チャンショーと






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あっと言う間に九月

ブログをサボっている言い訳は置いといて

シーズンの終わりにチャンショーと釣り。


最初は、お気楽な沢でおっきなヤマメ釣りなんて話だったのだけれども

何の車のCMだったか

ヒトの1/4は冒険の遺伝子を持っているらしく

そうするとその遺伝子を二人とも持っている確率は1/16であると計算するのは、多分間違いで

この場合は2/2つまり100パーセントだったのだと言う事にしちゃって

お互いに以前から気にはなっていたけれども

今迄、足を踏み入れる事がなかった沢に。

1人ではとても行く気が起きなかった沢に。




林道起点で既に、先行者がいる事は分かっていたけれども

今日は釣果よりも、この沢への初挑戦と言う事に意味があるのだし、

後追いの釣りをする事に対する迷いは

おそらく二人とも

ほんのチョットしかなかったと思う。


子持ちの中年男にとって

愛人を三人囲うなんて事は

余程の甲斐性と経済力を要すると思うのだけれども

沢なら何本でも

なんなら日本全国、山があるトコロには必ず沢があるのだから

気が向いた時に好き沢に会いに行って

そりゃ、時にはご機嫌ナナメで追い返される事もあるけれど

そんな時は大人しい癒し系の沢に行ってみたり


だけど今日の沢は

素性がほとんど解らないから

取り敢えず2人で、その顔を覗けるだけでも良いのだ。


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などと言うキレイ事が釣り人に通用する筈もなく

ガッツリと悪戯してきたからこそ

心に残る釣りとなったのです。



鉤を外された悔しさも

秋の朱と戯れる喜びも

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土用入り




雨台風が去り

梅雨が明けて

土用入り。



強い陽射しは

生い茂った木々の葉が作る影を

いちだんと黒くして


一方で増水した川面を

覆い尽くした泡の白を輝かせる。





谷底には

生温かい南風と

沢水に冷やされた空気が

交互に行き交う。



雷鳴も

突如降り出した激しい雨も



それら全てが気持ち良い。



増水時の釣りは楽しい。

それが釣れるか釣れないかは

たいした問題じゃなくて

難しいゲームはより一層と熱中させる。




強い流れを跨いだ

岩盤沿いの僅かな緩い反転流に

差し込んで揺らした逆さ毛針には

少し金色を帯びたヤマメ。






こんな色の賞を貰った

遠い夏の日も

何かに熱中していたと思う。


それはもちろん記憶の片隅にはあるけれど

こんな日に蘇るのは

寧ろ体が記憶している

夏の日の、

このなんとも言えない気持ち良さ



そのなんともが何なのかを

言葉にしたくて本の中を探すけど

見つからない。


だからとりあえず

決まりきった挨拶で、

ごまかそうと思うけれども


暑中お見舞いなんてやめといて


暑中お祝い、申し上げます。



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熱中症

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A  暑いのヤダ
K  キツイ遡行もヤダ
B  ボサッ川もヤダ

