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2008-02-27 13:31:29

死者への冒涜

テーマ:遠距離タカビー女編
 

   

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奥さま聞いて下さい・・・。

愚かな私を笑って下さい・・・。

そして私を叱って下さい・・・。  

 

 

 


 

「OYが死んだよ・・・」

 

 

「はっ!?」

 

 

「飛び降り自殺した・・・」

 

汗

「・・・・・・(絶句) 


 

 

 

 


奥さま・・・もしかするとご記憶にある方もいらっしゃるかもしれません。人気

絶頂だったOYが、東京都新宿区にある自身の所属事務所ビルから飛び降り

自殺をしてしまったのです。その理由はその後マスコミが様々な噂を撒き散ら

しましたが、どれも真実を突いているとは言えません。少なくとも彼女が生前

親友たちに相談していた内容は、かつて報道されたものとはまったく別のもの

でしたし、友人経由で私の耳に入った情報は恐らく世には出ていません。

 

ただ、同年齢でありながら、憧れの東京で活躍していた彼女のことは、いつも

頭の片隅にありました。東京の大学に入って仕事で成功を収めれば、いつか

は別の形で再会を果たすこともあるのかな・・・そんな淡い期待があったのも

確かです。なのに・・・牢獄のような大学浪人学生寮に閉じ込められている私

とはまったく別の世界で、彼女は悩んだ末にさっさとこの世に見切りをつけて

しまったのです。あまりに早い彼女の死でした。まったく面識のないアイドル

ならばいざ知らず、かなり近い存在だった彼女の死は、やっと克服しつつ

あったN子の死の衝撃を、以前より強い形で思い起こさせるのに十分でした。

 

 


 

 

「・・・・・・」

 

 

「俺・・・すげぇショックだよ・・・」

  


「俺もだ・・・(動揺)

 

汗 

「そっか・・・おまえ・・・直接知ってるんだったよな」

 

 

「うん・・・(動揺)

 

 

「俺なんかよりずっとショックだよな・・・たぶん」

 

 

「・・・・・・」

 

 

「何か理由は聞いてるか?」

 

 

「いや・・・今は全然つながりないから・・・」

 

 

「そうか・・・」

 

 

「・・・・・・」

 

あせる 

「俺が言うのもなんだけど・・・そう落ち込むなよ」

 

 

「う・・・ん・・・」

 

 

「もう起きちまったことなんだしさ」

 

 

「ただ・・・ここ最近・・・知り合いが立て続けに・・・」 

 

汗 

「他にも誰か死んだのか?」

 

 

「“死んだ”って言うな。“亡くなった”とかくらい言えよ」

 

 

「すまん。誰か他に亡くなったのか?」

 

 

「うん・・・かなり大切に思ってた女を1ヶ月と少し前に事故で亡くした」

 

 

「・・・そうだったのか」

 

 

「まだショックから立ち直りきってなくてさ・・・」

 

 

「だろうな・・・そんな最近じゃ」
 

 

「忘れようとしていた矢先だったから・・・今回の件でまた思い出しちゃったよ」

 

 

「・・・・・・」

 

 

「どっちも頑張ってる女の子だったのに・・・」

 

 

「・・・・・・」

 

 

「俺みたいな不真面目なやつなんかが、こうやってのうのうと生きてて・・・」

 

 

「・・・・・・」 

 

 

「世の中のためになるやつばっかりが死んでいく・・・」

 

 

「・・・・・・」

 

 

「何か変だよなぁ・・・」

 

あせる 

「おい・・・」

 

 

「俺なんて生きてる価値ないかもしれないのに・・・」 

 

あせる

「おい・・・○○。考えすぎだぞ」

 

 

「俺が代わりに死ねばよかったのに(涙)

 

 

「ばか!何言ってんだ!?○○!!」

 

 

「ごめん・・・ちょっと部屋で独りになるわ、俺」

 

 

「・・・ああ、わかった、あまり気にすんなよ」

 

