セカンドビギナーのランニング日記(Road to SAROMAN BLUE)

サロマンブルー。それはサロマ湖100kmウルトラマラソン(100kmの部)を10回完走した勇者に与えられる称号です。いつの日か胸にブルーのゼッケンをつけてサロマ路を走ることを夢見ています。   by Ogaman(おがまん)


テーマ:

(18)Road to SAROMA 2013


 この瞬間を夢見ていました。


Road to SAROMAN BLUE-ゴール

 もう2度とここに帰ってくることはできないのではないかと思うこともありました。


 自分がここにきたことがあるということさえ、現実のことではなかったのではないかとも思いました。


 でも、とうとう100km先のゴールラインに、今到達しました。


 左前方から「Ogamanさん」と呼ぶ声が聞こえます。ランナーズのカメラマンの方でした。ゴールラインを越えてからもポーズをとって写真を撮ってもらいます。それから振り返って深々と一礼をします。この13時間のことが、走馬燈のように頭の中を駆け巡りました。


 ゴールの奥はものすごい混雑ぶりでした。これまで完走した2回は、いずれもすぐに完走メダルをかけてもらい、奥のテントでタオルと食券を受け取ることができました。しかし今年は完走メダルが追いつかないようで、詰まっていたようです。おかげでカメラのタカハシで販売しているゴール写真も、今までになく賑やかな写真となっていました。


Road to SAROMAN BLUE-ゴール

 私のちょっと前にゴールしていたマミックさんもそこにいました。一緒に談笑しながら完走メダルを待ちます。そうしている間に、Iさん、Chamaさん、なべちゃん、アンジェラユカさんと、続々とゴールしてきました。


 突然どよめきが起こります。振り返ってみると、ゴールゲイトの時計は13時間を超えていました。そしてゴールラインの手前にはまだランナーが・・・。


 無情です。13時間も走ってきたのにほんの数秒及ばず・・・。99.99km以上走ってきたのにほんの数m及ばず・・・。正式リザルトを見ても、13時間を超えたランナーはやはり記録されていませんでした。仕方がないこととはいえ、その無念さを思うと・・・。


 やがて私たちにも完走メダルがかけられました。完走メダルは今年からデザインが変わっていて、今までのものよりも重くなっていました。マミックさんとともに記念写真にもおさまりました。


Road to SAROMAN BLUE-ゴール後

 ゴールのエリアから出ると、スポーツ報知のMさんもいました。ゴール直後の写真を撮っていただき、コメントも求められます。このときの写真は、2日後のスポーツ報知に「笑顔MVP」として掲載されました。


Road to SAROMAN BLUE-笑顔MVP

 食券を使って食事をしようと思い麺類のブースに並びましたが、残念ながら予定数終了を告げられます。まだカレーと弁当のブースは行列がありましたが、ごはんを食べられる胃の状態ではなく、食事は諦めました。


 次にゴールFAXを見に行きます。5年前はせっかく完走したというのに、取りに行くのを忘れてしまいました。今年はしっかりと受け取りました。


 忘れないうちにブログに完走報告をします。長い間、応援してくれる皆さんの期待に応えられず申し訳ない思いをしてきました。この完走報告をするために頑張ってきました。ほんの一言の完走報告でしたが、至福の瞬間でした。


 それから荷物を受け取り、着替えをします。100km走った体で着替えをするのは大変です。体をちょっと動かしただけで、いろんな筋肉が攣ろうと身構えているような状態です。


 それでもどうにか着替えを終えて、外に出ます。ようやくみんなと合流し、帰路につきます。まずヨーイチさんを湧別まで送っていきます・・・と書けば簡単に思えますが、優に1時間はかかります。実際に走ってきたコースも多く通りますが、走っているときよりもむしろ、こうして戻るために運転しているときの方がとてつもない距離を走ったのだという実感があります。


 これまでは毎年反省の言葉を口にしながら意気消沈して運転していました。でも今年は体のダメージは半端ではありませんが、心は満ち足りていました。


 ヨーイチさんを湧別でおろし、私たちはチューリップの湯に向かいます。チューリップの湯はサロマ帰りのランナーで溢れかえっていました。


 入浴を終え、宿に戻りました。それから近くのつぼ八へ行って打ち上げです。私とゆーすけさん夫妻、カルチョさん、フーさんの5人で祝杯を交わしました。


Road to SAROMAN BLUE-TS3V0209.jpg

 この頃になると普通に食べられるようにもなっていましたが、やはり消耗は大きく、ビールも2杯が限度でした。


 ようやく3回目の完走を果たしましたが、リタイアは4回ですから、まだまだ負け越しています。現在52歳で3回目の完走。還暦でブルーゼッケンをつけるためには、もうリタイアが許されません。


