君は大道典嘉を知っているか!?
テーマ:その他その理由はただひとつで、オレが最も愛したチームが "すでにこの世にない" からだ。好きなチームがない人間にとって、野球を見るなんてのは苦行でしかない。
そう、オレが小学生の頃から好きで好きで追いかけまくっていたプロ野球チームは、今は亡き 南海ホークス だったのである!
この font color を見てわかる通り、ダッサイ緑色をシンボルカラーにしてるプロ野球チームなんて南海しか知らねえぞっていう。
オレは東京在住だった事もあり、幼稚園くらいの年齢の時は周囲のオトナに混じって巨人を応援していた記憶がある。しかしそれは 「周りが巨人を応援しているから」 という理由だけで、別に選手がどうのとか、勝ったから何という事はなかった。
しかし親父に連れられて行った (これまた今は亡き) 後楽園球場で運命の出会いがあったのだ!
ウチの親父は地元の少年野球の監督をやっていた事があるくらいの野球好きで、家族サービスという名の自己満足 (及びホットドック目当て) でたまに球場へ連れて行ってくれた。だが当時はまだ娯楽が少なかった時代であり、大好きな巨人戦のチケットなんざ中々買えないし、仮に買えたとしても外野スタンドの端っこなんて面白くも何ともない席に座るしかない。
そこで親父が代替案として手を出したのが、人気の巨人戦ではなく、同じく後楽園球場をホームに使っていた日ハム絡みの試合だったのである。
そう、ヤツは 「巨人戦を見たい」 という第一目標を捨てて、「とりあえず球場に家族を連れて行ってそれなりの席に座りさえすればいいだろう」 というトンデモレベルの下方修正をしやがったのだ。
そこで選ばれたのが 【日ハム―南海戦】 という
当時を代表する最悪の不人気カード
である。
我が親父ながら素晴らしい着眼点だと評すしかない。確かにこのカードなら抜群にいい席であっても空きに空いているだろう。実際に 「いつもTVで見る後楽園球場の巨人戦とは明らかに違う空間」 が広がっていた。なんて言うか寒々しかった。
珍プレー特集に出て来る "川崎市民の休憩所" こと "時代を先取りした漫画喫茶的空間" こと川崎球場のロッテ戦ほどじゃないにしろ、かの後楽園球場でも空席だらけという悪夢のようなカードである。
お陰で野球チームなんざどうでもよかったオレはのんびりと良い席に座って、後楽園球場名物のホットドックをかじり、まったりグッタリと野球観戦というハレの日を味わえたのである。
そのせいか、オレはそれ以来 "日ハムと南海" という2球団に好印象を持つようになった。流石に子供とはいえ、彼らなくしては有意義な野球観戦タイムを過ごせないとわかっていたのだ。
そんなよこしまな感情で応援し始めた日ハムと南海ではあるが、その内に地味ぃ~~な深緑色のビジター用ユニフォームを着てガラガラの球場を走り回る南海ホークスの選手達を本気で応援し始めるようになってしまった。ようはある日突然降って湧く恋心のようなもんである。
「そんな……単なるお友達だと思ってたのに……こんな気持ちなんて……ビクンビクン」
最後のビクンビクンの意味がよくわからんが、それ以降のオレは 「野球といえば南海!」 という、とても東京在住とは思えない嫌な子供になってしまい、同級生達と致命的なまでに話が合わず、野球の話題に入ろうと思っても 「お前はひとりで南海見てろよwww」 と嘲笑されるという酷い思いをするハメに。
っていうかね、東京の南海ファンにとっちゃ 「見てろよwww」 って言われても……
不人気で数字の取れない南海戦の中継なんか流れねえんだよ!西武と南海の試合をたまに日曜日の昼間に流すくらいの扱いだったんだボケナスが!
TV中継じゃ年に片手で数えるほどしか大好きな南海を見るチャンスがねえんだぞおい!
お陰でオレは苦境に立たされても信仰を捨てない隠れキリシタンかのようになってしまい、気付けば南海に対する想いが 「障害があった方が燃えるような恋になる」 的なメラメラと音を立てて燃え盛るレベルに。
思えばこの 「行き過ぎた判官贔屓」 は、後に 「SEGAマニア」 としてのオレに引き継がれるのだが、それはまた別の話。
だがそんな 「イジメイクナイ!」 な生活の中にも嬉しいひとときがあった。それが何かと言うならば、プロ野球カードである!
