セカンドビギナーのランニング日記(Road to SAROMAN BLUE)

サロマンブルー。それはサロマ湖100kmウルトラマラソン(100kmの部)を10回完走した勇者に与えられる称号です。いつの日か胸にブルーのゼッケンをつけてサロマ路を走ることを夢見ています。   by Ogaman(おがまん)


テーマ:
(7)終わりよければすべてよし

 残り3km。いつもの練習コースを思い浮かべると、もうすぐゴールと思える距離です。でもここまでの体力の消耗が大きく、足がなかなか上がりません。それに加えて左足裏のマメの痛みはどんどん大きくなってきます。

 「暑くありませんか?」

 沿道からそんな声がかかります。一瞬迷いましたが、

 「大丈夫、暑くありません」

 と、左手を振りながら応えます。

 直後にまた同じ言葉をかけているのが聞こえます。

 「暑くありませんか?」

 「暑いっすよ~」

 その声は、どうやらくまのプーさんです。私の方が前を走っていたと思っていたら、直後まで追い上げられていたようです。やはりその直後に私に並びかけてきて、二言三言言葉を交わした後に私を抜いていきました。ついていく足はもう私にはありませんでした。

 それから間もなく、

 「やっと追いついた~」

 という声が後ろからかかります。横に並んだ姿を見るとカナダさんでした。こうしてレース中にお会いしたのは久しぶりかもしれません。

 「時計がないので、ペースが全然わからないんですよ」

 「いま、4分50秒くらいですよ」

 「あ~、そんなに速いならこれ以上無理しなくていいや」

 カナダさんは颯爽と抜いていきました。

 キロ4分50秒くらいのペースならば、これ以上無理をしてあげる必要はありません。このペースを維持していくことを考えるだけです。足が上がらないことを、左足裏が痛いことを隠して、笑顔で手を振りながら走るだけです。

 コースは左折をしてゴールの中央公園を目指します。残りは数百mです。ここまで大きな失速もなく走ってきました。もしかすると3年ぶりに1時間50分を切れるかも。そんな期待もあります。

 ゴールまであとわずかということで、ラストスパートをするランナーも増えてきました。私自身、ペースはそんなに変わっていないはずですが、次々と抜かれていきます。でも私はラストスパートをしません。ここで無理なスパートをして心臓に負担をかけることは危険ですから。そして沿道で迎えてくれる応援の皆さんにしっかりと応えながら走りたいですから。そう自分に言い聞かせながら走っていました。

 もちろん、スパートしなかったのではなく、できなかったのですが(笑)。ペースを維持するのが精一杯で、スパートなどとてもできる状態にありませんでした。

 最後の交差点を右折すると、目の前にゴールゲートが現れます。横にある時計は1時間49分台であることを示しています。

 やりました!

 練習不足で完走も危ういのではないかと思っていたのに、しかも時計を忘れて自分のペースもわからずに走っていたのに、3年ぶりの110分切りです。私は両手を思いっきり突き上げてゴールしました。

 1時間49分26秒。1時間50分を大きく切ったのではなく、ギリギリ切れたというのがいかにも自分らしいタイムです。でも今の私にこのタイムを出せたということは、まさに会心の一撃でした。私の頭の上のスライムはいつも変わらぬ表情ですが、このときの私はスライム以上のドヤ顔をしていたことでしょう。

 走り終えたあとは完走証を受け取り、痛む左足を引きずりながらホテルに向かいます。ホテルの大浴場でゆっくりと温泉に浸かった後、幕別の孫姫のところに向かいます。孫姫は熱も下がり、すっかり元気になっていました。

 それを見て安心して家路につく・・・はずでしたが、突然の気まぐれで隣町の豊頃に向かい、朝日堂のアメリカンドーナツを買ってきました。

Road to SAROMAN BLUE-朝日堂

Road to SAROMAN BLUE-朝日堂のお土産


 自宅用のお土産と娘たち用のお土産を買い、再び娘の家に立ち寄って孫姫たちの顔を見ます。そしてドーナツを渡し、今度こそ留萌に向かいました。

 途中、清水町のドライブインいとうに寄って二階建て豚丼を食べます。走って腹が減ったときは最高の栄養補給です。

Road to SAROMAN BLUE-ドライブインいとう

Road to SAROMAN BLUE-二階建て豚丼


 それから留萌まで延々と続く1人ドライブ。豊頃まで行ったために連日の320kmドライブとなってしまいました。前日の320kmドライブとこの日のハーフマラソン。さすがに帰りの運転はつらかったのですが、ここでは何もアクシデントがなく自宅に帰り着きました。

 3月の転倒以来、すっかり歯車が狂ってしまって満足な走りをほとんどできなかった1年でしたが、終わりよければすべてよしです。フードバレーとかちマラソンの会心の走りは、まだまだやれると私の中の自信も目覚めさせてくれました。

 来年は、今年よりちょびっと進化した私の姿を皆さんにご覧いただけるよう頑張りたいと思います。(おわり)


