ども、初日を迎える岡田達也です。
昨日は場当たり。
その際中。
演出の田村くんが言った。
「みなさん、聞いてください。この劇場は音が吸われます。稽古場に比べて相手の声が小さいと感じるかもしれません」
まさしく。
一昨日、声を出したときからそう感じていた。
こいつは困ったなぁ、と。
赤坂レッドシアターでやるのは初めてじゃない。
だから経験値はあるはずだ。
それでも、改めて驚かされるほど劇場に音が吸われていく。
*
「音が吸われる」
ちょっとわかりにくいかもしれないけど……
舞台上に立って、客席に向かって発語したとき、声の響きは劇場によって大きく異なる。
大きく分けると「DEAD」と「LIVE」。
これは、残響の分量の差。
「LIVE」は響くこと。
例えばクラッシクなどが上演されるホールは残響効果が長い。
1秒~1.5秒ほどもあったりする。
こうなると自分のセリフの余韻で、次のセリフの語頭が消えてしまうので、まくし立てるようにしゃべるのは効果的ではない。
子音を立てて、母音を切るようにしゃべるよう心がけたほうが得策。
「DEAD」はその逆で響かないこと。
劇場の壁が木材やコンクリートではなく、防音吸収材が使われている劇場はそうなる。
セリフがかき消されることはないけど、これはこれでなかなか厄介だ。
「あれ?オレ、声が出てないぞ。どうしよう」と不安になってしまう。
ピッチャーが投球練習をするときに、キャッチャーがいかに良い音で受けてあげるかによって、ピッチャーの心理は大きく変わるという。
キャッチングの瞬間の音が良ければ「今日オレの球は走っている」となる。
そうでなければ「あぁ、今日のオレはダメだ」となる。
その理屈と同じだ。
*
田村くんは続けた。
「だからといって無理して頑張らないでください。そうすると稽古場で作っていたニュアンスと違うものになってしまいます。そうではなく、劇場に慣れてください」
うんうん。
その通りだ。
“頑張らなきゃいけない”けど、“頑張りすぎると違うものになる”
そのせめぎ合いの中で、どうやって戦うかが課題だなぁ。
そんなことをぼんやり考えた。
*
『世襲戦隊カゾクマンⅡ』
本日から出動です。
プリエールHP
http://priere.jp/performance/1707/
上演時間は2時間5分前後を予定しています。
感動なんかさせません。
くすぐり続けていきます。
是非、劇場へ。
初演の一枚。
“悪の帝王”ミドラー様と“その下僕”男前男
では、また。