いよいよ新年

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今年もいろいろありました。
反省すべきこともあったけれど、いい一年でした。

さっき生まれた方が今年921人目のお産。職員も皆、すっきりした表情をしている。

来年も事故なく、皆さんにいいお産をしていただきたいと心から願っています。


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今日は、今、外来が終わった。
浮腫を心配している妊婦さんがいたので、説明したら安心したようだ。

浮腫は、健康な普通の妊婦でも70-80%程度訴える。主に、下肢が多いが
朝方、午前中手がしびれたり握りにくいのも浮腫のせいである。一方、妊娠中毒症(高血圧+尿蛋白)の妊婦では約85%に浮腫は認める。

つまり面白いのは、浮腫とは、正常の妊婦でも、中毒症の妊婦でも約8割に認める症状なのである妊娠中の浮腫は一般的でありそれのみでは危険群とはみなされていない

浮腫に伴って急な体重増加(水分の貯留による)を認め、後日、高血圧そして
尿蛋白が出現して、初めてこれを妊娠中毒症と言うが、これは母児の予後を悪くする因子として有名である。
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外来にて、予定日前後の妊婦さんに
「いつ生まれるんですか?」と毎日聞かれるが、そんなことは予想できない。

内診所見で、Bishop Scoreといって5項目からなる子宮口の成熟度の指標がある。
一般的に、8-9点以上あると48時間以内に陣痛が来やすいと言われているが、外来で患者さんに宣言して、よくはずれて恥をかくことがある。
また、夜中から明け方にかけて結構強い不規則な前駆陣痛が、分娩3日くらい前から観察されるというデータも有名であるが、鈍感な妊婦さんは寝ていて感じないことも多いし、これまた宣言したはいいが、はずれて恥をかいたこと多い。

今日の妊婦さんなどには、今朝外来の健診で、内診所見が硬く閉じていて
Bishop Scoreが2点だったし、胎児心拍モニター上子宮収縮もあまりなかったので、ご本人に「もうすこし日数がかかりそうですね。」とお話したしたら、なんとその5時間後に入院してきて2時間で生まれてしまったのには、唖然として眩暈さえしてしまったのである。もはや、自然の力の偉大さ、その予想外のダイナミックさにただただ立ち尽くすだけであった。

よって、EBMとか言って、えらそうにしている私であるが、まったく妊婦さんがいつ生まれるかには、狼狽するしかないのである。
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という妊婦さんの質問に答えていたら1時間は軽く説明にかかってしまうので、

私は、「赤ちゃんはもう少しお母さんと一緒にいたいんですよ。」
とか、「もうちょっと一緒にいて大きくなったほうが生まれた後で育てやすいですよ。」とか言ってごまかしてしまうことがある。

また、統計で語るのであれば、41週0日(予定日から7日経過)の時点で82%の方が分娩を終了している。42週0日(予定日から14日経過)の時点で97%は分娩を終了しているのである。

42週を超えると安全な37-40週のころのお産に比べ、周産期死亡率が1.8倍に上昇するので、これ以上は待つべきではない。 一方で、子宮口(子宮の入り口)が成熟していないと、分娩誘発による不成功率つまり帝王切開率が上昇してしまうため安易に誘発すべきでない。ジレンマなのである。

簡単に言うと、妊婦さんが認識しておくことは、

1. 羊水量や発育に、異常なければ41週ぐらいまで待つことは決して心配なことではない。この頃までに80%以上の人は生まれているはずだ。

2. 41週代に入ると、若干リスクが上昇してくるが、羊水量や胎児心拍数モニタリングで異常なければ、まだ待っても良いだろう。内診で子宮口の成熟度が良ければ、分娩誘発を希望してもよいし、未成熟なら、まだ待ったほうが良い。

3. 42週に入れば、子宮口が成熟していようと、いなかろうと分娩誘発の方がもはや安全と言えるだろう。

この領域は、まだ専門家の中でも論争中でもあるが、概略として覚えておいてもよいだろう。
患者「最近、お腹が張るんです。」

医者「では、張り止めのお薬処方しておきましょう」

簡単に子宮収縮抑制剤であるウテメリンという内服薬を処方する産婦人科医
は少なくない。この薬の内服薬は日本でしか認可されていない。点滴静注用は世界的だが、2-3日の効果が限界と証明された。
つまり、流早産の予防、妊娠期間の延長効果は大変疑問視されているのである。
若干の自覚症状の緩和は統計上示されているらしいが、日本のみ認可されているあらゆる薬は、製薬会社と医者の思惑も絡んでいることを十分認識しないと患者が後で不幸を蒙る事もあるのだ。