 でも今年の完走は、過去2回の完走と比べて大きな自信を与えてくれました。「本当にこれで大丈夫か?」と思えるほどのゆっくりペースでも、確実に刻んでいけば十分に時間内に完走できます。前半を焦らず過ごし、後半にきっとやってくるであろう勝負所に集中すれば、きっと復活する瞬間があります。


 なによりも、今回は弱い自分を完封できました。今までの私だったら、途中で諦めてしまったであろう場面がいくつもありました。でも今年は最後まで「絶対にたどりついてみせる」という気持ちを失わずに走ることができました。こうしてやり遂げることができた自分に、ようやく自信を持つことができました。そしてこの自信を確固たるものにするために、来年もまたゴールしなければなりません。


 ランシャツの背中のポケットから、そっと「折れない心」を取り出し、来年のために大切にしまいました。


Road to SAROMAN BLUE-折れない心

 5年ぶり3回目のゴール。この先には、4回目のゴールが待っています。(サロマ湖100kmウルトラマラソン完走記第3章 完)



(1)完走しなければならない理由

(2)応援FAX

(3)旅の始まり

(4)作戦

(5)予定通り

(6)消えた折り返し点

(7)後方待機

(8)頑張るところはここじゃない

(9)手ごたえ

(10)トラウマを越えて

(11)悪戦苦闘

(12)絶体絶命

(13)前後にゴールド従えて

(14)火事場の馬鹿力

(15)天国のワッカ

(16)地獄のワッカ

(17)5年分の感動貯金

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(17)5年分の感動貯金


 ワッカを出ると、まっすぐにエイドに向かいます。そしてエイドのテーブルを見ると、ありました!わずか数切れでしたが、お目当てのオレンジがあります。これを食べたかった~。


 オレンジを食べて手が少し汚れました。コースをちょっと戻ったところに、かぶり水用のポリバケツが置かれています。私は少し戻ってそこへ行き、ひしゃくに汲んだ水で手を洗いました。そしてまたコースに戻りました。


 いよいよ最後のビクトリーロードです。諦めずにワッカを抜けてきたランナーのみが通ることを許されたビクトリーロードに、5年ぶりに帰ってきました。


 あと2km地点を10分29秒で通過しました。エイドに寄った分、10分台はいたしかたないでしょう。


 ビクトリーロードに帰ってきたことで、少し安心してしまったのかもしれません。体がますますきつくなりました。


 もう一歩も走れない・・・。また立ち止まり、膝に両手をついて呼吸を整えます。


 最後の数百mは、走り終えたランナーも含めて大勢のギャラリーが集まる花道です。そこはどうしても走って通過したい!そのため、そこまでは体力を少しでも回復させるために歩くことにしました。もう速歩きも必要ありません。あと1kmあまりは体力の回復が最優先です。後ろから走ってくるランナーの邪魔にならないようコースの端に寄ってゆっくり歩きます。そのため99km地点の通過ラップは10分33秒もかかりました。


 いよいよあと1kmです。徐々に花道に詰めかけている大ギャラリーの姿も大きく見えてきます。やがてコースは国道を離れ、花道に向かい始めました。


 「リタイアは感動の貯金」


 サロマンブルーメンバーでもある夜久弘さんの名言です。1年1年と貯金を重ね、5年分もの感動貯金が貯まってしまいました。その感動貯金を全額引き出す瞬間が、まさに近づいてきました。


 「ナイスラン、ナイスラン」


 歩いている私にも、沿道から拍手とともに声がかけられます。今は力尽きて歩いている私ですが、こうしてここまでこれたのは苦しい中でも走ってこれたからこそです。とても嬉しく思いました。


