

8 ■無題

こんばんは!
はじめまして!
生き物って凄いですネ!
限られた場所に適して進化して行くんですもんね。
正に”いきものバンザイ”ですネ!

7 ■謎 謎 謎

深海の生物はまったくもって謎ですね。
地上や海の生き物からしたらわけわかんないかんじですけど、彼らにとっては当たり前なのかもしれないですね。

光ったりとか、異様に大きかったり小さかったり、非対称の部位とか…

人類のみなさん。深海は謎だらけですから深海は謎だらけですから宇宙なんか調べてる場合じゃないですよww

6 ■無題

あら?タイトルとハンドルネームを逆に書いちゃいました。スミマセン。

5 ■メカ大好き!

みなさま、こん○○は~。

うむうむ面白いですねえ。クラゲイカの見破り能力については初めて知りました。
例えて言うと、駆逐艦と潜水艦の闘いの様な…、
タヌキとキツネの化かし合いの様な…、

確か似た様な例で、コウモリが超音波で蛾の居所を探索し始めると、
蛾の側には、その超音波を感知できる器官が有って、急降下して逃げる
…とかの話を聞いた事が有ります。
生物の進化の中で、とんでもなく高度に発達した感覚器官には驚かされます。

しかし、イカの種類が魚類を捕食するのですね(魚類も速いと思うのですが)
漆黒の世界では、勝負は一瞬で決まりそうですから、
スピードは余り関係ないのかも知れませんね。
それだけに重要になるのは探索機器(レーダー)となる訳ですね。

4 ■深海に生きる知恵

ホウライエソといい、テンガンムネエソ といい、ユニークな姿が多いのも深海魚の魅力ですよね。

発光する深海生物が多い中、それに対応できるように進化したものもいるのですね。クラゲイカも、姿も名前もユニークです。

凄まじい水圧の中で生きている彼らは、水槽で飼うことが出来ないぶん、知られていないことが多いのでしょうね。

また楽しい記事を待っています。

3 ■おー。。。

黄色い水晶体にはそんな力が!!
すごく勉強になります><

深海生物、川崎さんの力を通して見ると可愛いのですけど、実物は・・・(;_;)

2 ■無題

なんか寧ろ深海生物の方がハイテク生物に思えて来ました(笑)

改めて生き物って凄いですね

1 ■無題

深海に生きる生物って、信じられない機能が付いてますね。

深海だからこその進化って言うか。

でも、なんであんなにグロテスクな容姿のが多いのかな?

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