セカンドビギナーのゆるラン日記

40代はそれなりに記録をめざし、ウルトラマラソンをめざし、走っていました。しかし還暦近くなると、体のあちこちが痛くなり無理が効きません。そこで走る目標を変えて、ゆるゆると走ることにしました。そんなゆるランの様子を書いていきます。   by Ogaman(おがまん)


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(8)最後まで・・・

 エイドに到着して麦茶を飲みます。かなり喉が渇いていて、おかわりをして飲みます。

 パイプ椅子が置いてあり、座っている人もいます。私もそこで座ろうかという誘惑にかられます。

 ここで椅子に腰を下ろしたら、2度と立ち上がれないでしょう。そんな予感がします。すでに50km関門の閉鎖時間になっています。そこでリタイアした選手を拾った収容バスが、すぐにやってくるでしょう。

 だけど50km関門を通過した私たちには、まだ1時間近い時間が残されています。それなのに自らレースをやめることはできません。

 せめて54.5kmのレストステーションまでは行かなきゃ・・・。そう思い麦茶を飲み終えたあと屈伸運動をしてコースに戻りました。

 しかし苦しい走りは続いています。51kmは10分54秒、52kmは10分45秒。アップダウンが多くて上りは歩いているためラップが多少落ちる区間ですが、いつもならばせいぜい7分台でカバーしていく区間です。でも今の私にはこれが精一杯です。

 53kmも10分02秒、54kmも11分15秒と一向にペースが上がりません。60kmの関門閉鎖時刻まで40分を切っています。残り距離と今のペースを考えると、この関門を通過するのは至難の業です。昨年もそうした絶望的な状況だった70km地点からペースを上げてどうにか完走しましたが、それよりも厳しい状況になっています。

 ここまで自分からやめずに頑張ってきました。レストステーションに着いたら一息ついて、それからどうするか決めましょう。そう考えながらレストステーションのホテルグランディアサロマ湖に着きました。

 その入口のところで楽走412旭川の仲間2人が迎えてくれました。2人の姿を見ると、それまでは痛みに顔をしかめながら走っていたのですが、反射的に笑顔になってしまいます。手を振って声援に応えながら通過した後ろで、「笑っていたからまだ大丈夫」と話している声が聞こえました。

 そうなんですよ。どんな時も笑顔で走るのが私の求めるランニングスタイルです。痛みとの戦いの中ですっかり忘れていました。笑顔だけじゃなく、自分の目指しているランニングスタイルについてすっかり忘れていました。

 60km関門を通過するのが不可能だからレストステーションでリタイアする?そんなのは私が目指すランニングスタイルではありません。つねに全力で関門を目指すのが私のスタイルです。

 いや、それも違う・・・。

 関門に間に合うかどうかは関係ない。それを意識するから、関門に間に合わないという時点で気持ちが切れてしまいます。関門に間に合おうが間に合うまいが関係なく、全力で前に進むのが私の目指すスタイルです。私が発信したいスタイルです。

 そのことに気がついたとき、レストステーションで自らリタイアするという選択肢はなくなりました。

 スタート地点で預けた赤い袋を受け取り、エイドでおにぎりを2個ほおばります。それを麦茶で流し込み、袋をそのまま預けます。そしてレストステーションの出口のところで応援していたりんごちゃんとたまちゃんに応えてコースに戻りました。

 とはいえ、膝も腰も痛いので歩きと走りを交えることに変わりはありません。でも今の自分にできる精一杯の走りをして前に進みました。

 55kmは9分48秒、56kmは9分49秒、57kmは10分22秒、58kmは9分39秒、59kmは8分55秒、60kmは9分11秒・・・60km地点に到達したのは、スタートから7時間54分19秒後でした。すでに60km関門は閉鎖されており、ここで私の戦いは終わりました。

 収容バスでゴール地点まで戻り、仲間たちの到着を待って湧別経由で遠軽に戻ります。それから打ち上げです。

$Road to SAROMAN BLUE-打ち上げ


 昨年は5年ぶりの完走をしてようやく忘れかけていたサロマのゴールを思い出しました。今年も続いて完走をして、より自信を深めたいと思ったのですが・・・。

 サロマは私にとって相変わらず高い壁として立ちはだかるようです。でも今年は練習量も内容も十分とはとても言えませんでした。やはりサロマを完走するには、きっちりと練習をしなければ無理だということです。来年もまた一からやり直して、チャレンジャーとしてこの地に立ちたいと思います。(第29回大会完走記につづく)


(1)8回目の挑戦
(2)感謝の気持ち
(3)長い旅の始まり
(4)これ以上ないすべり出し
(5)タイムの貯金は・・・
(6)初めてのピンチ
(7)体の借金
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(7)体の借金

