2005-11-15 10:10:35

真夜中の訪問者

テーマ:ストーカー編

奥さま聞いて下さい・・・。

そして私を叱って下さい・・・。

 

 

 

  

 

 

ピンポーン♪ 

ピンポーン♪

 

 

 

 

 


 

夢から醒めた私が気付いたのは、真夜中の部屋に鳴り響く

呼び鈴の音。私は父と夢の中で再会した余韻を楽しむ余裕も

なく、大きな不安感で身をすくめました。

 

 

 

 

 

  


「誰だ・・・?今頃・・・・」

 

 


 

  

 

 


私は物音を立てないようにそっとリビングルームを出て、廊下を

抜き足差し足で歩きました。玄関のドアのところに行って、覗き窓

から訪問者が誰なのかを確かめようとしたのです。

 

 

寝室はリビングルームの途中にあります。私がちょうど寝室の前を

通ろうとした瞬間に突然寝室のドアが開きました。

 

 

 

 

 

 

げげ!ねこ  

「うわぁ~(びっくり)!」

  

 

「・・・・誰か来たの・・・?呼び鈴鳴らなかった・・・?」

 

 

「しぃ~っ!静かに!」

(口に人差し指を立てて当てる)

   

 

 

  

「・・・何かあったの?」

(ささやき声で) 

   

 

「わからん・・・こんな時間に来るやつって・・・(嫌な予感)」

  

 

「・・・・・・(頷く)」

 

 

「誰だか分かんないから・・・今から確認するところなんだ・・・」

 

 

「・・・・・・(頷く)」

(やっと事情を察した様子)

 

 

「とりあえずベッドに入って待っててくれ」

 

 

「・・・・・・(頷く)」

 

 

  

 

 


  

 

婚約者は私の言うとおり素直に寝室に戻ってドアを閉めました。 

最初は寝ボケ半分で顔を出したのですが、私の深刻な表情で

事情を察したようです。 

  


  

 

 


 

ピンポーン♪ 

ピンポーン♪

 

 

 

  

 


また呼び鈴が鳴りました。私が立っているところから玄関の

覗き窓までは3Mほど離れています。誰が来ているのか・・・

少し嫌な予感がしたので、私は足音を立てないようにそっと

玄関まで歩き、恐る恐る覗き窓から外の様子を伺いました

 

 

 

 

 

 

 

「・・・・・?」

 

 

 

 

  

 

誰もいません。覗き窓から見えるのは見慣れたマンションの

壁だけです。誰も視界には入りません。

 

 

でも、呼び鈴が鳴ったのですから、誰かが必ず外にいるはずです

幽霊じゃあるまいし、勝手に呼び鈴がなることなどあり得ないのです。

しかし現に外には誰も見えません。私の部屋の覗き窓はかなり視野

が広くなっていて死角が少ないため、陰に隠れていることは考えに

くいのです。

 

 

不安はまったく解消されていませんが、まずは寝室に入り

婚約者に状況を説明しようと私は考えました。

きっと彼女も不安でしょう。

 

 

  

 

 

 

 

「誰もいなかった・・・」 

    

  

「うそ・・・!?」

  

 

「まったく影も見えないよ」

  

  

「・・・・誰だろう?」

 

 

「いや・・・わからない・・・いたずらにしては鳴らす回数が多いし」

 

 

「嫌な予感するんだけど・・・私」

 

 

「言うな言うな・・・俺も考えてたけど・・・言うと現実になりそうだから」

  

  

「・・・・・・(頷く)

 

 

 

 

 

 

 

 

おそらく私も婚約者も想像していることは同じでしょう。

ただ、それを口にすることで嫌な予感が現実のものになりそうな

気がして、2人とも喉元まで出かかった言葉を飲み込みます。

  

 

眠る前まではあれほど気まずい状態だった2人ですが、まったく

そんなことをお互いが忘れて普通に会話を交わしていました

緊急事態のせいか、喧嘩していたことも意地を張ることも忘れて、

お互いが素直に不安な表情で向き合っています

 

 

 

 

  

 

 

「あのさ・・・眠る前・・・ごめん・・・俺が悪かった・・・」

 

 

「・・・うん・・・私もちょっと意地張り過ぎてた・・・ごめん」

  

 

「仲直りってことでいい?」

 

 

「うん・・・少し引っかかるところはあるけど・・・そうしましょう」

 

 

「それどころじゃない・・・からね」

 

 

「うん・・・喧嘩してる場合じゃないよ・・・これ・・・」


 

 

 

 

 

 

  

プルルルルルッ!

