2008-02-03 01:52:00

ゾウの臼歯はベルトコンベア式

テーマ:動物、古生物うんちく

1969年、北海道幕別町忠類で発見された

ナウマン象(忠類標本)が

50歳以上であることが、琵琶湖博物館(草津市)の高橋啓一総括学芸員らの

研究で分かり、30日、発表されたという!


中日新聞(2008年1月31日)

「69年発見のナウマンゾウ、50歳超だった」


ナウマンゾウ  学名(Palaeoloxodon naumanni
ナウマンゾウ

50歳以上だったことがわかったというナウマン象(忠類標本)は

今まで25~30歳のナウマン象と思われていた。


その理由とは!

北海道内に保存されている臼歯が

20~40歳に使われる「第2大臼歯」ではなく、

30歳から生えはじめ、60歳まで使われる

「第3大臼歯」と判断したためだ!


その臼歯の磨り減り具合で

50歳超と推定したわけだ。

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■ゾウの臼歯はベルトコンベア式■


ゾウの下顎の骨

これはアジアゾウの下顎の骨だ。

見た目は臼歯が各2本、時には各1本しか

生えていないように見える。


しかし

ゾウの臼歯の生え方はユニークで

われわれ人間を含む一般的な哺乳類の

歯の生え方は乳歯が抜けて、その下から永久歯が生えるという

「垂直交換」であるが


ゾウの臼歯の生え方

ゾウの仲間は

後ろから前へ臼歯が生えてくるという

「水平交換」なのだ!

前の臼歯を使ううちに磨耗して、なくなり

後ろからどんどん新たな臼歯が出てくるのだ!



アジアゾウの臼歯とその年齢

ゾウは一生に6回も臼歯が生え替わるのだ!

(上図を見る限り、現生のゾウが30歳あたりから第3大臼歯が出てくるので

ナウマンゾウの年齢推定もこれを参考にしている。


つまり、

今回のナウマンゾウの臼歯の化石を調べて

年齢を推定するというのは

このように臼歯の状態によって、

ゾウの年齢がある程度わかるというわけだ!


ちなみに第3大臼歯は最後の歯で

これがなくなると、食べるものも食べられなくなり、

ゾウの寿命ということになる

まさに「歯が命」というわけだ。


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ナウマンゾウの臼歯

■ナウマンゾウの化石からマンモスの歯!?■


話はナウマンゾウ(忠類標本)に戻るが

この化石には5個の臼歯があったらしい。

4個の臼歯が

上顎の左右、下顎の左右、合計4つの第2大臼歯、

未磨耗の臼歯の1個が第3大臼歯と思われていた。


しかし

この臼歯化石を再検討した結果、

4個の第2大臼歯と思われていたものが、

第3大臼歯だったとか!


それでは未磨耗の臼歯はなんなのか!?

研究の結果、それはマンモスの臼歯とわかったらしい!

今回の調査は

同じ場所からナウマンゾウとマンモスの化石が

見つかるという珍しい結果になったのだ!



くわしくはコチラ↓

30年前に見つかったナウマンゾウ化石の中からマンモスゾウの歯を発見



コメント

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1 ■久し振りの更新

2週間更新が滞っていましたが、久し振りに新記事を見せて頂きます。

またそこそこ面白い記事を見せて頂きました。☆-( ^-゚)v骨格図も実にいいですね。次はどんな面白い記事が出てくるのか楽しみです。

ところで、ナウマンゾウの忠類標本のレプリカは国内各地のみならず海外の博物館にも展示されているそうですが、この事について詳細を知りたいと思います。

2 ■無題

ナウマンゾウの化石自体は、日本でも結構昔から見つかってますが、マンモスも見つかってたんですね。
人や猫なんかも乳歯→永久歯と1回生え変わりますが、ゾウが何度も生え変わるのは、草食で磨耗するのが早いからなんでしょうか。

3 ■無題

ゾウの年齢は歯で分かるとどこかで聞いたことはあったのですが、こういう仕組みだったんですね。
それから、前回、私が言及したトクソドンが更新されて喜ばしく思っています。

4 ■コメントありがとうございます!

羊さん>
ブログでは骨格図もどんどん取り入れたいと
思っています。
忠類標本は国内に限らず、海外にもあるそうですが、
年齢表示の変更を迫られてるみたいですね。

すへ左衛門さん>
ゾウとウマはウシ科動物のように反芻することができない。
つまり、草に対する消化能力がイマイチなので
歯で磨り潰して食べるところにウェイトがあるわけで
歯の磨耗度も強いわけですね。
たしか。
ゾウは臼歯を奥から小出しにして、
ウマは臼歯が分厚さで、
カバーしているみたいです。

Ydditさん>
私もナウマンゾウのニュースで第3大臼歯という
キーワードが出てきたので
それを検索したら、ゾウの年齢は臼歯で年齢が
わかることとその仕組みを知りました。
インターネットってつくづく便利ですね。

5 ■歯か・・・

へぇ、像の歯ってコンベア式だったんですね、知らなかったです。
歯って面白いですよね?生き物によって生え変わり方が違ったりしてて。ここの記事でも紹介されてましたが、昔のサメの歯は面白いことになってましたね。

