オカミのナカミ

広島のすみっこで居酒屋を営む女将のブログです


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昔、うちの母はなぜと不思議に思っていたことがある。

様々なパッケージの開け方だ。

 

 

 

 

 

 

例えばキャラメルやチョコボールのフィルム。

箱のサイドを見れば、フィルムの切れ目があるのに関わらず、そこからは開けない。

箱のてっぺんから開けてみたり、切れ目は見つけてみたものの、引っ張り方がヘタクソなのか、フィルムをはがす前に、そのとっかかり部分だけが切れてしまったり、ひどい時には、たかがフィルムをはがすだけで包丁が登場していた。

 

 

 

 

 

 

卵の入ったプラスチックの容器もひどかった。

端っこの切れ目のある箇所をピーッと引っ張れば、パカっと美しく開くのに関わらず、うちの母は、ほぼ100%その切れ目を無視し、その反対側の接合部分を両手で上下に引きちぎって開ける。

あれだけ卵パックが、そこから開けるんちゃうでとアピールしているに関わらずである。

切れ目は入ってるわ、ヒモに色がついたのもあるわ、取っ掛かりの端部に至っては、引っ張ってくださいと言わんばかりに立ちあがっていることさえある。

あれを引っ張らずして、人生何を引っ張るんだと思っていたが、私の思惑をよそに、パックは常に上下に引きちぎられ、接合部分が強固な場合は、ここでも包丁の出番だった。

 

 

 

 

 

 

あと、うちの母をよくブチギレさせていたのは、サラヤのむすびだ。
サラヤというのは、道端に設置した簡易販売所で弁当や総菜を販売していた店である。
オカミが育った愛媛では、このサラヤが当時あちこちにあったのだが、ここで販売しているおむすびは、今コンビニで並んでいる、海苔とご飯がフィルムで別包装になっている、あのタイプだったのだ。
このおむすびは、海苔が食べる直前に巻けてパリパリ香ばしいと、当時画期的な商品だったのだが、うちの母は、この海苔と飯との併合にことごとく失敗していた。

 

 

 

 


フィルムを破く際に、海苔も一緒に裂いてしまうというパターンがいちばん多かったように思う。
次によくあったのが、海苔残り。
フィルムの中に、海苔の切れはしを残してしまうという、昭和初期世代には痛恨の極みのヤツである。
あの海苔の切れはしを捨てられなかった母は、フィルムの中に人差し指をつっこんでカリカリしてみたり、ツマヨウジをつっこんでカサカサしてみたり、激しく振ってヒラヒラさせたりしていたが、フィルムはいたずらにカリカリ、カサカサ、ヒラヒラするだけで、海苔は一向に出てこない。

憤懣やるかたない母は、最後やっぱり包丁を持ち出して、フィルムを八つ裂きにしていた。

いや、もう全部、最初から包丁もってきたらどうか。

 

 

 

 

 

 

 

 

そんな母を憐れんでいた私が。

嘲りにも似た気持ちで、しょうがないなこの女はと苦笑していたこの私が。

最近パッケージが開けられなくなってきたのである。

 

 

 

 

 

 

 

 

こちらからならどこでも開けられますという、マジックカットと言う名の小袋類。

あれ、開くか?

どこからでも開くか?

みんな目を閉じろ。

先生、今やったら正直にいうたら怒らん。

怒らんから、ホンマは開かんですって思ってるやつは手をあげろ。

コラァそこ目ぇ開けるな!!・・・・て、メーカーに問い詰めたいくらいスムーズに開かん。

マジックかかってるからか知らんけど、切れ目も入ってないからな、あのタイプ。

特に七味が入ってる小さいやつのマジックカット、あれ絶対魔法解けてるやろ!!

もう、あのタイプはシンデレラカットとか、美女と野獣カットにしたらどうか。

 

 

 

 

 

 

 

それからアレ。風呂場のアイツ。

ポンプタイプのシャンプーとかボディソープのポンプ。

あれ、購入した時って引っ込んでるやん?

で、使う時に数回くるくるしたら出てくる思うやん?

違うねん。

くるくるしても出てこーへんやつがおんねん。

あたし、こんなブログ書いてるけど、基本気が長いんですよ。

争いも嫌いやし、長いものには巻かれるどころかくるまりたいタイプやし、一つのことを長時間やってもあんまり苦にならんのな。

だからくるくるしたっつーの。

ひたすらくるくるしたっつーの。

髪の毛ぬらして、ボッタボタ水滴たらしながら、風呂椅子に座ってくるくるくるくる、回す回す。

3分はくるくるしてたわ。

風呂の追い焚きスイッチ押してから、切れるくらいまでくるくるしてたもん。

来る日も来る日も、オカミはくるくるしましたとさ、めでたしめでたし。

・・・・・てなるかアホー!!どんだけ出てこんのか、湯ざめするわボケー!!て、とうとうポンプの根元キャップを開けて、本体から直接中身を出したその後よ。

ホンマ欠陥品やわこのシャンプーと、忌々しくそのポンプの根元キャップをキュっと締めたら

 