(1)いきなりのアクシデント
(2)アクシデントは続く
(3)出走決定
(4)練習不足は嘘つかない
(5)高まる不安
(6)走り出した僕らには、目指すべき場所がある
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(6)走り出した僕らには、目指すべき場所がある

 利尻といい北海道マラソンといい、今年はレースの後半で大失速を演じてしまうことが多くなっています。今日はフルやウルトラじゃなくハーフだから大丈夫、と思っていますが、いかんせん練習不足です。ハーフマラソンを甘く見ていたらしっぺい返しを食らうでしょう。今年最後のレースは気持ちよく走り終えたいところです。なんとしても最後まで気持ちを切らさずしっかりと走りきろうと、自分に気合を入れました。

 沿道からの声援に応えつつ帯広南商業高校に差しかかります。すると左側のエリアで帯広南商業高校の吹奏楽部の皆さんが演奏をしており、その横ではバトントワラー部の皆さんが応援をしてくれています。弱りかけたオジサンランナーには格好のカンフル剤です(笑)。皆さんに「ありがとう~」と言いながら手を振って通過します。時計がないのが残念ですが、この間の1kmはもしかすると最速ラップを記録していたかもしれません(笑)。

 足は重くなっていますが、まだどうにか失速は踏みとどまっています。往路よりも復路の方が沿道の応援も多く感じ、「スライム~」と声をかけられると嘘でも元気なふりをしないわけにはいきません。

 ふと沿道を見ると、「帯広もハイタッチ無料」と書かれたボードを持っている人がいました。もちろんしっかりとハイタッチをしたことは言うまでもありません。

 北海道マラソンが北海道大学の構内を走るようになった2009年から昨年まで、北大の学生さんたちによる「北海道大学北海道マラソン応援プロジェクト」が実施されました。2011年の北海道マラソン前に、北大の学内広報誌「えるむ」に寄稿する機会をいただき学生向けのメッセージを書きました。

北大OBランナー母校を走る

 その打ち合わせをしている段階で私がそれまでの大会で特に印象に残っていた応援方法を話しました。その中のひとつに、2007年の湘南国際マラソンのときに見かけた「ハイタッチ無料」と書かれたボードのことをお話しました。

 すると学生さんたちはそれを大変面白がってくれたようで、その年の北海道マラソンの時には早速「ハイタッチ無料」のボードが登場したのです。昨年の北海道マラソンでもこのボードは登場し、わずかな間に北海道マラソンの名物応援のひとつとなっていました。

 今年は事情により応援プロジェクトが実施されなかったのですが、新たに帯広にも「ハイタッチ無料」が飛び火したようです。北海道に「ハイタッチ無料」を持ち込んだ者として、これは大変嬉しい出来事でした。来年はぜひ、もっともっと広がってほしいと思います。

 15km地点を通過して間もなく白樺通に入ります。この長い直線を終えるとゴールは間もなくです。アルバータ通から白樺通へと右折するときは、沿道の皆さんに上機嫌で手を振りながら回りました。

 しかしその上機嫌も長くは続きませんでした。左足の裏に異変を感じるようになったのです。

 この感じは・・・まずい!残りの距離は5kmあまりだから最後まで問題がなければいいけど・・・。

 左足の裏に妙な熱さを感じていたのですが、それがはっきりと形になってきました。そう、これはマメができる前触れです。いや、ここまで兆候があっても気づかないふりをしていました。でももうこれはマメができ始めている状況でしょう。

 やらかしてしまいました。じつは朝、靴下を履いてからディクトンスポーツを塗ってないことに気づいたのです。でも靴下を脱ぐのが面倒で、「ハーフだから大丈夫」と塗らないままにしてしまいました。出発前、入れ忘れていたことに気づいてカバンに入れたディクトンスポーツだったのに・・・。あのまま忘れてきたのなら諦めもつきますが、せっかく持ってきたのに使わなかったというのがなんとも悔やまれます。

 かといって顔をしかめていられません。スライムにはしかめっ面は似合いませんから。沿道からの声援に応え、またときにはこちらから手を振って声援をもらうきっかけを作りながら、次の目的地である西陵中学校の私設エイドを目指します。

 その前に、帯広しんきん開西支店と柏林台支店の私設エイドがあります。せっかくの私設エイドだから寄りたいのはやまやまですが、今回は西陵中学校エイドでホットレモネードを飲むと決めています。ですからお礼を言うだけで通過しました。

 まもなく18km地点付近にさしかかります。お目当ての西陵中学校エイドが近づいてきました。元気に応援してくれる生徒さんたちにこちらも元気にお礼を言い、テントでホットレモネードを受け取ります。そして口の中に流し込みました。

 レモネードの爽やかさが口の中に広がります。最後の力が湧き上がってくるような感じがします。飲む時にこぼれたレモネードが手や顔につきちょっとべたつく感じがしましたが、間もなく給水所がありました。ここで水をもらってべたついているところを水で洗い流します。

 残りは3kmを切っています。もう一息です。でも足はかなり重くなってきました。左足裏のマメの痛みもどんどん増してきています。でもせっかくここまでいい走りをしてきたのだから、最後まで気持ちよく走りきりたいところです。走り出した僕らには、目指すべき場所があるのですから。(つづく)