 その声にも励まされるかのように、私は最後の力を振り絞ってゆっくりと走り始めました。


 右から左から、拍手とともに声援が降り注ぎます。先ほどまで足の痛みに顔をしかめていた私ですが、自然と笑顔が顔中に広がっていきました。


Road to SAROMAN BLUE-ゴール直前


 5年分の感動貯金。これを引き出すときにどれほど大きな感情が湧くのだろうかと思っていました。でも私の中にあるものは、喜びでもない、安堵でもない、ただ混乱のような感情が広がっています。あまりにも完走から遠ざかっていたので、どうしたらいいか、どんな顔をしたらいいか、どんな感情になったらいいか、何もわからないのです。


 仲間たちからの声援に応えながら、私は帽子を脱ぎました。ゴール写真に写るとき、顔がはっきりと見えるようにするためです。そしてその帽子を腰のウエストポーチに挟みました。


 最後のコーナーを曲がります。正面にゴールゲイトが見えてきました。


♪ねぇ待ってて光るゴールゲイトで

  そう絶対にたどり着いてみせる

 (加賀谷はつみ「君がいる」より)


 何度も何度も口ずさんできたこの曲。今年こそは、何があっても「絶対にたどりついてみせる」。そう誓って臨んだサロマです。弱気の虫を封じ込め、ゴールすることだけを考えて走ってきました。そんな強い思いを持ち続けることができたおかげで、ここまでくることができました。


 「Ogamanさん」


 右側の大観衆の中から声をかけられました。夜久さんでした。


 「やりました!」


 それ以上は言葉になりませんでしたが、夜久さんとしっかり握手をしました。


Road to SAROMAN BLUE-握手


 あとは他のゴールするランナーとかぶらないように、前後の間隔を見ながらゴールに向かいます。


 ゴールゲイトの手前で両手を広げてゴールに向かいます。5年前は両腕を天に突き上げてゴールしました。ところがその瞬間に左肩の筋肉が攣って痛い目にあいました。でも今年は五十肩のため腕を上げることができず、両手を広げてのゴールとなりました。


 そのままのポーズでゴールゲイトの下に設けられているスロープを上ります。


Road to SAROMAN BLUE-ゴール


 そしてついに・・・ついに・・・ついに・・・。(つづく)


(18)Road to SAROMA 2013へ



(1)完走しなければならない理由

(2)応援FAX

(3)旅の始まり

(4)作戦

(5)予定通り

(6)消えた折り返し点

(7)後方待機

(8)頑張るところはここじゃない

(9)手ごたえ

(10)トラウマを越えて

(11)悪戦苦闘

(12)絶体絶命

(13)前後にゴールド従えて

(14)火事場の馬鹿力

(15)天国のワッカ

(16)地獄のワッカ

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(16)地獄のワッカ


 90km関門を越えたとたん、いや、キロ10分でもゴールできると計算してしまったとたん、疲れが全身にのしかかりました。


 「しまった!やっちまった!」


 そう思ったときには手遅れです。危惧していた通り、70kmからの無理がたたり、体には相当な疲労があります。でもそれは、ここで気を緩めたら完走できないという危機感で封じ込めてきました。


 ところがここでキロ10分でも完走できると思ったとたん、気が緩んでしまいました。そうしたら、いままで封じ込められていた疲労感が一気に飛び出してきたのです。


 地獄のワッカのスタートです。


 これまでは歩いているうちに疲労が軽減されて走り出すことができたのに、歩いても歩いても疲労が軽減されなくなってきました。


 仕方がない。90kmから91kmは休憩しよう。この間はすべて歩き、91kmからまた元のペースに戻していこう。そう思いました。


 91km地点は9分38秒で通過します。疲労につぶされそうな状態ですが、それでも9分台のウォーキングをできていることに安堵しました。この歩きは最後の最後で武器となってくれます。


 でもそうして歩いているうちに、N社長に、そして10回目のゴールに飛び込もうとしているNさんにと抜かれていきます。なんとか追いかけたいと思っても、追いかける足までは残っていません。


 それでもヨタヨタと走りを交えながらゴールを目指します。


 92kmの手前には、往路でスイカを食べたエイドがあります。私はまたスイカをいただきました。今回は序盤から胃の調子が今ひとつでしたが、特に後半いただいたミニトマト、雑煮、オレンジ、スイカ、レモンなどは、弱った胃でもしっかり受け入れることができ、本当に助かりました。スイカで生き返った私は、またコースに戻ります。


