百姓便り      2016・6月

田植えと同時進行で大豆の播種(種まき)も始まっています。

担当の“お豆大好き娘”は、ただいま育休中“お豆大好きママ”になり、かわいい王子さま(2ヶ月半)との時間をいっぱい楽しんでいます。

ということで、もう一人の担当 ベテランのおやじさんが 夏の枝豆用の黒大豆(たんくろう)、お豆腐や有機大粒納豆用のエンレイ、有機小粒納豆用のコスズ、農閑期の有機百姓もちで使う黒大豆(信濃黒)、さといらずという初栽培の緑色の大豆、計62枚 約17haの大豆畑で奮闘中です。

程良い雨降りに恵まれ、有機肥料でふかふかの畑の土の中に入ったお豆たちの発芽の不揃いの心配もなく、かわいい双葉の行列を見せてくれている畑もあります。

田植えは、折り返し地点を少し過ぎ6月18日の新大正糯で終わりますが、全ての圃場が有機栽培ですので、除草剤は使いません。草の種類や大きさを見計らって、いろんなタイプの除草機を使いこなす草抑え作業担当のミナミちゃんの腕にかかってきます。

今年は、コシヒカリ(中生のうるち米)、てんこもり(晩生のうるち米)、富の香(酒米)、黒米(古代米)、もち米のカグラモチと新大正糯、それらが有機認証された田んぼ136枚 約35haで丈夫に元気に育ってくれることでしょう。

有機野菜たちの畑は3.5ha。そして地力を回復させるためにマメ科のセスバニア、クロタラリアを育てる緑肥畑が2haです。

セスバニアの根っこは太く地中深く2mも伸びて通気性を上げてくれるので、水はけの悪い圃場の排水性が良くなります。そして、マメ科の根に住む根粒菌が植物の成長に不可欠な窒素を固定し、緑肥として漉き込む時の草丈が3mにもなるので、大量の有機物を入れることができ地力回復にはもってこいの大きな助っ人です。

なんと種子の名前はそのまんまの“田助”なんですよ。

クロタラリアもマメ科、手芸で使うヘンプの仲間で、きれいな繊維が取れるようです。どちらもカタカナ名ですので外国からやってきたのでしょう。

来年のお米作りの為にすくすく元気に育ってくれることを願っています。

“外国から”で少し気になる風景を目にすることはありませんか? 

観賞用や農業用に入って来て根付いた帰化植物に住処を追われ見かけなくなった日本固有の植物たちの行方です。この辺りでは去年までは他の草たちと混ざってかわいい実をぶら下げていたコバンソウが今年は道路際にぎっしりすき間なく並んでいます。ヨーロッパ原産で明治時代に観賞用として入って来た草で、余りの増殖のスピードにびっくりです。 

他の草たちと譲り合って、生態系を変えない程度でかわいい姿を見せていてほしいものです。

私達が蒔いた緑肥用の植物たちも、漉き込み時期に気をつけないといけませんね。

もうすぐ梅雨、うっとうしいですが、田んぼで舞うホタルの光を楽しみに気持ちいい汗をかきましょう。                               みうらよしこ