随分前から、書店の店頭に平積されていたので表紙は知っていたのですが、
新聞の書評を見るまで、国語辞典の編集部を舞台とした本だと気づきませんでした。
書評を見て買いに行って見れば、この帯。
辞書がモチーフなのに気づかないわけがないですよね。
どうしてスルーしていたのだろうかと今となっては謎、なぞ・・・。
最近表紙にマンガ風のイラストが載るものが多いのですが、
実はまだちょっと慣れません。
それだからかもしれません。今は更に新しい帯がついています。
人気の本なので読んだ方も多いことと思います。
自分が面白かったのは、まず冒頭の部分。
古株編集者が言葉に魅せられていく経緯と、
監修にあたる老齢な先生とその古株編集者との二人三脚の様子に、
グイグイと惹きこまれました。
先生は新しい用例を常に収集しており、
言葉の「用例採集カード」を片時も手放しません。
言葉がいかにナマものであるかを再認しました。
あとは
主人公と先の古株編集者による「右」や「島」をどう説明するかという問答の部分。
言葉で言葉を形づくってゆくやりとりに、
居合抜きのようなスピード感と、
型が決まるような快感を感じました。
武道的な反射神経で説明してゆくところが、カッコいい!
「ふね」は「舟」であって「船」ではないのですね。
手持ちの辞書ではその区別が載っていませんでしたが、
「舟」は比較的小さなイメージがあります。
表紙の「舟」も帆は1つ。
辞書づくりは大事業で、辞書は言葉の大海に挑むものですが、
それを使う乗組員はひとりひとり。
きっとそのひとりひとりに寄りそう為に、
小さな「舟」がイメージされているのでしょう。
自分の小さな「舟」を愛着を持って、使い続けたいです。
辞書をひく愉しみを改めて感じました。
登場した本:三浦しをん「舟を編む」光文社













