生きるって何だろう?

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12月公演の新作ミュージカル「カムイ」の稽古は順調に進んでいます。

野ウサギたちを主人公に、北海道の日高山脈に聳えるピリカヌプリを舞台にして、荘厳なファンタジーの世界を創るのが本来の目標でした。ところが、四月から稽古が始まるや否や、目まぐるしい程に脚本が変わり、やっと落ち着いたのがつい最近のことです。約五十人の役者たちは、不満は一杯あったでしょうが、本当に我慢強く、ついて来てくれました。みんなミュージカルをこよなく愛している素晴らしい仲間たちです。

 何と25曲もの神秘的で美しい音楽を志田君と小栢さんが作ってくれました。ダンスは望月さん、下道君がエネルギッシュにコミカルに振り付けてくれました。随所に繰り広げられるびっくりする程の凄まじいアクションは玉井君が付けてくれました。佐久間さんの意表を突く衣装デザインも見ごたえの一つです。

 最後は芝居です。これはちょっとやそっとでは見られない代物ですよ。舶来品(この言い方古いですね)が、まかり通るこのミュージカルの世界で、野ウサギを主役にしたオリジナルの作品を堂々と打って出るのですから・・・。資金力には負けますが、内容は絶対に負けません!芝居に入り込む魂が違います。

 前述したように、美しいファンタジーの世界が出来ればいいなと思っていました。しかし、手直しして行くうちにこの野ウサギたちの物語を通して、現在の人たちに警鐘を鳴らしてみたくなりました。目標を持てない無気力な若者たち、嘗てはもっと理想や夢があったのにただ悪戯にその日を暮らしている人が何と多いことか?アメリカでは「無気力、無感動、無目的と云う、意味を失った大学生の数は、今日その総数の八十パーセント、五十万人以上が自殺願望だ!」とヴィクトール・フランクルは二十年前に予言していましたが、さて今の日本の場合はどうなのでしょう?日本だけではありません。世界各地で頻繁に起こっているテロ、想像を絶するおぞましい事件、狂っているとしか言いようがない指導者が、核弾頭をおもちゃにしている国もある・・・・。現代の人間社会にとって本当の理想って何だろう?生きることって何だろう?

 私たちの今回の「カムイ」にはこう云った重要なテーマを、野ウサギたちの生き方を通して投げかけています。勿論、笑って、泣いて、大いに感動して頂けるように、色々と工夫に工夫を重ねて創り上げています。どうぞ楽しみに御覧になってください。 

2017年、12月23日、24日。都筑公会堂にて公演。

 

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