当時駄菓子屋(※コンビニなんか滅多にない時代) でプロ野球スナックを買うと漏れなくカードを引かせて貰えたのだが、そのカード収集&交換が子供達の間で大流行していたのだ。
当然一番人気は巨人で、他に阪神やライオンズ等も人気だったと記憶しているが、当たり前のように南海選手のカードを欲しがる気持ち悪いガキなどいるわけがない。お陰でオレは原辰徳1枚で南海選手のカードを大量にトレードしてもらうなど、それはそれは費用対効果に優れた収集活動を行っていたのである。
だがちょっとばかし問題もあった。オレはカードがモデルチェンジする度に毎回毎回必死で南海選手を集め続けたのだが、当時の野球カードは全ての球団の選手を平等に扱うわけじゃなく、人気球団のカードは種類豊富だが、南海やロッテのようなカス球団(おい) の枚数は妙に少なかったのだ!
これは差別だ!不人気球団差別だ!
だって競争相手がひとりもいないっていう有利な状況で必死こいて集めまくったのに、結局スタメンが揃わなかったんだぞコラ!カルビーは当時プロ野球カードの中に南海選手が何人入っていたのか情報公開しろ!外国人参政権とかの前に南海差別について街宣してやんぞボケ!
……そういえばカードに誰があったかなあ?投手陣ではW山内や加藤なんかは入ってた気がする。それと野手だと門田に香川のお約束オヤジ体型コンビがいて、定岡(定岡正二の兄で千葉ロッテの定岡卓摩の父親) はどうだったかなあ?後は鴻野とか、あれ?河野、おいおい、甲野?違うだろ!高野……幸野……香乃……広野……紅野……向野……香野……神野……
コウノが出ねえええええ!!!!!
またか!2010年になっても南海差別が続くのか!?河埜くらい変換させろや!あれだけ巷で褒めちぎられてるGoogle変換様ですら河埜が出て来ないっていう酷い現実に直面した!
そういや初代ファミスタでも同じような差別を受けましたよ。なんだよレールウェイズって。ユニフォームが深緑色だった点だけは評価するけど、いくらなんでも 「不人気パリーグ球団なんざひとまとめにしちまえ」 的なあの扱いはねえだろ。
まあそのお陰で現実のホークスでは絶対に味わえない超強キャラになったんだけどな!友人とのファミスタ対決の時にも、みんな普段の不遇を知っているから、誰もオレに対して 「レールウェイズ禁止」 なんて言わなかったし、むしろ 「荒井は南海しかないんだから許してやれよ」 なんて言ってもらえたし。
うん、今思うとアレだけは嬉しかった。(※巨人・阪神・フーズフーズ・レールウェイズ辺りが初代ファミスタのチートチーム)
しかし南海ファンにとっての最大の受難は経営元の相次ぐ撤退だよねえ。【南海鉄道→ダイエー→ソフトバンク】 と、「ホークス」 という単語自体は残してくれているものの昔の面影はなく。
しかもダイエー以降のホークスは選手をあまり大事にしないから、ファンの思い入れのある選手であっても平気であっちこっちに移りまくるのよ。有名どころだと主砲の小久保なんか意味不明のいざこざの挙句に巨人に無償トレード だしさ、それ以前に活躍していた吉永も巨人に行ったはいいけど飼い殺されてお終いだし。
そもそも南海がなくなって凹んでたオレの目に 「新しいダイエーホークスのユニフォームはこちらです!」 と、出来損ないのガッチャマンみたいな絶望的なまでにトチ狂ったユニフォームが飛び込んできた時はザ・ワールドが発動した。あの時は悲しいとか辛いとかじゃなく、完全に時間が止まって無になった。ヘルメットに目はねえだろ目は!
そんなこんなで、これだけ書き散らかせば 「いかに南海ホークスが素晴らしい球団か」 が情報弱者のお前らにも伝わったと思うけれども、そんな南海ホークス出身の現役選手が今もいるとしたら君はどうする!?
いや、別に大多数がどうもしないと思うけど、タイトルにある大道典嘉という選手こそが 「南海の最後のドラフト(87年) でプロ野球入りした現役選手」 なのである。
何年か前までは吉田豊彦が楽天にいたから南海の残党が2人残ってたんだけど、吉田が引退してしまったから今となっては大道しか 「南海に在籍経験のある現役選手」 がいないんだよね……。
その大道も現在40歳で、あと何年現役生活が続けられるかわからない。しかも所属しているチームがまさかの巨人である。
……いやいやホントだって。ウソじゃないって。なぜか 【南海→ダイエー→巨人で代打要員】 っていう吉永みたいなルートを辿って、未だに戦力外通告される事もなく現役なんだって!
しかも大道の凄さは現役年数だけじゃないぞ!
