「最低でも県外」の約束から迷走の末に「辺野古回帰」、そして社民党の連立離脱を招いた「5月末決着」。鳩山由紀夫首相はこの日、普天間移設問題を自ら辞任の理由に挙げた。期待を持たされた揚げ句に裏切られた形となった沖縄からは「辞任は当然」の声の一方、「沖縄のために頑張ってくれたのに」と惜しむ声も上がった。

 那覇市の比嘉智晴さん(62)は「沖縄県民の立場としては『最低でも県外』の公約を守れなかったから、辞任は当然と思う」ときっぱり。「選挙対策に加え、本人の弱さもあってこの時期の辞任になったのではないか」とも指摘した。さらに次期首相については「米国の言いなりにならず、対等な議論ができる人になってほしい」と話した。

 辺野古で移設反対の座り込みを続けるヘリ基地反対協の安次富浩共同代表(63)は「沖縄県民に対して失礼極まりない。アメリカとケンカして辞めるのならいざ知らず、圧力に押し切られてしまった。『最低でも県外』『外交交渉は対等』と言っていたのに、政治家としての気迫も、責任感もない」とはき捨てた。また「政権を仕切りなおす際にはもう一度社民も入れて連立内閣を組織し、原点に戻って考え直すべきだ」と注文をつけた。

 名護市辺野古地区に住む島袋権勇市議長は「『最低でも県外』の公約が守れず、これでは参院選を戦えないと責任を取らされたのだろう。だが、辺野古移転を明記した日米共同声明に基づいて8月末までに政府案を出すまでやり通すのも責任の取り方だったはず。新首相も引き続き辺野古への基地移転を進めてもらいたい」と話した。

 また、普天間の移設先として取りざたされたうるま市の宮里朝盛市議は「辞めるなら、県外・国外へ持っていってから辞めてほしかった。本人が辞めても何の解決にもならない」と憤った。「沖縄県民はみんな期待したのに、裏切られたという気持ちが大きい。ただ、鳩山さんの辞任で県外・国外へ移すのは一層困難になるだろう」と話した。

 一方で辞任を惜しむ声も。糸満市の男性タクシー運転手(62)は「米軍基地撤去は過去何十年もかかってできなかったことだから、すぐにできるはずがない。鳩山さんは沖縄の負担を減らそうと一生懸命頑張っていたのに、すぐ切るのはおかしい。日本人の悪いところだ」と嘆いた。また那覇市の女性(73)も「沖縄の人ももう少し鳩山さんに協力すれば良かったのに。米軍基地問題に今後も取り組んでもらえると思っていましたが、残念です」と話した。

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