日本医師会は6月9日、公的な医療保険の給付範囲を縮小させる恐れがあるとして、営利企業が関与する組織的な医療ツーリズムや混合診療の全面解禁に反対する声明を出した。

 声明では、医療ツーリズムについて、診療報酬上の点数よりもはるかに高い金額を支払う外国人の富裕層が医療機関で優先的に扱われる一方、保険診療の日本人患者が後回しにされ、▽医療費の全額を自己負担しても優先的に検査や治療を受けたいという日本人患者が出てきて、自己負担できない患者との格差が生じる▽通院中の高所得者が、検査費用を自己負担するので優先的に受けたいと思うようになる-などの可能性を指摘。こうした流れが、混合診療の全面解禁を後押しすると懸念している。

 中川俊男副会長は、同日開かれた定例記者会見で、「日本人であれ外国人であれ、患者を診察、治療することは医師の当然の責務」と述べる一方、「日本人の保険診療の患者が締め出されたり、日本人を含む自由診療の患者が膨大な治療費を請求されていたりすれば問題だ」と指摘した。

 また、営利企業の関与に対しては、「外国人の富裕層をもっと受け入れるにはどうすればいいか、最初は相談に乗り、手伝いをし、最終的に実質的な経営権を持ってしまうことが十分あり得る」との危機感を示した。今後、医療ツーリズムへの対応について病院団体と意思疎通を図るという。

 医療ツーリズムをめぐっては、政府の行政刷新会議のライフイノベーションWG(ワーキンググループ)が4月に検討テーマに掲げており、これに対し日医は、医師や看護職員が不足する中、「現時点で検討に着手することは認められない」との見解を示していた。

■混合診療の禁止「法律で明記を」
 声明ではまた、混合診療が全面解禁されれば、医療費を支払えるのは「一定以上の所得者だけ」と指摘。現行の「保険外併用療養」の拡大などで対応するよう主張している。
 中川氏は会見で「混合診療原則禁止の法的根拠があいまい。法律で禁止を明記してほしい」と訴えた。


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