危険な化学調味料が野放し?精神異常や失明の恐れ、ラーメン一杯でも危険量
文=郡司和夫/食品ジャーナリスト2015.07.02



「Thinkstock」より
 6月5日、インド中央政府食品安全基準局は世界最大手の食品企業ネスレの現地子会社ネスレ・インディアに対し、インド市場でシェア80%を誇るインスタントラーメン「マギー」の生産・販売停止命令を出しました。マギーに「化学調味料(グルタミン酸ナトリウム)無添加」と表示しているにもかかわらず化学調味料が含まれていること、鉛が安全基準値(2.5ppm)を超える17.5ppm含まれていることが明らかになったためです。
 6月6日付日本経済新聞記事によると、ネスレ・インディアはマギー20万パックの自主回収を決定したことに関しネスレのポール・ブルケ最高経営責任者(CEO)は「目先のビジネスより消費者の信頼回復が重要。自主回収の決定を支持する」と表明した上で、「たんぱく質など、外部から調達する原材料にMSG(グルタミン酸ナトリウム)が含まれているが、当社では加えていない」「検査方法を共有してほしい。鉛も許容水準内だ」などと、インド政府を批判しました。

 ところで、現地のニュースと日本における報道では、化学調味料に関して大きな違いがあります。現地ニュースでは、「マギーは化学調味料無添加と表示されているのに、化学調味料であるMSGが添加されているのは不当表示になる」と伝えています。一方、日本ではおおむね、「許容量を超えるMSGが見つかった」と報じられており、現在MSGの許容量は国際的に規定されていないため、表現が適切ではないように思われます。

 MSGは、ネズミによる実験で幼体の視床下部などへの悪影響が指摘されている食品添加物です。また、中華料理を食べた人が頭痛、顔面紅潮、体の痺れなどを起こす中華料理症候群の原因と考えられています。こうした毒性の指摘が出たことから、1974年にFAO(国連食糧農業機関)/WHO(世界保健機関)合同食品添加物専門家会議(JECFA)は、MSGの一日摂取許容量(ADI)を体重1kgにつき120mgとしました。つまり、体重50kgの人で6gとなります。しかし、JECFAのその後の追試により、通常の食生活でMSGを摂取する限り、中華料理症候群や幼い子の視床下部への悪影響は認められないとして、87年にMSGのADIは撤廃されました。

 要するに、現在MSGは無制限に使える食品添加物となっています。ラーメン店によっては、小さじ一杯程度のMSGを入れているところもあります。小さじ一杯は塩換算で6gです。以前の基準に当てはめると、そのラーメン一杯でADIに達するほどです。しかし基準が撤廃された今日では、MSGは多くの食品で無制限に添加されています。

 MSGについては、ADIを再設定すべきです。MSGの危険性は中華料理症候群、幼体の視床下部への悪影響だけではありません。72年に厚生省(当時)は、MSGが精神異常につながる上半身感覚異常を起こす危険に関し、全国の保健所に通達を出しています。現在においても、異常な少年犯罪とMSGの関連はまったく未解明のままです。

 また、2002年に弘前大学医学部の研究チームは、ラットの実験でMSGの過剰摂取が緑内障につながる恐れがあると指摘しています。緑内障は日本における失明の最大原因です。

 いずれにせよ、インドのインスタントラーメン回収命令は、MSGの無制限な使用実態に警鐘を鳴らすことになったのは間違いありません。
(文=郡司和夫/食品ジャーナリスト)

アミノ酸だらけ叫びメラメラ
癌で亡くなっ
  た大叔父が昼御飯に大叔母の留守にインスタントラーメンを食べ過ぎた
から胃ガンになった食べないようにと
母と叔母にいうたそうです


グルタミン酸ナトリウムは食品添加物としても使われる。だいたい調味料「(アミノ酸)」とか書いてあるな。スペースに余裕があればL-グルタミン酸ナトリウムとかフルネームで書かれてるかも。

「化学調味料」って言葉は実はNHKが発明したもので、「味の素」が発売されたあとニュースとかに登場させる際、不偏不党を旨とするNHKは特定の商品名である「味の素」って言い切っちゃうことができなかったんだ。それで、「化学調味料」って用語を作ったらそれが定着してしまった。当時、科学ってのは基本的にいいイメージで捉えられていたから、「化学調味料」って言葉はわりとポジティブな意味だった。が、なぜか今は「科学は何にせよ悪い物」と思い込むアホらしい風潮が広まってるから、変にネガティブな印象がつきまとうようになってしまった。それで、メディアなどでは公平性を期すために「うま味調味料」って呼ぶようになってきてる。

食品添加物には色々な種類があるから、化学調味料は食品添加物だけど、食品添加物だからといって化学調味料とは限らないってのは他の人も言ってる通り。

あと、下の人が言ってる硫酸アンモニウムとかは普通に野菜を作る肥料としても使われるものだし、水酸化ナトリウムは缶詰のミカンの皮を剥いたりとか食品製造では一般的な物質な。どちらも普通は「加工助剤」って扱いになるので、最終的な食品には事実上ゼロと言っていいぐらい残留しない。まあ、そもそも最も安全でなおかつ安いから発酵法が使われているんだが。醤油や酒を造るのと同じだな。

それから、中華料理店症候群について触れてる人がいるが、こっちは医学的には「はっきりと」否定されている。JECFAがADIを「指定しない」という結論を出したってことは、世界中の医学者・毒性学者から「安全な物質だと認められた」ことと等しい。つまり、JECFAの評価に反する主張をしている人は基本トンデモって考えて間違いないってこと。

というか、そもそもグルタミン酸ってのはアミノ酸の一種で、普通にタンパク質(肉や魚、豆など)が胃の中で分解されるとできるもの。昆布とかトマトとかにも豊富に含まれてるしな。特に、昆布に含まれているのは味の素と同じナトリウム塩の形のグルタミン酸ナトリウムで、これも胃液に触れるとグルタミン酸イオンとナトリウムイオンに分離されて別々に代謝するので、基本的にグルタミン酸、ナトリウムの作用機序そのままの現象以外は起きない。つまり、グルタミン酸ナトリウムを食べて体がおかしくなるなら、昆布やトマトはもちろん、消化の過程でグルタミン酸が出てくるタンパク質を含む肉・魚・豆とかを食べても害が出なければおかしい。

グルタミン酸の味覚飽和の閾値が低いことは事実だけど、塩や砂糖では起きないというのは誤り。鹹味や甘味でも味覚飽和は起きる。特に砂糖は飽和しやすい。また、飲食店が大量使用しがちというのも事実だけど、健康に害を及ぼすほどの量に至ることはまずない。なぜなら、味覚飽和とか以前に飲食店にはコストという制約条件がかかってるから、体に異常が出るほどの量を使用し続けていたら経営が成り立たなくなる。事故以外に過剰投与の危険はないし、仮になんらかの事故で過剰投与されたとしたら、それは飲食店の責任であり、グルタミン酸が悪いわけじゃない。食塩だって過剰投与されてれば体に害を及ぼす。それと同じ。

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