ふるさと納税の返礼品は寄付額の3割にとどめるべきとした総務省の通知に、自治体から悲痛な要請が出るに至りました。長野県安曇野市の宮沢宗弘市長は4月25日、記者会見を開き、今後も引き続きパソコンや時計などの資産性の高い品物を返礼品として送れるよう、総務省に要請したことを明らかにしました。

 ふるさと納税の返礼品をめぐっては、一部の自治体で換金性の高い商品券などを返礼品にする自治体が出たことをきっかけに、インターネットオークションなどを介した転売の横行が問題化。返礼率が7割など著しく高いものもあったため、総務省は4月1日に全国自治体に対し、電子・電気機器や商品券、時計といった資産性の高い品物を返礼品から外し、それ以外についても寄付額の3割を上限にするよう要請しました。

 あくまで要請であるため法的な拘束力などはないものの、高市早苗総務大臣は「要請に応じない自治体に対しては個別に働きかけてゆく」と強い口調で語り、自粛要請に従わない意向を示した長野県伊那市を「通知の趣旨にそぐわない」と名指しで批判するなど、自治体にとっては〝圧力〟がかけられているとも呼べる状況です。

 今回要請を出した安曇野市は、市内に国産パソコンを製造販売するVAIO社の工場があることから、2年前にふるさと納税の返礼品にパソコンを追加しました。その結果、寄付額は前年度の約500万円から145倍の約7億5千万円に急増。昨年度は8億円を超える寄付を集めましたが、その97%がパソコンなどを返礼品に指定した寄付だったそうです。

 すでに今年度予算にもふるさと納税による寄付を4億円と盛り込み、子育て支援事業などに充てているため、パソコンの返礼を取りやめれば代替財源が必要となります。宮沢市長は「パソコンは地元の製品で、返礼品に使うことは地元企業の育成や雇用創出にもつながる。国は自治体の実情を理解してほしい」と訴えました。

 総務省は上限規制を設けた理由として、返礼品送付による自治体の業務増や地元産業への過度なコスト負担を挙げていましたが、魅力的な返礼品を考え出して寄付をこれまで集めてきた地域にすれば、「余計なお世話」以外の何物でもないのかもしれません。
<情報提供:エヌピー通信社>

 

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