 ペースを落としても、右膝への負担が少なくなるフォームを模索しても、痛みは一向に楽になりません。仕方がない、非常事態です。コース脇に立ち止まり、ウエストポーチからスプレーを取り出して右膝にかけます。フェルビナク配合のおかげで、一瞬痛みはひいてくれて、走れるようになります。でもそれはあくまでも一瞬のこと。まもなくまた強い痛みが襲いかかってきます。

 この時ほどエイドステーションを嬉しく思ったことはありません。しかもどんどん気温が上昇しているため、エイドのスイカがとても美味しく感じられます。昨年の序盤は胃の調子が悪かったためスイカも食べられませんでした。でも今年はしっかり食べられます。膝の痛みさえなんとかなれば、体の調子は昨年よりもずっといいようです。

 35kmを過ぎてからはときどき上り坂も現れます。ここはホッと一息をつきながら歩きます。ただ膝の痛みのためいつものようなペースでは歩けません。それがちょっと気がかりです。

 痛みに耐えきれなくなると立ち止まってスプレーを使いまた走る。それを何度か繰り返しましたが、なかなかリズムが戻りません。ついに上りじゃなくても歩いてしまいます。

 歩くとまた痛みが少し楽になります。そうするとまた走りだします。でもまた痛みに耐えられなくなると歩く・・・ということの繰り返しになってきました。

 40kmの通過タイムは4時間42分44秒です。この間の5kmは41分37秒とかなりかかってしまいました。でもまだ昨年とほとんど変わらないタイムです。まだ膝さえ回復すれば十分に完走できるはずです。とにかく前に進みます。

 でも心の余裕はなくなってきました。沿道の声援にもなかなか応えられないときもあります。痛みに苦しみしかめっ面をしているときもあります。すっかり自分を見失いながら走っていました。

 でもひとつだけ失わないようにしていたことがあります。それは自分からレースを投げ出すようなことはけっしてしないこと。後から後悔をするような心が折れるレースはしないこと。それだけは自分に言い聞かせながら走っていました。

 月見が浜に入ると応援の人の数が増えます。知り合いの応援を受けると一瞬痛みを忘れて笑顔になれます。でもその笑顔には力が入っていないことが自分にもわかります。

$Road to SAROMAN BLUE-月見が浜


 次々と抜かれていきます。抜いていく人もけっしてスピード感があるわけではありません。でも誰ひとりとして諦めている様子の人はいません。今までの私はこのあたりで早々と諦めていたかもしれません。でも今の私は諦めるということを忘れています。とにかく前を目指して走り続けます。

 月見が浜を抜けて再び国道に出ます。相変わらず膝の痛みは消えません。というより、ますますひどくなってきます。走ったり歩いたりしながら前を目指しますが、なかなか展望が開けてきません。

 45kmの通過タイムは5時間27分50秒。この間の5kmは45分06秒です。ついにキロ9分を超えました。もはやワッカペースです。

 冷静な部分の私は、これだけペースが落ちたら完走は厳しいのではないかと私に囁きます。でもその声に耳を貸してしまっては、リタイア続きだった頃の自分に戻ってしまいます。必ず膝の痛みが消えて・・・消えなくともその痛みに慣れて走れるようなときがやってくるはず。その復活を信じてひたすら前を目指します。

 でもそんなに簡単に復活は訪れません。痛みはますます強くなってきた上に、スプレーも使い切ってしまいました。

 50kmの通過タイムは6時間13分39秒。この間の5kmは45分49秒です。どうにかキロ9分そこそこのペースを維持するのが精一杯です。

 50km関門は閉鎖まで16分あまりを残して通過しました。でも60km関門の閉鎖時間まで1時間21分21秒しかありません。ここでペースを上げなければ間に合いません。

 だけど頑固な膝の痛みが消えるだろうか・・・。それに加えて腰の痛みも強くなってきました。この状態でペースを上げるのは至難の業です。ここで無理をして膝や腰を痛めてしまうと今後のレースに影響が出るかもしれません。それならいっそのこと50km関門でリタイアすべきだったかも・・・。そんな思いも出てきます。

 腰痛は覚悟をしていましたが、この膝痛はノーマークでした。どうしてこんなことになったのでしょう。序盤、昨年よりも貯金を作って走っていたことが原因でしょうか。金哲彦さんの言うように、タイムの貯金が体の借金となってしまったのかもしれません。

 この先、52kmくらいにはエイドもあります。そこでリタイアを申し出る手もあるかもしれません。そんな考えも頭に浮かびました。(つづく)


(8)最後まで・・・


(1)8回目の挑戦
(2)感謝の気持ち
(3)長い旅の始まり
(4)これ以上ないすべり出し
(5)タイムの貯金は・・・
(6)初めてのピンチ
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(6)初めてのピンチ

 そんなに昨年以上の貯金を作っていることに気づいていない私は、トイレからコースに復帰した後も快調なペースで走ります。

 20km過ぎのエイドには食べ物も出てきます。昨年は痛み止めを飲んでスタートした影響か、胃の調子が悪くて特に前半はあまり食べられませんでした。でも今年のスタート前に使った痛み止めは座薬です。そのためかここまで胃の調子は問題ありません。ありがたくバナナをいただきました。