 と言う訳でやって来たこの沢。

砂ダラケのダメ沢だけれども

一度だけ尺イワナが釣れた事もあり

期待半分、様子見半分で来てみた。

上流は林道もなく、広葉樹の原生林の中を流れる沢なのに、どうしてこうなっちゃったのか不思議だ。

もともと 水量が少ないせいなのかもしれない。

 沈み石なんてのも、みんな砂の中に埋まっているので

その一角が氷山の様に頭を出しているだけ。

 イワナの隠れ場所がない。

砂地に着いているイワナもいるけれど

そこが危険な場所であることを解っていて警戒心がとても強い。


沈み石がないので、ポイントは穴の中だろうと、

(毛鉤が)岩穴にはいらずんば岩魚を得ず

とばかりに岩魚が入っていそうな穴やスキマを中心に探っていく。


上手くスキマに毛鉤が吸い込まれて行ったかと思えば

今度は逆に砂地に着いていた岩魚がその毛鉤を見つけて追いつつも

そのスキマに隠れてしまうと言う本末転倒。


結局、この日一番大きなイワナは

穴でもスキマでもなく

小滝の下の泡の中から。

尺には届かないけれど、十分満足。

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去年の大雪の影響はこの沢にも。

倒木が多く遡行もけっこう疲れる。

思っていた以上にボサッ川だった為

毛鉤も何本か失う。



これといって落差のある滝もないのに、上の方はサッパリ魚影が無くなる。

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魚影が消えたところで引き返し、午後からは別の川に。

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もうすぐ土用入り、或いはまだ梅雨だと言うのに、

朱の入るヤマメが多かった。


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涼しい沢で猛暑を逃れたのは良いけれど

この夏も、テンカラ熱中症。



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ヤマメ釣り



ヤマメ釣りは、げに難しい

と思う今日この頃。


水が出て、少しはヤマメも戻って来たかなと

今年はめっきり来る事が減った源流風里川に。


細濁り、増水。

こういう時は、やっぱりアピール力のある大きめの逆さ毛鉤が良いと思い

これはフライの世界ではウェットフライと云う事になるのらしいのだけれど

水を含む前は浮いちゃったりもする。





だから、普通は一度水に馴染ませてから使うのだけれども

それすら面倒臭がるのは如何なモノかとも思うけれども

塩梅の良い瀬の流心脇の水面に置いてみれば

案の定、ゴミが流れている様にしか見えない。

好意的に見てもせいぜい死んだ蛾が流されている位だ。


ヤマメにはいったいそれが何に見えたのか解らないけれども

ガボンと咥えてくれたのは久々の良型ヤマメ。




ますます、ヤマメ釣りが解らなくなる。



渕尻にたむろするヤマメ達は気難しく

思った様には釣れないけれども

冷たい煙の谷で

時々ゆらりと揺れては輝き

しばし見惚れる。





そんな幻想の様な世界に身を置く時間が

人生には必要なのだと云う

古典的な言い訳を盾に

今日も釣りしてます。







増水で蘇った愛すべきドブ川の下流部

崖が崩れて新たなポイントが出来ている。


少し前に、オイカワを釣る多摩川の監視員、清水さんに会った。

かなり高齢の方だけど、未だに元気に自転車で多摩川を駆け回っている。

いつも土手から

『おーい!釣れたか~?』

のかけ声で、やり取りが始まる。


¥2,500の年券を手持ちの全財産¥2,163にマケてくれたからそう言うワケじゃないけれど

清水さんはイイ人だ。


いろんな人が来る多摩川で釣り券を売る仕事というのは

きっとイヤな思いをされる事も多いのじゃないかと思うけれど

ヘラも、ナマズも、コイも、アユも、そしてオイカワも

どんな釣り人にも温かいエールを送り続けている。


それは、そういう商売だからなのかもしれない。

でも、どうせ券を買うなら清水さんから買いたい。

そう思わせてくれる清水さんは

見習うべき、物凄いビジネスマンなのかも知れない。


