2016年(1-12月)「老人福祉・介護事業」の倒産状況(東京商工リサーチ)
 
儲かっているなら過去最悪を更新し続ける倒産件数の増加は起こらないと思うんですが。
 
 
さて。財務省の財政制度分科会は報酬改定の減額の方針を改めて強く示してきました。
 
財務省「訪問・通所は利益率高い」 介護報酬改定へ論点 機能訓練なしの減算も(官庁通信社)
 
資料はコチラ。
 
財政制度分科会(平成29年4月20日開催)資料一覧(財務省)
 
「在宅サービスの利益率は高水準にとどまっている」とし、そのうえで、「引き続き適正化すべきことは実施」と主張しているそうですね。
 
 
ニュースや新聞読んでるんですかね?
 
「供給が需要を生む構造の排除」を要請ね…食事や薬なら知ってます。不必要でも過剰でも摂取させ、カロリ○ット取らせダイエットさせ、投薬してるから。
 
そうした市場がある事は分かります。しかし、介護にそれが当てはまるほど供給過剰で実際には需要はないと言ってる訳ですよね。
 
大丈夫ですかね、慶應義塾大学大学院商学研究科の鶴光太郎教授。バイヤーに成り下がっているケアマネージャーがいないとは言いませんが、それにしたって「必要のないサービスを無駄に利用する」ほど暮らしに余裕のある次代ではないでしょう。
 

予想されたほど潰れず、なんで増えたのかって、特養に入れなくなったからですよ。原則介護度が3以上ないと入れなくなったのをご存じないのでしょうか?
 
入所できないから致し方なくむしろ通所の需要が増えたんですよ。


それと無知すぎると思った「機能訓練してない」発言。この発言から仕組みを知らずに仰っている事が丸わかりです。加算要件が満たせないから機能訓練しててもやってることにできないんです。
  
機能訓練加算を算定するためにはそもそも「看護職員、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、柔道整復師、あん摩マッサージ指圧師」を雇用しなくちゃなりません。
 
安い給料でこれらの方々を雇うにはどうしたらいいですか?みんな医療機関に行くと思うのですが。なお、看護職員がこの加算を算定したい場合は、看護職員としては人員には含まれません。
 
つまり看護師なら常勤で2名以上を配置しなければ加算要件は満たせない訳です。加えてサービス提供時間を通して勤務し、機能訓練指導員のみに従事する専従常勤が1名以上必要です。この1名の看護師は他の仕事に従事することは出来ません。
 
算定できないだけであって、そもそも機能訓練加算Ⅰであれば必ずしも機能訓練指導員が直接実施する必要はありませんから、利用者の自立の支援と日常生活の充実が目的とした取り組みは自主的に出来ますし、弊所は独自で取り組んでいます。

寝せっぱなし放置しっぱなしでレスパイト~♪というデイサービスはあるかもしれない。加算が取れないからしない、そうした事業者がいることも事実でしょう。しかし、圧倒的多数はそうではない事を直接体験なさってほしいものです。

少ない報酬の中で様々な工夫をし、寝たきりにならない為の知恵を絞り出している介護従事者にとって、名誉毀損にも程があります。
 
 
デイサービスが「役に立ってない」と仰られるのであれば、是非、お手本を見せていただきたく存じます。それで黒字で通所介護は6.3%もの利益率が出せたなら、ブラック企業確定ですね。もしくは最低賃金基準違反の恐れさえありますけど。
 
実現したいなら先に厚生労働省に働きかけて機能訓練加算の算定人員基準の見直しを図っていただきたいものです。
 
 
いやー、内容は予測してましたが、供給が需要を生むって発言は予想外だったなぁ~。介護にもカロ○ミット必要なんですね。ある意味理想的だな~。素晴らしい…事実ならまさにアベノミクスが欲しがると思います。
 
介護は需要がないんじゃなくて国の方針による供給制約があり、需要を充たせないのが実情でしょう。冒頭に述べたように、介護はすでに潰れる企業が連年増加を続けています。
 
供給制約しているのに介護事業者が潰れている理由は「介護で経営が成り立つだけの需要に見合った報酬がない」からにほかなりません。介護サービスへの投資不足が原因で加算算定基準を満たせないんです。
 
そしてその締め付けは最悪の構図を作っています。善良的なトコは潰れ、悪徳なトコ程生き残るという、まさに中身が介護的・福祉的でないところほど最後に残る構図。是正すべきはこの構図たと思うのですが。
 
 
それでその負債総額の請求先は…財政制度等審議会財政制度分科会委員名簿となってま…って、慶應義塾大学大学院商学研究科の鶴光太郎教授が臨時委員にすらいらっしゃらないませんけど?
 

その提言通りに事が進めば、単純に強者のルールですから我々デイサービスはおとなしく潰れますが、しかし、市場は大人しくあなた方の御意見を支持するとは限りません。

我々の声は余りに小さいのです。どうか利用されている皆様が声をあげていただけないでしょうか。その声がない事にはあなたの街のデイサービスはおそらく次の改正で忽然と姿を消すでしょう。

 
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