 往路を走るランナーは徐々に少なくなっていき、やがて終末車も走っていきました。すると往路側にある日陰を求めてそちらを走るランナーが増えてきます。私もそちらに行き日陰を走りました。

 でも両側に広がる形で走っているとときおりやってくる大会関係車両の通行に支障をきたしているようです。私は日陰を離れ、それ以降は左側車線を走りました。

 20km過ぎまでは順調でしたが、このあたりから少しずつ腰の痛みを感じ始めます。ついにやってきたかと思いましたが、ここまではまったく痛みを感じずに走れたのですから悪くはありません。しかもまだ痛み止めは十分に効いていますからそんなにつらい痛みでもありません。「大丈夫、この痛みは気のせいだ」と自分に言い聞かせながら走ります。

 日なたを走っているせいか、だんだん暑さを感じるようになります。でも時刻はまだ午前8時前です。まだまだ涼しい時間帯です。今年はやはり暑くなりそうです。

 25kmの通過タイムは2時間51分20秒でした。この間の5kmは36分ちょうどです。トイレのロスタイムは計っていませんでしたが、多少並んで待ちましたので2~3分はかかったと思います。相変わらずいいペースを保っているようです。

 このあたりで同じLRS北海道のアオイちゃんと一緒になりました。二言三言、言葉を交わしながら遠くのゴールを目指します。

 やがてコースはいったんサロマ湖畔を離れます。このあたりはさまざまなチームからの応援の人たちが詰めかけていて、パワーをもらえるところです。りんごちゃんとたまちゃんからの応援も受けることができました。

$Road to SAROMAN BLUE-30km付近


 腰の痛みは出たり引っ込んだりしていますが、いまのところ走ることに影響はなさそうです。周りの流れと比べても自分が特に遅れているという感じではありません。ここまでは順調にきています。

 30kmの通過タイムは3時間25分26秒でした。この間の5kmは34分06秒です。若干遅くなっていますが問題となるような遅れではありません。

 30km地点を過ぎてまもなく給水所があります。そしてここには一番手前側にスペシャルテーブルもあります。私は特にスペシャルドリンクは用意していませんが、エイドスタッフの中学生でしょうか、テーブルのかなり手前まで出てきて「スペシャルドリンクがある方はいますか」と大声を張り上げています。そしてそれに応える人がいると、そのランナーのナンバーを大声で告げています。するとその数m先にいるスタッフがまたそのナンバーを告げるという形で声のリレーをしていました。スペシャルドリンクを用意しているランナーにロスなく渡すための工夫でしょう。こうして私たちはすべてのスタッフの皆さんの力を借りて走らせてもらっているということを改めて強く感じた光景でした。

 給水所のたびに口を湿らせながらきていますが、かなりのども渇いてきました。いくらのどが渇いたといっても一気飲みはいけません。意識してちびちびと飲みました。

 広い畑が広がる光景の中を走りながら国道に出ます。すると突然、このあたりで異変を感じ始めました。右膝から激しい痛みを感じ始めたのです。

 20km過ぎから腰の痛みはマークしながら走っていました。だましだまし走りうまく封じ込めてきたつもりです。膝痛自体は、特に右膝痛は昔から付き合っていますから、対処には比較的慣れています。

 ところが今回の膝痛はいつものとは違っていました。膝の奥の方から激しい痛みが襲ってきます。ペースを維持することは難しくなり、スピードを落とすことを余儀なくされました。

 ペースを落とせば痛みも楽になるだろう。そうして復活したら徐々にペースを戻していこう。そう思いました。

 でも思うようにはいきません。ペースを落としても痛みは軽くなりません。ちょっと焦る気持ちも出てきました。

 痛み止めが切れたときに飲もうと思って持ってきた薬を飲むか?いや、まだ早すぎます。これは後半どうにもならなくなったときに飲もうと思って持ってきたものです。まだ飲むわけにはいきません。現に腰の痛みはさほどではないし、右手首はまったく痛んでいません。間違いなく薬は効いています。効いているのに右膝は痛んでいるのです。

 35kmの通過タイムは4時間01分07秒です。この間の5kmは35分41秒と時間がかかるようになってきました。ここまで順調に来ましたが初めてのピンチがやってきました。でも100kmもの長丁場を走る中では、必ず途中でこうしたピンチがあります。リタイアが続いた頃はこうしたピンチであっさりと心が折れてしまいましたが、耐えていれば復活の時がやってくることを昨年しっかりと理解しました。けっして心は折れないように自分を戒めます。

 しかし・・・ペースを落としても右膝の痛みは薄れるどころかますます痛くなってきました。(つづく)


(7)体の借金


(1)8回目の挑戦
(2)感謝の気持ち
(3)長い旅の始まり
(4)これ以上ないすべり出し
(5)タイムの貯金は・・・
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