ツール・ド・フランス第21ステージ
パリに至る最終日。ツール初完走を果たした日本人選手が最後まで魅せる
ツール・ド・フランス最終第21ステージは、恒例のパリ・シャンゼリゼゴールが登場。平坦コースのため実質的に総合成績は争われず、レースはマイヨジョーヌの凱旋的な意味合いが強い。シャンゼリゼ通りで集団スプリントが繰り広げられるのが通例だ。
選手たちは走りながら写真を撮ったり、隣の選手と話し込んだりと、グランツール最終日独特の和やかな雰囲気に包まれた集団で一路パリへ。日本人選手として初のツール完走が近づく新城幸也(Bboxブイグテレコム)と別府史之(スキル・シマノ)の2人は仲良く並走し、その姿を国際映像が何度も捉えた。
やがてパリが近づくとマイヨジョーヌ擁するアスタナが集団前方に上がり、156名の選手たちを率いてシャンゼリゼ周回コースへ。最後はパリのど真ん中、シャンゼリゼ大通り、コンコルド広場、テュイルリー庭園を通過する6.5kmの周回コースだ。
8周中、1周目からステージ優勝をかけた闘いが幕を明けた。別府史之がアタックを成功させると、アレクサンドル・ピショ(フランス、Bboxブイグテレコム)ら6名がこれに合流。7名で先頭グループを形成した。
通常、クリテリウム要素も強い平坦コースで逃げ切るのは困難を極める。しかし先頭7名は協力して35秒のリードを築き上げることに成功した。
メイン集団はスプリント勝負に持ち込みたいチームコロンビア・HTCがスピードアップを図り、周回を重ねる毎に先頭グループのリードを削り取っていく。結局、最後まで諦めずに逃げ続けた別府史之らは最終周回で吸収。別府史之はその熱い走りが評価され、最終ステージの敢闘賞に輝いた。
ステージ優勝の行方は、激しいポジション争いの末、スピードで他を圧倒したチームコロンビア・HTCがマーク・カヴェンディッシュ(イギリス)を発射。全く危なげなく、カヴェンディッシュが先頭でシャンゼリゼのゴールに飛び込んだ。
同集団でゴールしたアルベルト・コンタドール(スペイン、アスタナ)が総合優勝。ツールの未来を担うと期待されるアンディ・シュレク(ルクセンブルク、サクソバンク)が総合2位、そして3年半のブランクを経て現役復帰したランス・アームストロング(アメリカ、アスタナ)が総合3位でレースを終えている。
Bboxブイグテレコムはウィリアム・ボネ(フランス)がステージ10位。新城幸也は20位で最終ステージを終えた。シャンゼリゼ制覇の夢はカヴェンディッシュの圧倒的な力によって打ち砕かれたが、それでもステージ2勝という結果にはチーム首脳陣は大満足。今大会ステージ2勝を飾ったのはチームコロンビア・HTC、アスタナ、サクソバンク、サーヴェロ、Bboxブイグテレコムの5チームだけ。メンバー9名全員がパリまで辿り着いたのはBboxブイグテレコムを含めて6チームだけだ。
終わってみれば、日本人選手は新城幸也が日本人史上最高のステージ5位、別府史之がステージ7位&8位、そして最終日の敢闘賞。初出場の世界最高の舞台で、ただ完走だけを目標にするのではなく、それぞれ積極的に動いて結果を残した。この2人の活躍は、今後の日本ロードレース界にとって大きな布石になるだろう。日本を熱くさせた歴史的な3週間・3459.5kmに及ぶ長いは、こうしてエンディングを迎えた。
TEXT: Kei Tsuji