下手な積極営業なんてする暇があったら

多摩川で釣りをしていた方がよっぽど為になるんだと言う

新手の言い訳を盾に

今日も釣りしてます。


泡の中




去年の雨の日の

ヤマメフィーバーの再来を夢見て

水量が戻った淵を腹まで浸かってよじ上る。


流れを跨いだその先の石がツルツルなのは承知の上だから

ゆっくりと重心を移して

しっかりと二本足で立ったトコロまでは記憶がある。

滑った覚えはない。

だけれども現に今

水流の中を横たわっているのだから

やっぱり滑ったのだろう。

下の淵に落ちるまでには

数秒とかからないだろうに

とても長い時間の様に感じる。

かと言って

何が見えているという事もなければ

体を自由に動かせる訳でもない

どうやら、身体は普通の時間と水流の中を流れているのに

脳だけは特別な時間を刻んでいる様だ。



体が縦になった。

と、云う事は

きっと今は落ちた淵の

泡の中だ。



泡と云えば、日経平均がリーマンショック後の底値から三倍程に膨れ上がっているみたいだけれど

好景気を実感している人なんて殆ど居ないだろうし

きっとこの泡が弾けるのはもう少し先の事なのだろうか

それほど世の中が浮かれたムードな訳でもないのだから。


かと言って、地に足が着いてるのかと云えば。

否、着いていない。


こういう時はジタバタとクロールは体力を消耗するだけだ。

バタフライなんて論外。

ゆっくりと平泳ぎで脱出しよう

泡の中から。



再びよじ上り、

苦行の様なの釣りだけれども

雨と蛭に誘われて

ヤマメは戻ってきてくれたみたいだ。








ボタンが掛からない。


長い間76cmであったウエストが

79cmになった記憶は何時の事だったのか

その後は一進一退ならぬ三進一退を繰り返し

そういえば最近G.U.で買ったパンツはたしか82cmだったであろうと

あやふやな記憶を信じてJマートで釣り用に買った

速乾カーゴパンツ(¥1,500也)のボタンが。



そのピチピチパツパツの

速乾パンツを履いて

あまり釣れない区間をパスする為に

少しだけ上流からの入渓を試みるが

怪しげな踏み痕に騙され

結局ロープ長ギリギリの懸垂下降を強いられたけれども

なんとか降り立った。


やっぱりいつもの所から入れば良かったと

最初から後悔の谷。



暗いゴルジュや滝場はにも

魚影は充分にあるのに

こんなにも釣りが難しかったのだろうかと思わせる程

毛鉤が嫌われる。


もっと明るい、穏やかな瀬で

のんびり釣りを愉しむことだって出来ただろうにと

やっぱり此処は後悔の谷。


唯一の救いは

中年男には若干キツめのこの溯行が

言葉の意味さえ知らなければ

ちょっと素敵な響きに聞こえなくも無い

メタボリック

の解消に少しは役立つだろうと云う事。



毛鉤は7号に落として

そんな事が本当に意味があるのか解らないけれど

気休めでもなんでもともかくそうして

大場所は程々にして

小さめの場所から6寸前後の後悔を拾い釣り。


なんとか、数は揃えたけれども

いつもは人の出入りが多いのであまり釣りをしない

林道に架かる橋から下流数百メートルは

恐らくはそこから稚魚放流が行われたのか

だとすれば、タンクローリー何台分撒いたのかと思わせる程の

三寸前後のおびただしい数の稚魚が淵尻にたむろして

無邪気に毛鉤に戯れ付く。


もちろん、そんな魚に合わせる事はしないけれど

ピックアップの為に振上げた毛鉤に飛ばされる小さな後悔は数知れず。


そんな小さな後悔を避けるべく

最後の滝釜は

最初から奥のエグレに

8号鉤に戻した毛鉤を放る。


一発で大きな影が飛び出し

浅い渕尻を一気に引き寄せたけれど

足元まで来て帰って行ったのは

9寸は越える、大きな後悔だった。



沢で、大物が釣れるかどうかと云う事は、

運と云うか、巡り合わせと云う要素が大きいと思う。

その貴重な巡り合わせの一尾を逃してしまうった事に

後悔はないと言いたいけれど、やっぱりちょっと残念。



きっと、ちゃんとは掛かっていなかったのだ。

推定28.5cmの後悔は

推定その三倍、85.5cmの

後悔の塊が詰まったお腹の

ボタンが掛からない様に。





背丈が三尺もある茎の上に付くマムシ草の花

余裕で尺上のギボウシの葉

群生する巨大化したクサソテツに