(7)終わりよければすべてよし


(1)いきなりのアクシデント
(2)アクシデントは続く
(3)出走決定
(4)練習不足は嘘つかない
(5)高まる不安
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(5)高まる不安

 ひとまずこれ以上ペースを上げないようにしようと思いましたが、特にペースダウンを意識することはありませんでした。ペースを上げるか下げるかではなく、今の自分がもっともストレスなく走れるペースで走ることを選びました。どうせ時計を持っていないのだから、ペースが上がったか下がったかなんてわかりません。それなのにペースが速いか遅いかを考えても仕方ないと思ったのです。無理なく楽に走っている、という感覚だけを大切にして走ります。

 気温が上がってきているせいか、喉の渇きを感じます。そういえば、起きてからここまで水分の摂取をあまりしていません。これがフルマラソン以上の距離ならば数日前からウォーターローディングをするのですが、ハーフマラソンということでちょっと油断をしてしまったか、水分摂取についてあまり意識をしていませんでした。相変わらずの油断癖にまたまた痛い目を見てしまいました。

 帯広市内の主要道路のひとつである白樺通。ここに交通規制をかけて走れるというのはとてもありがたいことです。しかも沿道には応援の人並みが途切れません。私の方を指差して笑っている子供に手を振ると、手を振り返してくれます。「スライム頑張れ~」と声をかけてくれる大人にも大きく手を振って「ありがとう~」と答えます。そんな沿道からの声援に力をもらいながら白樺通を左折してアルバータ通に入りました。

 アルバータ通に入ると間もなく最初の給水所があります。喉の渇きを感じていただけに、待ち遠しく感じていた給水所です。水のテーブルでコップをひとつもらって口にします。

 ・・・おやっ?

 底の方の3分の1くらい、一口にも満たないような量しか水が入っていませんでした。残念!もう給水テーブルはありませんから、次の給水まで耐えるしかありません。それでも多少なりとも喉を湿らせることができて少し生き返りました。

 突き当りのT字路を左折して帯広の森に向かいます。ランナーの密度はスタート直後と比べるとかなり低くなっています。片側2車線の幅広いコースで緩やかに右にカーブをしています。そのため右側に寄って走るランナーがほとんどです。でも私は左車線に残って、左側の歩道で応援してくれる方々に応えながら走ります。スライムをかぶっているのだから、このくらいのことはしなければなりません。

 帯広南商業高校の付近を通るとき、反対車線の沿道にいる多くの女子高生からも声援が届きます。復路の13km過ぎで帯広南商業高校のバトントワラー部と吹奏楽部の応援があると書かれていました。きっとその女子高生たちでしょう。反対車線にも大きく手を振って通過しました。

 右折して栄通りに入りますと、急な上り坂となります。比較的平坦なコースの中で唯一のアップダウンです。コース前半の最大の山場です。でも幸い上り坂は得意にしている私。留萌に住むようになってから普段から坂道を走っています。ですからこの程度の上りは苦になりません。おかげでけっこう抜きながら上っていくことができます。

 急坂区間を終えて緩やかな上り坂を折り返し点に向かう途中に10km地点があります。時計がないためペースはわかりませんが、それほど悪いペースじゃないと思います。2時間を切るペースでは走れているでしょう。うまくいくと1時間50分を切れるかもしれない。そう思いながら走っていました。

 やがて折り返し点が見えてきます。折り返し点を囲んでいる応援の人々からも「スライム~」と声をかけられ、「ありがとう~」と答えながら折り返し点を回ります。

 回ってからしばらくは往路のランナーとすれ違いながら走ります。往路をやってくるりんごちゃん、HITOMIさんらとも手を振ってすれ違います。さらに素敵な笑顔で走るhiromさんとakomさんともすれ違います。それほど大きな差がついているわけじゃありませんから、私が失速したらたちまち捕まってしまうでしょう。捕まらないように頑張ろうと気合を入れました。

 途中でいったん左折して野球場方面に向かいます。そこには給水所もあります。今度はスポーツドリンクを補給して折り返しました。

 再び栄通りに戻ると往路の最大のポイントだった坂道です。今度は下りですから上りのようには苦しみません。でも足への負担は増しますから、3km過ぎから足が重くなっている私にはかえってきついかもしれません。

 とはいえここでブレーキをかけるわけにはいきません。スピードに乗って坂を下りきり、そこを左折してアルバータ通に入りました。コースの高低図を見るとゆっくりとした下り坂です。でもここまでが急坂だっただけに、逆に上り坂になったような錯覚を覚えます。そうすると急に足が重くなってきました。

 残りは10kmを切っているとはいえ、なにしろ練習不足の身。いつどのタイミングで失速するかわかりません。徐々に不安が高まってきました。(つづく)


(6)走り出した僕らには、目指すべき場所がある


(1)いきなりのアクシデント
(2)アクシデントは続く
(3)出走決定
(4)練習不足は嘘つかない
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