 

「・・・・・・」

 

 

 

  

 


心配そうな視線をなげかけるハヤトをその場に残し、私は嗚咽を我慢しな

がら、自室へと急ぎました。泣くところを寮生たちに見られるのには激しい

抵抗感がありました。親しくなったケンイチ、ハヤト、O田だとしても、まだ

泣き顔を見せられるほどの気持ちにはなれません。

 

幸いにも途中の廊下では誰ともすれ違うことはありませんでした。私は

鍵のかかっていなかった自室のドアを乱暴に開けて、中へと飛び込み

ます。ドアを閉めるとすぐに目の前にある粗末なベッドに倒れ込み、枕に

顔をうずめて泣き始めました。

 

 

 

 

 

 

「うぅっ・・・うぅっ・・・(嗚咽)

 

 

 

  

 


もちろん自殺したOYと私はさほど親しいわけではありませんから、私の

頭の中を駆け巡っている想いは、N子を失った悲しみです。OYの自殺は

単に押さえ込んでいた感情の塊が暴発する引き金を引いたに過ぎません。

 

ただ、当時の私は東京に行きさえすればバラ色の生活が待っているものだ

と勝手な思い込みをしていました。しかしはた目には華やかな成功者だった

OYの自殺は、それほど世の中が単純ではないことを示唆しています。私は

東京という大都市に対して一抹の不安を感じずにはいられませんでした。

 

そんな曖昧な目的である「東京行き」でさえも、確実なものに出来ないまま、

中途半端な「大学浪人」という立場に甘んじている自分自身が、とてつもなく

愚かしい存在に思えてなりません。いったい何のために私は東京に行く

のでしょうか。そもそものきっかけだった元同級生Jとはまったくの没交渉。

もはや東京行きの大義などどこにもありません。親の期待?N子の供養?

どれも心にしっくり来るとは思えませんでした。

 

私ははからずもOYの死によって、受験生にとって致命的な「目標の喪失」

という事態に陥ってしまったのです。

  

  

 

 



「俺・・・このまま受験しちゃっていいのかな」

 

  

 

 

 

 

根本的な疑問が頭をかすめます。それと同時に嗚咽が急に収まります。

 

 

 

  

 


「だいたい・・・1年やそこら勉強したって・・・受かるかどうかなんてわかんないよな」

 

 

 

 

 


泣き止んだ私はごろんと回転して仰向けになりました。大の字になって

ベッドに横たわり、天井にぶら下がる蛍光灯を見つめながら考えました。

 

  

 

 

 

 

「ふぅ~・・・」


 

 

 

 


まだOYが本当に自殺したのかどうかさえ確認していません。もちろんこの

時点では、その事情や背景などを耳にはしていません。テレビも何もない

生活です。新聞だってほとんど読んでいません。今のようにインターネット

など存在しない時代ですから、ハヤトの言っていたことが事実かどうかを

確かめる方法はありません。

  

 

 

 

 

 

「とりあえず食堂に戻ってみるか・・・」

 

 

 

  

 


孤独に悩んでいても新しい情報が入ってくるわけがありません。食堂に行け

ば、誰かが何か新しい情報を持ち帰ってきているかもしれません。私は再び

自室を出て、暗い廊下を歩いて食堂へと向かいました。

 

 

 

 

 

ビックリマーク

「うん?なんかザワザワしてるな・・・」

 

 

 

 

  


まだ食堂までは5Mほどあるのに、入り口からざわつく気配が漏れてきます。

普段はそれほど大人数が同時に集まる場所ではありません。どういうことで

しょうか・・・。私は歩を速めて食堂へ入りました。

 

 

 

 

 


げげ!ねこ

「うわっ!・・・なんだこれ・・・!!」


 

 

 

  

 


思わぬ光景がそこには広がっていました。数十名の寮生たちが窓際にある

テーブルに群がっています。みんな集団の中心部に入り込もうとして必死

にお互いに押し合っています。当然ですが私もその人の輪に入ってみました。

 

