2周目もイーブンペース~第18回フルマラソン挑戦会完走記3 | 神社仏閣旅歩き そして時には食べ歩き

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還暦を過ぎて体にトラブルが出始めて、ランニングを楽しめなくなりました。近ごろはウォーキングに軸足を移して道内の神社仏閣を巡り、御朱印を拝受したり霊場巡礼を楽しんでいます。いつかは四国八十八ヶ所巡礼や熊野詣をすることが夢です。by おがまん@小笠原章仁

 1周目の後半にはいるときに飲んだのはスポーツドリンクだった。飲むときにはどうしても一部こぼれてしまうが、それが手についてちょっとべたついていたのが気になっていた。


 そこで2周目に入るところでは水をもらった。1口含んで、残りは手を洗う。もちろん走りながらそれらをこなしたのだが、すべての作業を終えたときはゴミ箱を通り過ぎていた。仕方がない。つぶしてタイツの腰のところに挟み込む。すでにタイツの前部には、1周目の途中で脱いだ手袋を挟んである。まああれこれ挟んでも、さして走りには支障がないものだ。


給水所


 2周目に入るあたりで、ちょっと胃のもたれを感じていた。朝食はホテルで納豆巻きを食べてきた。ご飯党の私は、走る前はご飯をお腹に入れておかないとエネルギーがもたない。納豆は私の走りの生命線ともいえる粘りを出したいという思いだけだ。あとはスタート前にバナナ、ゼリーを摂るのが通常のパターンだが、前日のコンビニで見たバナナは食べ頃にほど遠く、代わりにまるごとバナナ を買っておいた。まあ、そのこと自体は私としては珍しいことではない。


 ところがスタート前、仲間たちと喋ることに興じていた私は、スタート前の補給もアップもすっかり忘れていたのだ。アップは慌てて池の周りを1周。そして補給は本来はゼリーを摂るタイミングだったのだが、持ち帰ることを考えるとまるごとバナナ よりもゼリーの方が楽なので、スタート直前だというのにまるごとバナナ を食べたのだ。これが失敗だったかもしれない。


 しかしまあ、今さらどうしようもない。次回からは、スタート直前の補給にまるごとバナナ はやめようと反省しながらの走りとなった。


 2周目の池の周回を終え、公園から出る。まずは芝生の上を走る折り返しコース。ここで前を行く仲間たちとの、そして後ろから追ってくる仲間たちとの差を確認することができる。NO.71さんは相変わらず軽快に走っており、どんどん差を広げられている。楽走隊のチャタヌーガさん、sibaさん、かずじさん も彼女から水をあけられている。まだ前半とはいえ、これだけ差を広げられると、向こうから落ちてきてくれないと追うのはつらいかもしれない。だが楽走隊との差くらいなら・・・折り返しのところでないと視界に入ってこないだけに、追うにはちょっとつらいかもしれないが、いい目標にはなりそうだ。


 芝生コースを終えてアスファルトの歩道にはいる。間もなく前方からNO.71さんの姿が見えてくる。まだこちらは折り返しまでかなりあるというのに・・・。試しにタイム差を計ってみる。3分30秒もあった。このあたり、約15kmくらいの地点だろうか。これで3分半の差となると、5km1分以上の差があるということだ。私も5km25分くらいで走っているのだから、NO,71さんは24分を切っているということになる。とてもじゃないが、フルマラソンのベストが3時間50分台の人の走りではない。


 NO.71さんとの差はどんどん開いているようだが、楽走隊との差はさほど離れていないように感じる。ガーミンのラップを見ても決して落ちているわけではない。悪くはない。このままいけば大丈夫。


 池の周りをぐるっと回って2周目前半を終了する。腰に挟んでいた紙コップも、無事にゴミ箱に捨てることができた。


2周目途中


 公園の出口では、先ほど同様に数名の人が元気に送り出してくれる。「ありがとうございます」と手を振って応えると、「余裕あるな、まだまだ大丈夫」と元気づけてくれる。


 しかし2周目の後半に入ると、早くも右膝に痛みを感じ始めた。皿の下の部分。アスリートクラブでインソールを作るようになってから影を潜めていた痛みだが、かつては長い距離を走ると必ず痛んでいた。いわば慣れた痛みでもある。歩道の縁石の上り下りはちょっとつらかったが、このくらいではペースダウンをしていられない。


 今までも何度も完走記に書いてきたことだが、私の場合、足の痛みは気持ちの弱さの現れでもある。走りたくないという気持ち、諦めの気持ちが、こうした痛みに姿を変えて現れることがままある。


 ただし今日は固く決意していた。足の痛みだけでは、決して諦めないと。フルマラソン、42.195km。普通の生活をしているだけならば、簡単に走れる距離じゃない。足が痛くなるのは当たり前のこと。それでいちいち諦めていては、まともにフルマラソンを走りきることなんてできやしない。体が動かなくなり、足が前に出なくなったときは諦めるかもしれない。でも例えどんなに足が痛くとも、足が前に出る限りは決して諦めない。


 かつて上岡龍太郎さんは、マラソンのスタートラインに立つものは、42.195kmを走り抜くのだ、と決心したそのことだけで十分勇者であると言った。走り始めたばかりの頃、この言葉を目にして、私もいつか勇者になりたいと夢見ていた。そう、今の私は勇者なのだ。勇者らしい走りをしなければならない。


 走っているうちに、一つの曲が私の頭の中に流れ出した。


 立ち上がれ小笠原 この世のために 島国が生んだ 和製大砲


 44年ぶりに日本一となった北海道日本ハムファイターズの主砲・小笠原道大の応援歌だ。日本シリーズ第4戦を観戦したときに札幌ドームで聞いたこの曲が頭に残っていたのだが、驚いたことにこのリズムがまた走りのリズムとピッタリだった。このあとはゴールまでこの曲に応援されながら走ることとなる。


 応援といえば、この大会のコースは限られたエリア内を複雑に回る10kmコースを4周するのだが、その分応援する側はさほど移動せずに何度も応援することができる。おかげでトン子さんちかたん 、ゆうさん、ヤッコさん、takanobuさんらが、何度も何度も応援してくれた。いつもいつも、本当にありがたいことだ。


 応援歌のリズムに乗りながら2周目を終えた私。ペースは相変わらずキロ5分をキープしている。いつの間にか胃のもたれは消えたし、右膝の痛みもその後は変化がない。ただここで、新たな敵が顔を出してきた。それは右足甲の痛みだった。


 靴紐をきつく締めすぎたのだろうか?甲の内側の最も高い部分が痛み出している。この痛み、ちょっと気になる痛みだ。膝の痛みよりもこちらが気になり始めた。しかし、足の痛みだけでは決して諦めないと誓った私。今後この痛みがどれだけ強くなろうとも、痛みだけでは絶対にレースから逃げたりはしない。


 改めて自分に言い聞かせながら2周目を終えた。(つづく)


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