 残るはワッカを出てからのエイドだなぁ・・・あのエイドには、まだオレンジが残っているかなぁ・・・そんなことを考えながら走っていました。


 92km地点は10分20秒かかりました。でもスイカロスがあるからやむを得ません。この先はペースを戻して、一刻も早くゴールに飛び込み、早く楽になりましょう。そんな思いが表れたのか、93kmラップは8分47秒に上がりました。しかし足はますます動かなくなり、これ以降9分を切ることはできなくなりました。


 1kmごとのラップが遅くなってきていることもあり、1kmという距離がだんだん長く感じるようになってきました。そろそろ1km走ったかと思い前方を見ても、なかなか距離表示が見えてきません。そうすると足もますます重くなります。なんだかどんどん悪循環の流れにはまっているように思えます。


 だんだん走る時間も短くなっています。それどころか、歩くスピードも遅くなっているように思えます。キロ9分台の歩きができていれば、このまま歩き通しても完走できます。でも歩くことすら難しいほど消耗してしまったら、この程度の貯金はあっという間に吐き出してしまうでしょう。それこそ地獄です。ゴールまで6kmあまりと迫りながらリタイアなどという悲劇は演じたくありません。


 94kmラップは9分12秒です。大丈夫、まだ10分を切っています。ゴールは近づいています。


 95kmの手前で12時間を過ぎました。残り5kmあまりを1時間で。大丈夫だろうと思いましたが、何分で走ればいいかという計算はもうしません。全力でゴールを目指すという姿勢で走るのみです。


 しかしそんな気持ちに体はなかなか反応できなくなってきています。95km地点を通過しましたが、9分55秒もかかっていました。かろうじて10分を切るのがやっとという状態です。


 あと5km。たったの5km。普段は5kmを走るなんて簡単なことです。でも95kmを走り終えてからの5kmは、とてつもなく困難に思える距離です。


 でも、5kmをこんなに長く感じられるのも5年ぶりのことです。この苦しみは、95kmという距離を、12時間という時間を越えてきたからこそ味わえる困難です。地獄のワッカを味わえるのも、こうしてこの地にやってこれたからこそです。


 本当の地獄はワッカではありません。ワッカで戦うこともできずに終戦を迎えてしまうことこそが地獄でした。何年もそんな地獄を味わってきた私には、こんな地獄のワッカもやはり天国に思えてしまいます。そんなことを考えながら、必死で足を前に運びます。


 あと4km地点を9分20秒で通過しました。ラップが10分を切っているのを見るとホッとします。残り4km。ワッカの出口も近づいてきました。痛む足を懸命に前に出そうとします。


 でも体の方はそろそろ限界が近づいてきました。走っても歩くスピードとさほど変わらないように思えます。そして歩くこと自体も苦しくなってきました。ついには足を前に出すこともつらくなり、両膝に手を当てて立ち止まって休む場面まで出てきました。


 でも休んでいたらゴールは近づきません。逆に遠のいてしまうかもしれません。そこからまた必死で足を出します。


 歩いたり走ったり、ときには休んだりしながら、あと3km地点を通過しました。この間のラップも9分50秒と、かろうじて10分を切っています。その数字を確認してホッと一安心です。苦しみながらも足を前に運んでいる限り、刻一刻とそのときは近づいてきます。


 いよいよワッカも終わりが近づいてきました。80km関門があった場所は、すでに撤収されています。70kmから必死の思いで走ってやっとの思いで通過してからまもなく3時間になろうとしています。あれからそんなに時間が経ったというのが現実のこととは思えません。ワッカの1km、1kmは、走っているととても長く感じるのですが、振り返ってみるとそんなに長い時間に思えないというのはどうしてなのでしょう。


 最後の急坂を、慎重に下りていきます。弱り切った足に変な力が加わるとすぐに故障をしてしまいそうです。こんなところで劇的なドラマはいりません。あとは静かなゴールを望むのみです。(つづく)


(17)5年分の感動貯金へ



(1)完走しなければならない理由

(2)応援FAX

(3)旅の始まり

(4)作戦

(5)予定通り

(6)消えた折り返し点

(7)後方待機

(8)頑張るところはここじゃない

(9)手ごたえ

(10)トラウマを越えて

(11)悪戦苦闘

(12)絶体絶命

(13)前後にゴールド従えて

(14)火事場の馬鹿力

(15)天国のワッカ

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