もはやコゴミの面影はないけれど、

大木となったウドの新葉は少しテンプラ用に頂く。




稲が植えられ、水が張られた田の周囲の

草木はすっかり夏模様のジャングルかと思いきや

まだ小さな山桜の花が咲いていたり

所々には雪も残る。


季節が混在する集落の裏山の山道を登り

Nと二人で滝の上に。


残雪の頃は降りられず、

初めて立った沢床は

幾つもに分岐し

期待を裏切る細い流れで

だけれども

ちょっとした淵では

大きなイワナが走る。


釣りをする様な沢ではなかった事は残念だったけれど

その姿を見られた事で満足し、

熱いコーヒーとブナの森を愉しんだ。


山道に多数あった

新鮮なあのモノや

多少乾いたあのモノに

Nがちょっと怯えている様なので

早々に立ち去ったが

またいつの日か此処に来る事もあるだろう。




釣りが出来ないのは少し寂しいので

ちょっとだけ、開けた林道沿いで

前日とはうってかわって

炎天下のイワナ釣りを。


後ろで釣られてご機嫌ナナメのNだけど

大丈夫、ヤツの機嫌は赤い温泉に連れていけば治る......ハズ。






本流を見る限りは渇水気味だと思ったのだけれども

それは発電の為、取水されている区間の話。

取水堰堤付近で車を止め

落石と倒木で車では通れなくなった

林道を歩く途中から見下ろす沢は

おそらくは昨日から降り続けている雨のせいもあって

濁りはさほどないものの

白泡の切れ目が無い程の

豪快な流れになっていた




天気予報では雨は止む筈だったけれど

山は別世界

林道起点付近でキャンプしていた

見るからにベテランの余裕を感じる釣り人達が放った

『今日は雨だから』

という言葉の方を信じた方が良かったのかも知れない。


Nとのこの沢での釣行は

去年の夏も雨に祟られた。


田舎の山奥だからといって

決してパラダイスの様な釣り場ではないし

毛鉤釣りにも良い状況ではないという事も承知の上。


それでも、この沢で釣りたいという思い入れは

もう自分一人の話ではなく

Nにとっても同じ事だったのかもしれない。





脇に残る僅かな淀みを中心に探り

何尾かの掛け損ないと幾度かの水没という犠牲の元に

なんとか一尾を手にした。




8寸を切る大きさだけれども

腹からヒレまでオレンジ色が入る

紛れもないこの沢のイワナを。


降りしきる雨と低温の中震えながら

朝方握って来たオニギリをむさぼり

もう帰ろうと、そんな話をしていたのだけれども、

どこか動物的な感性の持ち主であるNが空を見上げ、

いや、もう少しやろう

と言ったのは、決して無謀な試みではなく

その直後には空に薄日が差し始めた。






そのせいなのか、

たまたまその辺にイワナが多かっただけなのか

あるいは水が少し落ち着いてきたからなのか

理由は解らないけれども

再び雨脚が強まり山道に逃げ込むまでの

ほんの一時の間だけれども

相変わらず掛け損ないも多かったけれども

この沢本来の

イワナ釣りを楽しんだ。





林道にまで脱出した時には、

集落のある方の空は既に明るく

崖を登りこちらの様子を伺うカモシカに

Nが手を振ると、

あちらは首を振って応えてくれたとNは言う。


露を払っただけだろう、とか

そんな野暮は、イワナいの。




サザエにミソを突っ込んで、

つぼ焼きにしたら確かに旨そうだと

そう思ったのだけれども、

どうやらそうではなく

ミソサザイと言う小鳥の名前のことらしい。




そのミソサザイとやらの巣を見つけたのは

初めて一緒に釣りに行くY君で、

ヒゲさえ剃ればもっと若く見えるだろうに

それは人の事は言えないけれど

ともかく、良い型のイワナも釣れて

なんだかとても嬉しそうだ。



解禁時には丸裸だった山も

新緑の頃も過ぎて

すっかり濃緑の夏模様


去年はこの辺にもたくさん居た筈のヤマメだけれども

今年は最初の一尾





渇水気味の本沢で

イワナは底を這ってたり

岩陰に入って居たけれど


ポンポン釣るY君に




負けじと釣りをした。









雨が降ってもっと水が増えれば

或いは秋風が吹き出す頃になれば

きっと大きな魚も出てくれるのだろうけれど



そんな贅沢を言ってはいけないのかもしれない。



モミジイチゴも食べ頃の

愉快な季節の沢なのだから。