 

 

 

 

  

 


 

今度は自宅の固定電話がけたたましく深夜の静かな空間に

鳴り響きました。

 

 

 

 

 

 

 

 

「どうする・・・?」

 

 

「ナンバーディスプレイじゃないから相手わかんないし」 

 

 

「出ない?」

 

 

「うん・・・出ない」

 

 

 

 

 

 


 

プルルルルッ!

 

  

 

 

 

 

  

 

電話はいったん鳴り止んだかと思うと、再度鳴り始めました。

結局断続的に5回電話がかかってきて、10回ほどコールした後、

留守番電話にメッセージも残さず切れることを繰り返しました。

 

 

 

 

 

 

 

 

「気味悪いなぁ・・・」

 

 

「私・・・怖い・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

2人ともまったく同じ恐怖感で身を固くしています。

 

 

今度はリビングルームに置いてある私の携帯電話が鳴り始め

ました。マナーモードになっているので震えているだけですが、

硬いテーブルの上に置いてあるため、激しい振動音が響きます。

その音は寝室まで聞こえてきました。

 

 

  

 

 

 

 

「そうだ!携帯なら・・・相手が分かるかも!」

 

 

 

  

 

 

 

そう言うと、私は急いでリビングルームまで早足で向かい、

携帯電話を手に取りました。手に取った瞬間に振動は

止まってしまいました。

 

 

私は携帯電話の着信履歴を確認しました。

 

 

 

 

 

 

 

「やっぱり・・・」

 

 

 

 

 

 


携帯電話にかけてきた相手はMでした。

   

私たちの嫌な予感は的中してしまったのです。

自宅の電話を鳴らした人物、呼び鈴を鳴らした人物がMである

証明にはなりませんが、状況的にどう考えても3つの所業は

同一人物によるものでしょう。 

 

 

私が寝室に戻ろうとしたところ、心配になったのか婚約者の方が

先にリビングルームまでやって来ました。もう先ほどまでの眠そうな

表情ではありません。固く真一文字に結んだ口元が彼女の強い

不安感を物語っています。

  

  

  

  

  

  

  

  

「やっぱり・・・Mだった・・・ここに来てるみたいだ・・・」

(表情がこわばる) 
   

   

「・・・あの人・・・どういうつもりかしら・・・」

(泣きそうな顔)

  

  

「わからん・・・あれだけ言ったのに・・・」

  

 

「絶対に相手しちゃダメだよ・・・変だよあの人・・・」

 

 

「わかってる・・・」

 

 

 

 

 

 

  

 

ピンポーン♪ 

ピンポーン♪

 

 

 

 

 

 

 

また呼び鈴が鳴らされました。

私は足音を立てないように気を付けながら、早足で玄関まで

急ぎました。覗き窓からMの姿を確認するためです。姿を確認

しないうちから推測で恐れおののいていても何も始まりません。 

  

   

私が玄関に到着すると同時に呼び鈴は鳴り止んでしまいました。

私はそっと覗き窓から外を窺います。そこには・・・・

  

   

  

  

 

玄関のドアから3Mほど離れたところで壁に寄りかかるMの

姿がありました。しかもその姿はいつものお洒落な雰囲気は

微塵も感じられず、急いで家をそのまま飛び出してきた様子。

着ている服も華やかなものではなく普段着に近いものです。

さらに目を引くのは髪でした。風呂上りで洗いざらしのように

乱れたままです。少しパーマがかかった長い髪が妖怪のよう

に顔にかかっています。

 