歯といえば最近一番奥の歯(親知らず?)が下から出てきてるっぽくて痛いです反対側の奥歯には穴が開くし・・・(こっちは痛くない)
大学に合格したんで歯医者に行ってきます(笑)

6 ■まさに「歯が命」

あははは!
読んでみて、なるほど!と思わず納得してしまいました。
例のCMにCGで作ったナウマン像やマンモスを出して、それが白い歯で「にっ!」と笑ったりしたら、なんて創造しちゃいました。(うーーーん、くだらん(^_^;))

最近、ここ読んでて、生物の進化ってものに興味がわいてきまして、人間が将来、絶滅しないで住んだら、われわれの体ってどんな風に変わっていくんだろうとか考えてたんですが、「TAKA」さんの「親知らず」って言葉で、これは将来、間違いなく変わるものだなと思いました。
知らないうちに変な風に生えてくる歯なんて、なんとかまともに生やすようにするか、無くなるかですよね。
後は、髪以外の毛かな?

7 ■まさに「歯が命」-訂正

>創造しちゃいました

想像しちゃいました

間違えました。すみませんm(_ _;)m

8 ■無題

象の臼歯が6回も生え変わるなんて初めて知りました。
全ての哺乳類の歯は一度しか生え変わらない単性歯性だと思ってました。

ふと思ったのですが、哺乳類の歯が単性歯性なのは、中世代の哺乳類は小型で、現在のハムスターのように1~2年程度の寿命で世代交代を繰り返していたのではないかと思います。

すなわち、歯が一度生え変われば済む程度の寿命だったので、歯が折れても再生に必要なカルシウムを節約する方向に進化し、先祖から受け継いだ多性歯性(何度でも生え変わる歯)を捨ててしまった

そして象の場合、恐竜絶滅後に哺乳類の多様化に伴い、多性歯性に近い特性を得る余裕ができた

と、こんな理屈を考えつきました。
ちなみにこの話、全く根拠はありません(笑)

9 ■コメントありがとうございます!

takaさん>
大学合格おめでとうございます!
とりあえず歯だけはきっちり治した方がいいですよ。
ところで親知らずが生えるって、takaさんぐらい
の年齢の人がはえるそうですが、第3大臼歯だそうです。
生えない人もいるみたいで、人間は第3大臼歯は
退化傾向にあるそうです。

ぱんてるさん>
私も同じこと想像してました(笑)
「親知らず」は第3大臼歯で人間では退化傾向に
あるそうです。

りゅうさん>
あと、一般的な哺乳類は歯の生え変わりは
下から上へと垂直交換なので、替えの歯を
たくさんストックするスペースがないなど聞いたことあります。

10 ■悩んでます;;

未だに水平交換を、どう捉えて良いのか分かりませんorz
ゾウも第3大臼歯で打ち止めだから、顎が充分成長しきってから生えてくる、人間etc.の大臼歯(垂直交換しない)と同じだとする考えもあるようだし‥。
マナティのように延々後ろから歯が出てくる水平交換と同じと考えて良いのか・・。
考えれば考えるほど分からなくなります。;;

11 ■Emanonさん

なんと!マナティも水平交換ですか。
ゾウとマナティは系統的に近いからですかね。
ゾウの水平交換とはいっても、微妙なところが
ありますね。斜め交換?
根本は垂直交換と同じといえば、そんな感じもするし。

12 ■むしろ

ここまでみんな歯に頼っていると
歯の負担を減らす「反芻」というシステムは実に革命的なのだと思えます
そういや昔の人は、年寄り馬を買わされないように
馬の歯の具合で年齢を見たそうですな

13 ■無題

>「親知らず」は第3大臼歯で人間では退化傾向に
あるそうです。

やはり変わってるんですね。
すると、人間の体で退化しつつあるのは、親知らずと虫垂は確実ですね。
後は、髪以外の毛(腋毛&陰毛)ではないかと想像します。
以前、「毛は、においを発生させる場所に生えた。だから、繁殖ににおいの重要度が薄れた人間は、陰毛&腋毛が必要なくなっている」
といった記事を読んだことあります。
これが本当なら、陰毛&腋毛は退化するはず。

この話、間違いでしょうか?

後、他に退化するところ、進化するところ、ってどこでしょうね。
もしかして、これでひとつブログ出来ます?

14 ■誤植

すみません、さっき書こうと思っていて忘れました。

今日(7日)更新のビアルモスクスの全長が「4cm」になってますが、ひょっとして「4m」の下記違いですか?

15 ■コメントありがとうございます!

ふにゃ~さん>
やはり!
ウマを買うときの査定は歯をみますか。

ぱんてるさん>
腋毛と陰毛がなくても生きていく、繁殖する
うえで影響がなければ、退化する可能性はある
かもしれませんね。
退化するところ、進化するところは
将来の気温とか酸素濃度とかの地球環境などに
よって違ってくると思いますので
実にたくさんのパターンが出てくるのでは。
これで十分に1つのブログは余裕でできますね。

あとビアルモスクスの体長のご指摘ありがとうございます。
修正しました。

16 ■無題

象の歯がそんなに何度も生えかわってるなんて意外でした!

17 ■tenmAmnetさん

生え替わるというより、新たに後ろから生えてくる
といった感じです。
人間が成人になって、親知らずが生えるように

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