 

 

  

 

 

あせる 

「おい!どうしたんだ??」

 

 

「なに?おまえ知らないの?」

 

 

  

 

 

 


最後部にいた、見たこともない男が答えました。

 

 

 

 

 

 

むかっ

「だからどうしたんだよ!?」

 

 

「OYが死んだらしいぞ!!」

 

汗 

「なんだ・・・その話か(嘆息)

 

 

「知ってたのか??」

 

 

「さっき聞いたよ・・・でも・・・本当なのか?ガセじゃねーのか?」

 

 

「ハヤトがスポーツ新聞買ってきたんだよ」

 

ビックリマーク 

「ハヤトが!?」

 

  

「飛び降り自殺の現場がばっちり写ってるらしいぞ!!」

 

汗 

「・・・まじかよ!?(動揺)

  

 

 

 

 

 

私は腕力にモノを言わせて、強引に人ごみを掻き分けました。何人か

が口を尖らせて文句を言おうとしますが、私の顔を見て小声になります。

私はそういう輩を完全に無視したまま中心部まで何とか入り込みました。  

人ごみの真ん中では、ハヤトがテーブルに広げたスポーツ紙を食い入る

ように読んでいます。私が食堂に戻ってきたことには気づいていません。

 

 

 

 


 


「おい!ハヤト!!」

 

 

「お、おう!○○!!こっち来いよ!!」 

 

  

 

 

  

 

私は誘われるままに早との横の席に座りました。先に座っていた見知らぬ

男は、ハヤトが強制的に有無を言わせず立たせて席を私に譲らせます。

  

 

 

 

 

 

「やっぱり本当だったよ・・・新聞に出てるんだから間違いない」

 

 

「そうだな・・・すごいでかい記事になってるんだな」

 

 

「そりゃ・・・天下のOYが死んだんだ・・・大ニュースだろ」

 

 

「そういうもんなんだろうな・・・」

 

 

「現場の写真もあるよ」

  

 

 


 


そう言ってハヤトはページを1枚ぺらりとめくりました。

 

  

   

  


叫び 

「・・・・・・」

 

 

「これって・・・彼女の血らしいぞ」

 

 

 

  

 

 

広げられたスポーツ新聞には、自殺現場らしき写真が極端に大きく掲載

されていました。道路のアスファルトの窪みまで判別できるほどに現場の

地面に接近して撮影されたものでした。そこには大量の血液と、飛び散った

体の一部らしきものも写りこんでいました。

 

 

 

  

 

 

汗

「・・・・・・(動揺)

 

 

 

 

 

 


私は思わず目を背けました。仮にも直接見知った人物の自殺現場なのです。

とても興味本位でその写真を直視する気持ちにはなれません。

 

 

  

 

 

 音譜

「すげぇなぁ・・・この写真・・・(喜)」 

 

 

「ハヤトさん、お手柄だよね♪」

 

 

「ハヤトさん♪あとでその新聞貸してよ」

 

 

「・・・・・・」 

(ハヤトは完全無視) 

  

「おまえ・・・変な目的に使うんだろ?変態!!(笑)

 

 

「違うよ!おまえじゃないんだからさ!!(笑)

 

音譜 

「OYの血だったら・・・俺イケるかも♪」

 

 

「俺も・・・」

 

 音譜

「永久保存版だよな♪」

 

 

「もっと他に写真ないのかなぁ」

 

 

「変態ばっかだな(苦笑)

 

 音譜

「きゃははは・・・♪」 

   

   

爆弾 

「うるせぇ!!」

  

 

   

目 

「・・・・・・(呆然)

 

メラメラ 

「てめぇらいい加減にしろ!!」

  

 

「・・・・・・(呆然)

 

メラメラ 

「マジでぶっ殺すぞ!!」

  

 

「・・・なにムキになってんの?変なやつ(苦笑)

 

 