 

はっきり言ってかなり不気味です・・・。

 

 

 

 

 

 

 

げげ!ねこ  

「あ・・・・!?やばい・・・」 

(心の声)

 

 

 

  

 

 

 

覗き窓からいったん顔を離した私は、予想もしていなかった

恐ろしい事態を発見してしまいました・・・。大失策です。

 

 

そこへ婚約者が後ろから私の声をかけます。

 

 

  

 

 

 

 

<以下ヒソヒソ声> 

「誰だかわかった・・・?」

  

 

「すぐそこに・・・Mがいるよ・・・やばいよ」

 

 

「まじ・・・?どうするの・・・?」

 

 

「それより・・・かなりまずいよ・・・」

 

 

「どうしたの?」

 

 

「鍵がかかってないんだ・・・このドア・・・」

 

 

「・・・・!?」

(驚愕)

 

 

「鍵を回したら音がしちゃうよ・・・気付かれちゃう」

 

 

「とにかくチェーンから先にかけなよ・・・音も小さいし」

 

 

「うん・・・そうだな・・・そうしよう」

 

 

 

 

 

  

 

 

大変迂闊でした。私たちはタクシーを降りて口論をしながら

部屋に入ったため、鍵をかけるのをうっかり忘れていたのでした。

 

 

玄関のドアはこの瞬間、まったく施錠されていません。つまり

ドアノブを回せばすぐに開いてしまうのです。 

 

 

さすがのMも、まさか玄関ドアが施錠されないままだという

事態は想像していなかったと見えて、ドアを開けようとした

形跡はありません。最初から鍵がかかっていると思い込んで

いるようです

 

 

まずは彼女がこの恐ろしい状態に勘付く前に、鍵をかけなくては

なりません。そうしないとMは自由にこの家に上がりこんで来る

ことになります。何をしでかすか分かったものではありません。

 

 

 

 

しかし・・・想像して下さい。

一般的な回転式のシリンダー錠は、いくら慎重にゆっくり回しても、

最後に「カタン」と音が鳴ってしまいます。その音は外にいるMの

耳に確実に届くでしょう。

 

 

私はまず、音が鳴りにくいチェーンロックからかけることにしました

チェーンロックは摩擦音しかしませんから、慎重にゆっくり作業すれば

音を立てないで済むはずです。

  

  

ドアにぶら下がるチェーンを手にとって、施錠用のレールに滑り

込ませました。慎重にレールを縦に滑らせます。

 

 

 

 

  

 

 

<ヒソヒソ声> 

「・・・そっとね・・・気をつけて・・・」

 

 

「わかってる・・・」

 

 

 

 

  

 

 

私は慎重にチェーンロックを最後まで滑らせ、何とか外のMに

気付かれないうちに施錠を済ませました

 

 

 

 


   

 

<ヒソヒソ声>  

「次はシリンダー錠よ・・・」

 

 

「わかってる・・・でもこれが怖いんだ・・・絶対勘付かれる・・・」

 

 

 

 

  

 

 

 

間違いなく最後に音が響くことが予想されますが、この錠を

かけなければドアは半開きになってしまいます。

 

 

私はそっとシリンダー錠のつまみを指で挟んでゆっくり回しました。

1ミリずつ、ゆっくりゆっくり、焦らないように回しました。

 

 

 

 

 

 

  


「焦らない焦らない・・・ゆっくりゆっくり・・・」

 

 

 

 

  

 

 

 

小声で独り言をこぼしながら、私は指に全神経を集中させて

つまみを回します。つまみを90度回せば施錠完了です。

少しずつ回したつまみは80度くらいの位置まで動いています

もうここからは進んでも戻っても音が鳴ってしまいます。

どうせ音が鳴るなら鍵がかかった方がはるかにマシです。

私は迷わず先に進みました。


 

 

 

81度・・・82度・・・83度・・・・84度・・・85度・・・

90度まであと少しまでというところまで来ました。すると・・・・









カッチャーン!!

