2005-10-01 04:06:45

二十一世紀の古典演劇

テーマ:劇評

青年団

「S高原から」

作・演出:平田オリザ

@こまばアゴラ劇場


「リアルな演劇」というコピーは知っていたけど、平田オリザ演出の青年団の芝居は今回が初見。

見て、

意外なほど青臭い演出にびっくりした。

確かに台詞は重なるけど、細かく計算されているのだろう、全部よく聞き取れる。

ラストで死ぬ(ように見える)福島とその恋人が、

「死なない?」

「(寝ぼけつつ)死なないよ」

と会話を交わすところなんて、

「あー、この恋人はここを『最後の会話』として美しく思い出すんだろうな」

って感じである。

ばりばりに月曜九時のドラマの切なさだ。これを昔は「リアル」と言ったのか。

大学の演劇の授業で古典劇を見に行ったような気分だった。


それまで「ニセS高原から」を見ていたにも関わらず、

最初のシーンで患者の区別がつかなかった。


他の三作(五反田団のみ見逃しました)では、

新入りで女に振られる村西の方がわりに軽薄で、西岡が泰然とした雰囲気にキャスティングされていた。

「S高原から」になると西岡の方がへらへらしている。

場違いなボケを何度もやったりして、村西に呆れられる役回りだ。


あんまりくっきり違ったので不思議だったんだけど、

終演後にパンフレットの平田オリザの言葉に目を通して、すこし謎が解けた。


「(「ニセS高原から」で)面白いというか、興味深かったのは、西岡という画家の役の取り扱いだった。

そもそもこの芝居は、

1991年、バブルの末期に、20年から30年後の日本社会を前提として書かれている。

この社会では、経済格差が大きく広がっており、このサナトリウムに入院している患者たちは、働かなくてもいい資産家の子供たちだ。」


この話って近未来の話だったんだ。そしてあの患者たち皆ぼんぼんだったんだ。

金持ちの子供たちだと考えると、ちょっとずつ変だった登場人物達の言動もだいぶ納得がいく。

これは、

パンフレットで予備知識を入れてから見る芝居だったのだ。

ますます大学の授業みたいだな。


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