「人が1人死んでんだぞ!?」

 

 

「だからなんだよ!?」

 

むかっ 

「だから・・・だから、そんなふざけた態度はやめろ!!」

 

 

「な~にカッコつけてんだよ、この人は」

 

 

「この子はなぁ・・・この子はなぁ・・・(涙)

 

 

「泣いてるよ、この人」

 

 

「変なやつ・・・」

  

 

「ちょっとハヤトさんと仲がいいと思ってさぁ」

 

 


 

  

 


死者を冒涜するかのごとき会話に我慢ならず、私が大声を上げると、

集まっていた男たちは異質なものでも見るかのごとく、冷たい視線を

注ぎます。

 

この学生寮で私はまだ本性を見せてはいませんでした。ですから

高校時代のように、無条件に周囲が私を恐れることはありません。

あくまで既に怖いと評判のハヤトの仲間として、少し敬遠されて

いるだけに過ぎませんでした。

 

 

  

 

 

 

むかっ

「おまえら恥ずかしくないのか?そんなこと言ってて」

 

音譜 

「全~然!!」

 

 

「なんってやつらだ・・・(ワナワナ)

 

 

「だったら新聞買ってきたハヤトさんに怒れよ!!」

 

 

「そうだよ!!」

  


「金魚の糞のクセに!!」

 

汗 

「金魚の・・・そこまで言うかおまえら・・・(呆然)

 

 

 


 

 

私はハヤトの方を見ました。彼は下を向いて黙っています。

 

 

 

 

 

 

「なんだか調子に乗ってない?この人・・・」

  
    

「ハヤトさん!!こいつ、なんかハヤトさんに文句あるらしいですよ!!」

  

DASH!  

「・・・・・・」

 

 

「何か言ってやってくださいよ!!」

 

 

「・・・・・・」

 

 

「・・・・・・」

 

  

 

 

 


ハヤトはゆっくり立ち上がると顔を上げて搾り出すような声で言いました。

  

 

  

 

  

  

「○○・・・すまん・・・」

 

 

「・・・・・・」

 

 

「俺が軽率だった・・・」

 

 

「・・・・・・」

 

 

「自分の部屋でこっそり読めばよかった・・・」

 

 

「・・・そうだな」

 

 

「おまえの気持ちはよくわかるよ・・・すまん」

 

 

「・・・・・・」


 

「でもな・・・でもな・・・」

 

 

「・・・・・・」

 

ドンッ 

「てめぇらの物言いも許せねぇぞ!!」

 

 

 

 

 

 

ハヤトはいきなり立ち上がり、彼を取り巻いていた男たちに向かって

怒鳴り始めました。

 

 

 

 



「俺の大好きだったOYが死んだってのに・・・何だ?その会話は!?」

(そこかよ・・・) 

 

「・・・・・・」

 

 

「血液の写真でオ○ニーだとぉ!?誰だ最初に言ったやつは!!」

 

 

「・・・・・・」

 

 

「ふざけるのもいい加減にしとけよ!?」

 

 

「・・・・・・」

 

 

「おめぇら消えろ!!じゃねーとマジでぶっ殺す!!」 

  

 

 

 



今回はここで締めさせて頂きます。

またのご来訪を心よりお待ちしております。

 

 

だって・・・悔やむことばかりですから・・・。

 

 

 

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2008-02-25 13:44:53

死肉に群がる亡者どもが筆者○○の怒りの導線に火をつける!!・・・次回更新予告です。

テーマ:次回更新予告

 

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奥さま・・・次回更新予告です。


走るウマ

今月は公私ともにほぼパニック状態で、なかなか腰を据えて

執筆作業に取り組む時間を確保できません。更新頻度が

著しく減っていることを心よりお詫び申し上げます。

 

次回「死者への冒涜」が、やっと完成間近まで来ましたので

更新予告をさせていただきます。あとほんの少しだけお時間

を頂戴できればと存じます。

 

 

 

以下は次回抜粋です。

 


 

----------------------------------------------------- 

 

 

 

「ハヤトがスポーツ新聞買ってきたんだよ」

 

 

「ハヤトが!?」

 

  

「飛び降り自殺の現場がばっちり写ってるらしいぞ!!」 

 

 

 

------------------------------------------------------ 

  

  目

ではすぐまたお会いしましょう!! 