 

 

 


  

 


げげ!ねこ  

「うわっ!」

 

 

 

  

 

 

 

予想を超える大きな音が玄関に響きました。当然外にも音は

響いているはずです。でも無事に鍵だけはかかりました

  

  

 

しかし・・・・・!

 



外でコツコツとこちらに早足で近付いてくる足音がします

私は勇気を振り絞って覗き窓から外を窺いました。

  

  

 

Mが鬼気迫る表情でこちらに向ってくるのが見えました。

ドアの前に立ったMはドアノブを握ってドアを開けようとし始めました。

やっと鍵が先ほどまでかかっていなかったことに気付いた様子です。

 

 

ガタガタガタガタガタガタガタッ!

 

  

当然ドアは開きませんが、何度も何度もドアノブを回してドアを

開けようと試みています同時にドアの横にある呼び鈴のボタン

を何度も押しています。


 

 

 

 


ガタガタガタガタガタガタガタッ! 

 

 

ピンポーン♪ 

ピンポーン♪

  

  

ガタガタガタガタガタガタガタッ!

 

 

ピンポーン♪ 

ピンポーン♪

  

 

ガタガタガタガタガタガタガタッ!

  

  

ピンポーン♪ 

ピンポーン♪ 

 

 

 

 

 

 

 

さらに片手に持った携帯電話で私の自宅電話をコールし始めました



  



 

 

プルルルルルッ!

  

 

ガタガタガタガタガタガタガタッ! 

 

 

ピンポーン♪ 

ピンポーン♪

   

 

プルルルルルッ!

 

    

ガタガタガタガタガタガタガタッ!

 

 

ピンポーン♪ 

ピンポーン♪

  

  

プルルルルルッ!

 

 

 

 

 

 

 

電話呼び鈴ドアをこじ開けようとする音が同時にマンションに

響き渡ります。近所迷惑なのは分かっていますが、覗き窓から見える

異様なMの姿と、その鬼気迫る表情を見ると、恐怖に身がすくんで

動こうにも動けません

 

 

振り返ると婚約者は今にも泣き出しそうな顔で震えています。 

 


 


  

 


ガタガタガタガタガタガタガタッ!

 

 

ピンポーン♪ 

ピンポーン♪


プルルルルルッ!

 

M夜中訪問イラスト  

              イラスト・佐藤美雪さん 

 

 



恐怖の三重奏は寒い深夜の静寂の中、ひたすら続きます。

 

 

 

 

 

長くなりました。続きは次回にさせて頂きます。

またのお越しをお待ちしています。

  

 

 

だって・・・妻には言えませんから・・・。

 

 

 



今回は「佐藤美雪のお絵かきじゃんぐる」 の管理者

の佐藤美雪さんのご協力を賜りました。

ありがとうございました。

 

 

○現在の夫婦生活一口メモ

落ち込み反省する私に妻は多くの癒しを与えて

くれます。本当にこの女性と結婚して良かったと

しみじみ実感しています。妻については後ほど

別の形で登場致します。今日はここまでで失礼

させて頂きます。     


     

   

<ブログ初心者によるブログ探検>

ブログ探検してみて楽しかったり気に入ったブログを

勝手にご紹介しちゃうオマケのコーナーです。奥さま

もよろしければ一緒に探検しませんか?

       

  

今回探検したブログ↓クリックしたら飛びます。

 

☆☆☆佐藤美雪のお絵かきじゃんぐる☆☆☆

以前もご紹介しましたが、現在私が最も好きなブログの1つです。

イラストを基本にしたブログはたくさんありますが、さとみゆさんの

イラストが一番好きです。本職はナースで激務の中、時間をやり

くりしながらのブログ更新だそうです。私がさとみゆさんの絵に

惚れ込んで、以前タイアップのお願いを無理にお願いしたところ、

快くお引き受け頂きました。本当にありがとうございます。本来なら

さとみゆさんのイラストを使わせて頂きながらブログを続けようと

考えていましたが、私の不手際によりそれも叶わぬ夢となりました。

ブログから離れた後もこのブログは応援し続けたいです。




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