沖縄から桜の東京へ | インドを舞う

インドを舞う

東インド古典舞踊odissi(オリッシー)を学んでいます。踊りやインドが教えてくれたことを綴ります。

3月の沖縄公演、とても思い出深いツアーとなりました。

琉球舞踊、バリ舞踊、インド舞踊を生演奏で踊る公演でした。バリチームもインドチームも東京からの出演者が多かったので、数日の間に人も気持ちも結集して、一気に作り上げる舞台となりました。琉球舞踊の太圭流の家元の監修による演出は、とても美しくて感動的でした。国立劇場のスタッフが大勢裏にいたことも、大劇場が満員御礼だったのも、家元のお人柄と実績によるものが大きいとひしひしと感じました。

琉球舞踊は、演奏も素晴らしく、そして踊りはまるで雲の上で舞うようなまばゆい神々しさでした。薄暗い中、ガムランの音とともに舞台の盆が回ってバリの楽器と演奏者が現れた時は、天国の島に泳ぎ着いたかのような感覚になって鳥肌が収まりませんでした。踊りも技術がしっかりしていてバラエティにも富み、素晴らしかったです。

インド舞踊の伴奏は、通常のOdissiオーケストラの楽器とは違うし、正直どうなるのかなと思っていたのですが、もう本当にミュージシャンのみなさま「さすが」の一言でした。最初のリハから、大丈夫!絶対うまくいく!っていう確信がありました。沖縄在住のOdissi舞踊家、憧れの直原牧子さんと一緒に踊らせてもらった2曲、一生の宝物になりました。

本番は、妙な緊張をすることもなく、とにかくこの素敵な瞬間を思い切り楽しんで一秒一秒を大事にしたいという気持ちでいっぱいでした。それがそのままお客様にも伝わるという確信がありました。

ラストには、琉球・バリ・インドの演奏者によるコラボコンサート。リハから何度聴いても涙が・・・一生聴いていられると思いました。カーテンコールが終わって緞帳が閉まるとき、楽しかったという想いとともに、ああ終わってしまうんだというさびしさでいっぱいでした。3種合同打ち上げではみんなクタクタなはずなのに、解散するのがさびしいね、またやりたいね、沖縄以外でもやりたいね、って朝の3時頃まで踊りや音楽の話をしながら続いたのも、出演者みんなが楽しかった証拠だと思いました。

このチームに混ぜていただいて、光栄の極みです。牧子さん、英里ちゃん、エミさんの沖縄チームには本当に感謝しています。沖印協会、太圭子家元、国立劇場の皆さん、共演者のみなさん、そして足を運んでくださった全ての方に、心から感謝申し上げます。




ところで、今回おもしろかったのが、琉球・バリ・インドの間にある音楽や舞踊の共通点もありますが、みんなの衣装に「かすり」が使われていたこと!Odissi発祥のオリッサ州とバリは海をかいして深い関わりがあったと教えてもらったことがありますが、きっと琉球とも繋がっていたはず。3つの舞踊家たちがまとう美しい絣織りの衣装を見て、私たちはいろんな人たちとつながっていて国境なんて地図上にしかないものだと感じました。

沖縄から帰ってすぐ、インド大使館で開催されるさくらフェスティバルに参加させていただきました。っていうか寒いんですけど・・桜咲いてないんですけど!っていうのは神様のいたずらってことで、生徒のなみと一緒に踊らせていただきました。今回は偶然にも絣織りがたっぷりの衣装で!寒い中、見てくださったみなさま、本当にありがとうございました。