 

 

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2008-02-22 17:37:18

【連載閑話】くちゃくちゃ音を立てて食べる人

テーマ:筆者一口メモ

 

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奥さま・・・筆者一口メモです。

 


私は人にとやかく言うほど食事のマナーがよいわけではありません。

しかし、箸の持ち方よりも何よりも、一番気にするマナーがあります。

それは「音」です。

 

音と言っても食器のぶつかる音ではありません。食べるときに口から

発する音。咀嚼するときに発する音です。最近ある有名医師がある

女性と婚約破棄(?)をした理由で、蕎麦を食べる音のことが影響して

いると騒がれました。しかし私が言っているのはそばをすする音とか

納豆をずるずるかきこむ音のことではありません。

 

噛むときに「ぴちゃぴちゃ」「くちゃくちゃ」音を立てる人っていませんか。

これを読んでいるあなたも、無意識にこれをやっちゃっていませんか。

もしくはあなたの周囲にそういう人っていませんか。

 

食事のマナーがそれぞれの民族や国でばらばらなのは言うまでもあり

ませんが、先進国でほぼ共通のマナーがいくつかあります。その中の

ひとつに、いったん口に入れたものを皿に戻したり見せたりしないこと。

そりゃそうです。赤ん坊に与える場面は除くとして、基本的に他人が

咀嚼した後のものを見せられて気持ちがいいわけがありません。

 

もうひとつが咀嚼の音を立てないこと。勘違いのないようにして頂きたい

のですが、口の中に放り込む音じゃあリません。「噛む音」です。この音

を立てて喜ばれる先進国はほぼ皆無でしょう。聞いたことがありません。

この音の不快さは、吐瀉物を見せ付けられたときと同じような気持ちの

悪さです。


でも・・・よく気をつけて見ていると、ぴちゃぴちゃ音を出して平気で咀嚼

している人・・・それもけっこう年配で社会的な地位も高そうな人にさえも

かなりの確率で遭遇します。

 

私自身について言えば、幸いにも母親がそういう面で異常に厳しい躾を

施してくれたので、ぴちゃぴちゃ音を立てません。なぜこんな音が発生

するかといえば、咀嚼するときに口が開いているからです。唇の上下が

離れて開放されているからです。だらしない食べ方をしていると発生する

音なのです。咀嚼音がストレートに開口部から外部に漏れ聞こえてしま

うのです。私は両親から「噛むときは口を閉じなさい!」と厳しく言われて

育ちました。


私自身はたいした家柄でもないのですが、大人になってから伝統ある

名家で育った人物と席を共にする機会も増えました。そしてあるざっく

りした結論を得たのです。育ちのいい人は「ぴちゃぴちゃ」噛まない。

これが私の結論です。貧しくても礼儀や美徳をしつける家庭に育った

人物は、咀嚼音なんてたてません。逆にいくら裕福でも、そうした文化

的なものを重視していない・・・いや板についていない、いわゆる「成金」

育ちの人物は、けっこうな割合で「ぴちゃぴちゃ」恥ずかしげもなく音を

たてて食べています。


子供の頃ならばいざ知らず、大人になるともう誰も注意してくれません。

陰で「あいつ下品なやつだなぁ」と笑われるだけです。やってる本人も

自分がそんな恥ずかしいことをしてるなんて夢にも思いませんから、

堂々と音を発しています。世も末です。

 

