西武鉄道(埼玉県所沢市)の社員が磁気定期券を使い運賃の一部を支払っていなかったキセル乗車問題で、同社は11日、不正乗車をしていたのは19人で、支払わなかった運賃は155万810円だったと発表した。キセルはしていなかったものの不正乗車防止システムを解除していた社員が10人、システム解除に協力した社員も7人おり、同社は計36人を処分する方針。鉄道各社には個人で弁済させるとしている。

 同社によると、キセルをしていたのは駅係員17人、車掌2人。最長は自動改札機を導入した01年ごろからの9年で、多くは2~3年続けていた。

 同社員は、自社線内すべて利用できるパスを持っているが、他社線を利用する社員へは通勤定期代を支給している。3年で最高額の107万円分を不正乗車した社員の場合、自宅最寄り駅と自社線への乗換駅からそれぞれ隣駅までの通勤定期券計2枚を購入。システムを解除して使っていた。

 不正乗車防止システムは、自動改札機を通る際、切符や定期券に入出場の情報を記録し、入場記録がないと改札機の扉が閉まる仕組み。

 同社では、定期券購入時にチェックをするほか、システム解除の記録簿を作るなど、再発防止策を取ることにしている。【平井桂月】

 ◇相模鉄道でも

 一方、同様の方法で男性車掌(28)=懲戒解雇=がキセル乗車を繰り返していた相模鉄道(横浜市)は11日、他にも駅員や運転士ら12人が、不正乗車防止システムを解除した磁気定期券を持っていたと発表した。

 同社によると、12人はキセル乗車を否定し「事故などで改札がこんだ時に早く通り抜けるため」と説明しているという。また、解雇された車掌と同期入社の駅員2人が、車掌に頼まれてシステムを解除したことも分かった。同社は処分を検討している。

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不正乗車防止システム

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