ダイレクト出版 小川忠洋オフィシャルブログ -5ページ目

2つのベーグルの話

by ロン・ローゼンバーグ

顧客の扱い方とあなたの会社に
対する顧客の印象とが、

会社として長期にわたり存続できるか
どうかに、劇的な影響を及ぼします。

顧客を扱う上でのあなたの態度が、
事業に大きな違いをもたらします。

顧客サービスが十分なレベルに達
していなければ、それが原因となり、
事業に行き詰まることになります。

わたしの家の近くには、2つの
国内ベーグル・チェーン店があり、
ほぼ同じくらいの距離にあります。

また、この2店舗は、基本的には
同じような品揃えで、

クリーム・チーズも同じような
種類を使っており、同じような
アイテムが揃っています。

しかし、この2店舗に共通している
ことは、そこまでです。

一方の店は、カウンターの後ろで
働くスタッフに、あまり
やる気が見られません。

わたしの順が来て、
カウンターに近づくと、

「はい、次の方」

というそっけないコトバで
迎えられます。

店員はめったに笑いません。

定期的に来るお客のことを
店員はまったく覚えていません。

接客の間中、言うことを
聞いてやっていると
いわんばかりの振舞いを見せます。

わたしは常に店員の接客態度に
がっかりしながら、店を出ます。

――たとえ、ベーグルが
最高に美味しかったとしても!

たいへん興味深いことに、
こうした接客態度は、この店だけに
限ったことではありません。

このフランチャイズチェーンの
いくつか他の店にも
行ったことがありますが、

そこでも同じようにやる気に
欠けた接客態度が見受けられました。

もう一方の店の店員の態度と
これとを比較してみましょう。

もう一方の店のオーナーたちは、
熱心で社交好きと言えるでしょう。

たとえばあるオーナーは、

いつも店にいて、顧客に挨拶をし、
働きながらお客と会話を楽しみ、

お客を古くからの友人で
あるかのように扱います。

店員は定期的に通ってくれる
お客さんのことを名前で呼び、

過去の注文内容を
覚えてくれていることもよくあります。

明るい気持ちになって少し
元気をもらっていつも店を出ます。

この2つのお店は、わたしの家から
まったく同じくらいの距離にあります。

いったい、わたしがどちらの店の
顧客になったかおわかりになりますか?

実際、こうしたサービスが受けられるのなら、
もう少し遠いところにお店が
あったとしても通うと思います。

たいへん興味深いことに、
2つのお店のマネージャーに
このことを伝えてみたら、

まったく異なる2つの
反応が得られました。

最初のお店からは、

「そうですね、コメントカード
(意見や感想を記入する用紙)に記入し、
区域の事務所に郵送してください」

という返事をもらいました。

2つめのお店からは、

「ありがとう!本当にこの仕事が
好きだし、お客さんのことも好きなんだ。

だから一生懸命にやることは
わたしたちにとっては
普通のことなんだよ!」

という返事をもらいました。

今日では、景気環境は
どの業界においても大差なく
ますます競争が激化しているので、

ライバル社より優れた競争力を
生み出し、維持していくことが
非常に重要となります。

顧客の扱い方とあなたの
会社に対する顧客の印象とが、

会社として長期にわたり存続できるか
どうかに、劇的な影響を及ぼします。