高級フレンチとか高級イタリアンのお店でふんぞり返っている中年男

が「ぴっちゃぴっちゃ・・・くっちゃくっちゃ」と食べているのを見ると、失笑

するしかないのです。高級寿司店でアワビを「くっちゃくっちゃ」噛んでい

る重役風のおじさんをみると情けなくなるのです。


ものすごーーーーーーく・・・・下品です。情けないです。


私の友人にもいます。若い頃は性格的に黙っていられないので注意も

しましたが、この年齢になるともう諦めて馬鹿にしています。きっとこの

人物の親も・・・その親も・・・そのまた親も・・・ずっと何代も「ぴちゃぴちゃ」

下品に咀嚼音をまき散らしていたんだろうなぁ・・・と思っているのです。

 

そんな輩が「焼肉なら有名な****に限るね」とかグルメぶってるのを見る

と、もう救いようがないくらい可哀想になってしまいます。

 

私も大人ですのであまり他人のことをとやかく言わないようにしているの

ですが、レストランや飲み屋さんで赤の他人と接近して座ることってあり

ますよね。そういうときに隣り合った赤の他人が「ぴちゃぴちゃ」噛んでい

ると、もう一気に気持ち悪くなって食欲がなくなります。無視しようとしても

耳にその音だけが選ばれて入ってくるような状態になってしまい、いらいら

落ち着かなくなってしまうのです。そういうときは、相手がどんなにきれいな

女性でも、女性を口説いてる最中のイケメンでも、はっきりと苦言を申し上

げるのが常です。「あのさ・・・そのぴちゃぴちゃ下品な音を立てて食べるの

やめてくれない?食欲萎えるからさ」


お節介を言うなよ・・・と思うかもしれません。実は妻も時にそう私を諭します。

でも・・・考えて下さい。同じお金を払って、その店での食事を楽しむ時間を

私は購入しているのです。それを妨害しているのは、マナー違反の下品な

相手です。相手は何も不快じゃないでしょう。でも私は普通に不快なのです。

なぜ悪くない私が我慢をして、極めて下品な相手がそのまま楽しい時間を

継続できるのでしょうか。筋が通りません。だから言うべきことだけは言うこと

に決めているのです。


ほとんどの人は「初めて言われた」というような驚いた表情で、その後は

口を閉じて慣れない噛み方で「もごもご」食べるようになります。少しばか

り気の毒になることもありますが、少しは気を遣うようになるのが普通なの

ですから仕方がないと思っています。恨むなら躾けた親を恨め・・・ですね。

 

でも、たまに逆ギレしたり意地なる相手もいます。逆ギレされてケンカに

なっても負けちゃいそうな怖い相手は滅多にいませんし、さすがに本職

っぽい人とは、最初から席が隣にならないように、予めはからってもらい

ますから問題ありません。殴るなら勝手に殴れです。慰謝料が儲かって

むしろうれしいかもしれません。ぶっちゃけ私自身はケンカになることは

さほど嫌ではないですし怖くないですし(汗)。


では・・・どうしても意地になってそのまま「ぴちゃぴちゃ」噛み続ける馬鹿

がいたら。それはもう諦めて店のスタッフに言って、こちらの席を替えて

もらいます。それ以上の労力を、そんな下賎な人のために費やすこと自体

がくだらないからです。ちゃんとした店ならば、この理由を言えばほとんど

理解して対応してくれます。ちゃんとしてない店は試していないので分かり

ません。そもそもちゃんとしていない店では、私はあまり小うるさいことは

言いません。ちゃんとしていない店にいるのは、やはりちゃんとしていない

客でしかなく、私もその店にいる限りはそういう客の1人になるのですから、

それほどうるさいことを要求するほど愚かではないつもりです。

 

でも・・・皆さん子供の頃叱られませんでしたか?

「ぴちゃぴちゃ口開けて噛むんじゃない!みっともない!」


私はこの程度の基本的な躾をされていないことのほうが驚きで、ちょっと

理解に苦しみます。ぴちゃぴちゃ・・・くちゃくちゃ・・・。ああ気持ち悪い。


 


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