(一人で)カフェ、喫茶店をやりたいと思っている人に向けた開業の指南書

完全現役の立場から、現場、実体験、からのみ成り立つ超絶リアルな内容にしたいと思ってます。あとは「前書き」を参照してください


テーマ:
店内には計6名のお客様が思い思いのことをしてくつろいでいる。
それぞれには全く接点のなさそうな人たち。
いや、この店を選んでいただいたことが接点。
そう思うだけで嬉しくなる。

シャリーン(ドアが開く時の鈴の音)

「いらっしゃいませ!お好きな席にどうぞ」

新規の3名様がご来店。注文は、
定番ブレンドとチョコレートケーキ、
季節のブレンドとチーズケーキ、
そしてココアとよもぎ草餅。

オーダーを作る際の鉄則、それは、

「最も所要時間のかかるものから手がける」

今、この場合では「ココア」だ。
しかしその前によもぎ草餅を炙る七輪風電熱器の網の予熱に十分な時間をとりたいからまずは電熱器の電源をON。
そしてココア。うちのココアは、チョコレートシロップ(様々な添加物配合の)をお湯で溶いただけのものではなく、100%ピュアカカオ。
チョコレートケーキにも使用するため廃棄ロスが生じることもなく新鮮な状態でいつも常備されているこのカカオパウダーとミルクと砂糖のみで弱火でじっくり煮込むその時間7分。
その間に二つのコーヒーを淹れる。
コーヒー一杯を淹れるための全工程に要する時間は4分42秒。
2杯分だと豆を挽く時間がプラスされるので5分強。
豆を23gずつ量り、挽いて、フラスコ内のお湯が沸騰したら、
お湯はロートをのぼり、豆との歓喜のダンスを鎮めるように俺は竹べらで攪拌する。
最初の攪拌の後、1分タイマーが鳴るまでの間、使用済ロートが2本洗える。
ロートを1本洗う(洗浄機に入れる前の下洗い)のに23秒かかるから今はロート洗浄を2本とコーヒーのミルクをピッチャーに用意してちょうど1分ほど。
火を止め、二度目の攪拌をするやいなや、俺は後ろを振り返り、
食器棚からカップ&ソーサーを取り出す、コーヒーが落ちきる前にコーヒーに背を向けるこの時の俺はまるでケンシロウのようだとよく思う。
コーヒーのほうから「待て、まだオレは落ちていないぞ!」と言う叫びに対し、

「おまえはもう出来ている」

と背を向けたままの返答と同時にフラスコ内にブブバババァァァ~
っと落ち切り、コーヒーは完成する。
とそんなことに悦に入る間もなく、今度は4名様ご来店。
ボックス席に座る。

と、間髪入れずに更にご新規1名様が来店。

着席後もしばしの間は上着を脱ぐなどの時間があるため、
ご新規への「お冷(ひや)提供」より先に、
3名様へのオーダー提供に向かう(ただしココアはあと2分30秒かかる)。

4名様のオーダーは、
・定番ブレンド(深煎り)とチョコレートケーキ
・定番ブレンド(中煎り)とチーズケーキ
・カフェオレ
・みかんジュースとカレーパン

そのすぐ後にいらっしゃった1名様は、定番ブレンド(深煎り)をご注文。

これらオーダーを受けたあとちょうどココアが完成。

さて、4名様のオーダーが少しバラけた・・・

何はともあれ鉄則にのっとってまずは、
・カレーパンのパンを焼く前のトースターを予熱開始
・カフェオレのミルクを熱する
・コーヒー2名分とカフェオレのコーヒー及び後からきた別の1名様のコーヒー、
計4人分のコーヒーを一気に作成。

4名様の全オーダー提供の後で1名様のオーダーを作り始めるとその1名様はかなりの時間お待ちいただくことになるため、ここは策を講じる。

先の4名様も全員コーヒーであれば問題はないのだが、
そうはいかない状況。
ここでやりがちなのが、
「4名様のうち2名の定番ブレンドと後から来た別の1名の定番ブレンドを先に作って出す」
→これは同席テーブル内の提供物にタイムラグが生まれるので避けたい。

また、
「先の4名様の全てのドリンク提供を終えたらケーキに行く前に後から来た別の1名様のコーヒーに移り、ケーキ提供を後回しにする」
→これもやりがちなのだが、例えば居酒屋で「とりあえずビール」はいいとしても、
でもそのままなかなか料理が出てこなくて「カラ酒」を長い時間飲んでいるのは嫌なものであるように、コーヒーとスイーツの提供もなるべくタイムラグはないようにしたい。

ではどうするか?

4名様のオーダーのうち、コーヒーカップ及びカフェオレカップ、つまり器だけを先に提供する。
あくまでも順番的には4名様を先にしたという行為は大切である。
その後すぐに別のテーブルにいる1名様のコーヒー(器だけではなく)を提供してしまう。
その間にカフェオレのミルクも温まり、その他の「みかんジュース」と共にコーヒー(の中身、当店ではサイフォンのまま提供)を持っていく。
このあたりで「チーン!」とカレーパンのパンが焼ける音がするはず。

今回の4名様は若い女性のお客さまで、リアクションがまさに打てば響くような人たちだ。

「わぁ、氷もジュースで作ってあるんだ!」
「サイフォンのまま自分で注ぐなんて初めて!1.5杯分?たっぷり入ってる!」
「このカレーパン、パンが器になってるんだ!ちょっと写真撮ってもいいですか?」

その後、カフェオレをポットで左右から注ぐ実演提供に「わぁ~!」

その直後、壁掛け時計がボーンと3回鳴り、一同「びっくりした~!」

と同時に天井の空がシュワ~っと暗くなり夜空には星が出てきてまた「わぁ~!」

どんなメディアや雑誌の取材、はたまたネットのクチコミより、
こうした現場でのダイレクトなリアクションこそが最高に嬉しく、
またこの店の魂というものが存在するのであれば、
その魂は喜びで店内を舞っているはずだ。

あ、お一人の男性のお客様がお帰りだ。

この人とはオーダーや会計の時しか言葉をかわしたこともないけれど、
紛れもなく大常連さん。
こっちから話しかけはしないけど「大好き光線」はいつも発しているつもりだ。
そして、お会計の後、ドアを開けるその人の背中に向かって心を込めて発するのは、

「ありがとうございました。またお待ちしております。」

さぁ洗い物が結構溜まってしまったぞ。
するとまた、


シャリーン



「いらっしゃいませ!お好きな席にどうぞ」






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