 

 

 

 

 

 

 

ポンッ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

て、ポンプトップが軽快に飛び出した、この屈辱。

(ポンプが出にくい場合は、根元を締めろて注意書きに書いてあったけどな。)

 

 

 

 

 

 

 

最悪は粉チーズ。

知ってる?粉チーズ。(知っとるわ)

あの円筒形の。振りかけるタイプの。(しつこい)

内蓋のフィルムが、今は半円形のツマミになってるやつやで。

(ホラキタ初耳ー!!)

このフィルムはエグイ。

開きそうで開かん。

めっちゃ開きそうな雰囲気出してるのに関わらずだ。

この半円ひっぱったらええんやろ?という雰囲気に溢れているにも関わらず、ひっぱっても、開かん。

剥がしてもイカン。

そんな内蓋は好かん。

(誰が韻を踏めと)

 

 

 

 

 

 

大の男が引っ張り上げても、ツマミが破れるだけで粉チーズが現れる気配が全くないのだ。

まるで大阪城のような堅牢さに、落とせそうで落とせない、崩せそうで崩れない、キャッツアイの泪さんのような危うさを併せ持った奇跡のシール技術・・・・・・

言うとる場合か、ナポリタン冷めるやんけー!となり、包丁で内蓋を八つ裂きにしたオカミ。

(デジャブ)

 

 

 

 

 

これどやって開けんねんと、「粉チーズ開かん」で検索したら一発ヒットで動画が出てきた。

どうやらツマミをひねりながら引っ張ると簡単にはがれるらしい。

いや、開け方が動画になってる時点で、開封に困難を孕んでいる可能性に富み過ぎやろ。

てか、内蓋あけるのに床のシライいる?

 

 

 

 

 

 

 

 

と、まあいろいろ書いたが、これは一種の老化現象だろう。

若い頃は、その包装やパッケージの構造・雰囲気から、開け方を想像できていたのに、それが今できないのは、おそらく時代と共に変わるプロダクツイノベーションを、オカミの脳がアップデートできていないからだ。

 

 

 

 

周囲を見回すと、今の時代のプロダクツは「安全をメーカーが担保する」という概念で設計されており、自己責任をできるだけ軽減するという方向に向かっているように思う。

ひねらないと差せない電源、缶切りを使わないプルトップ缶詰、周囲に飛び散らない個包装ドレッシング。

利便性を向上する工夫と同じくらい、事故やケガを軽減させるアイデアが、容器やプロダクツそのものに装備されているのが普通になってきた。

製造責任が追及されだした背景もあるだろう。

そういった時代の流れに関心を示さないでいると、ファッションに疎くなり、アイドルの顔がみんな同じに見えるのと同様、構造の細部やディティールの背景が理解できず、発想やイメージングが乏しくなってくるため、見ただけでは、新しいパッケージを開けられなくなるのである。

 

 

 

 

 

世代はめぐり、時代は繰り返す。

かつて私が嘲笑していた母も、今思うと高度成長期の様々な変化についていけてなかったのかもしれない。(かもしれないし、彼女の特殊な資質だったかもしれない)

そういえば母は豆腐の容器も開けるのが下手だった。

あのフィルムのシールが剥がせずに、容器の際に包丁を入れて開けていた。

豆腐を桶やボウルに水をいれて買いに行っていた世代だ。

まさか豆腐がプラスチックにシールされて販売されようとは夢にも思っていなかったであろう。

昔は、ケガと弁当自分持ちというくらいで、鮮度の悪い魚や、スの入ったゴボウや大根を買おうものなら、目利きが悪いと親や祖母に叱られていたものだった。

自己責任があたりまえだったのである。

今はとかく企業や学校や行政の責任ばかりが問われる時代なので、自己責任が前提のプロダクトはこれから更に減ってゆくかもしれない。

しかし。

しかしである。

その商品を使う責任はやはり自分にあるのだと、もう皆さんはお気づきのことと思いますが、こんなグダグダでクルクルで包丁八つ裂きの話を、どうやって終わらせたらいいのかわからなくなり「時代」や「責任」という、やたらビッグな概念で総括しようとしている己の牽強付会ぶりやいかに。

 

 

 

 

 

 

 

ところでオカミも豆腐のフィルムはうまく剥がせない。

そして当然のように母の開け方を踏襲した。

どんなに企業が責任を全うしようとも、最終的に常に包丁を持ち出す親子に、イノベーションの夜明けは遠い。

 

 

 

 

 

 

 

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