なんたって20年以上も現役生活を続けているのに
規定打席に達した事が一度しかないのだ!
これって逆に凄くないか?
23年間も現役を続けてて規定打席が1回だけって、他に例があるんだろうか?(ちなみに大道の規定打席到達は97年のダイエー時代)
しかも今となっちゃ殆ど代打でしか出てないのに、打率は2割5分をキープしてるといういいんだか悪いんだか的な数字で、おまけに言うと彼は特別足が速いわけでもなく、守備が上手いわけでもなく、バントの名手というわけでもなく、ダメ押しとばかりに本塁打数が極端に少ない。なんたって20年以上の現役生活の中で、打った本塁打数は60本だ。年間に平均するとたった3本だ。
こう言うといいところが全くないように感じなくもない。
大道は本当に不思議な選手で、ガタイはプロレスラーとして通用しそうなくらいデカイのに、放つヒットは殆どが単発で、左投手の時なんかにたまーに代打で出て来て、大きな身体をギュ~っとかがめて、高校球児並にバットを短く持って、コン……とボールを弾いて、一塁まで走ってその日のお仕事終了なのである。(一塁から先に走るのは他の人のお仕事な場合が多い)
この 「ホームランじゃなくバントでもない」 もしくは 「イチローのような鮮やかさがない」 ってのが、悪い言い方をするならば 「むしろ不恰好」 ってのが、大道にしか出来ない最高のプレイなんですよ!このカッコ良さがわかるかテメエら!
規定打席なんか達するわけもない出場頻度の腹の出たアラフォーのむさいオッサンが、大舞台なんだけど敗色濃厚ってな場面で出て来て、どんよりムードの中でポコン!といい具合にバットに当てて、必死こいてドタドタ走って、一塁ベースを踏んだらベンチに引っ込むっていうこの美学!
しかもそうやって大道が打つと不思議とチームが逆転勝ちするから面白い!
こんな味のありすぎる野球選手はいまどき他にいない。まさに "昭和の野球人" といったキャラ立ちである。今年の年棒は2700万円程度らしいんだけど、それでも巨人の1軍にいられて、定期的に試合に出てて、それでしっかりと見せ場も作れてるんだから凄いって。
大道は去年のCS~日本シリーズでも逆転勝利のキッカケを作るだけ作ってとっとと引っ込むなんて仕事人っぷりを何度も見せてくれているのだが、選手としては無名なままである。それがまた実に大道的すぎて涙が出て来るぜコンチクショウ!
もうね、お前らはこの動画を見ろ と。
大道は全国3億人の南海ファンの無念の涙を背負ってくれているんだと。
さらには珍しくTVで大道特集が流れた時のこんな動画も見ておけと。
その1
その2
王さんといい大道といい、なんだろうねこの名言の山は。
野球ってこういう味のある選手がもっと増えてくれて、昔みたいにチームごとにキャラが立ってくれないと、熱いドラマにゃならん気がするんだよ。人間のやる事なんだし、絶対的な数字(成績) だけを重視したってつまらないだろ?
大道は超有名な選手にはなれないだろうけど、間違いなく記憶には残る。きっと南海ファンだった人間なんかにとっては、大事な大事な誇らしい思い出として残り続ける。
大道の面白さは、古巣のホークス時代にはライバルが多すぎてそれほど活躍らしい活躍が出来なかったのに、よりシャレにならないライバル揃いであろう巨人に行ってから 「記憶に残る結果を出している」 って点にある。仕事人としての渋い実績を 「あの巨人で」 残しているという点が皮肉に満ちてて素晴らしいと思わないか?
門田みたいに40歳過ぎてから2冠+MVPを獲ったトンデモない南海出身選手もいたけど、今のオレはそういう派手な結果を出せた名選手よりも、大道の泥臭いカッコ良さに痺れる。
頼むから巨人は来年も大道を大事にしてくれ!オレはプロ野球には全く興味はないし、特に今の巨人なんぞどうなろうと知ったこっちゃないが、それでも大道の活躍にだけは興味があるんだ!
というわけで、この記事のコメント欄は全国3億人の南海ファンによる熱い書き込みで埋め尽くされる予定。








1 ■バナザード
子供の頃は大阪に住んでました。周りは阪神ファンばかりの中、クラスに南海ファンはおろかパ・リーグファンもロクにおらず。阪急の西宮球場、近鉄の日生球場、そして南海の大阪球場。ガラガラでしたよ!(これらの球場球団全部なくなりましたね)
李や高などの台湾人助っ人なんていましたね。久保寺が急死したときは泣きました。