妊娠後期は特に、病的でもなく生理的な子宮収縮は当然起こる。一般的に28週ごろには、一時間に2回程度の収縮は起こっている。

経膣超音波で、子宮頸部の長さ(子宮頚管長)が30mm以上あれば、現状では早産は起こりにくい。また、かなり、症状の強い人でも、フィブロネクチンという物質が陰性(-)であれば、ほとんど2週間以内には、早産は起こらないというデータが有名である。

張りという症状が結構あっても、一過性の症状であることが多く、安静にしていれば収まる事を説明して、患者さんが不必要な薬や治療をしないでも安心して帰宅できるように、EBM(evidence-based medicine)を実践しなければ、いい医者とは言えない。

ヤンママは素直?

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10代後半のヤンママ予備軍が数年前から多くなっている。大変喜ばしい。皆想像以上にしっかりしていて頼もしい。何が頼もしいかって、意外に礼儀正しく幼い夫を時に叱ったり諌めたり、また、10代の遊び盛りなのに、自制心もあったりする。もちろん、人によりけりであるが、単純に年齢だけで判断できないものだと言いたい。私は、10代の妊婦さんは大体素直でとてもやりやすいという印象がある。夫は、しょうもないのが多いが、、、。

もう嫌になってしまうのは、病的にしつこくねちっこい心配性の方だ。30代後半の妊婦さんにこういう方が時々いらっしゃる。もちろん頻度は低いが。私のような温和で我慢強い医者に嫌われる人は、まずもって何処に行っても嫌われると、勝手に想像している。心配な気持ちはわかるが、順調なのだから、それを自分で昇華させる年代であることを自覚してほしいのだ。

私は3分診療ではなく、一人平均7分ぐらいかけている。リスクの高い患者さんの説明はもっと長く、薬だけの方にも30秒ぐらいは会話している。ずいぶん良心的であると勝手に思い込んでいるのは自分だけなのか。

という訳で、私にとって、やりやすい患者さんはいい患者さんで、やりにくい患者さんは嫌な患者さんという、簡単な構図になっている。決して、若いから好きとか、年増だから嫌いといっているわけではないので、誤解しないでほしいのだ。

という妊婦さんからの電話で、いつも私たちの方が心臓が止まりそうになる。胎動が感じない=胎児の状態が良くないのかもしれない、という連想なのだが、実際すぐに来院してもらって、NST(ノンストレステスト)という胎児心拍数モニタリングを施行し、反応型という元気パターンを確認すると安心できる。

大体、胎動というのは、初産で18-20週で感じ始めるが、元気サインとしての胎動カウントという自己検査法が有効に使えるのは30週すぎである。それまでは、胎動はあれば安心、無くてもそのうち感じるという気まぐれなものだ。

胎動を感じるコツは、食後、ゆっくりくつろぐことである。次に夜、寝たときが感じやすい。母体の血糖値が高いとき、安静にしているときが赤ちゃんがレム睡眠期で動きやすいのだ。

我々は10カウント法という胎動カウントを30週過ぎに推奨している。どんなときでも、胎児が元気であれば、120分以内に10回の胎動のエピソードがあるというデータも基づいている方法である。 もし120分経ったのに、まだ6回しか動かなかったというときは、すぐに産院に駆けつけて精密検査をすれば、異常を早めに発見できる可能性がある。
2;30AM、4;50AM、12:40PM、3;30PM,4;10PM,6;50PM分娩があり、今なお3人進行中である。もうエンドレスである。先月は100人以上生まれた。ここは、人口密集地帯で、産婦人科開業医が老齢化し続々と分娩を止めてしまっている。この多数の分娩を医師一人で診ている訳ではない。常勤医2人、非常勤医(大学病院に依頼)4人ほどで気をつけながらやりくりしている。

患者さんの苦情、リクエストでしばしば聞くのは、普段外来で診ている医師に、分娩も御願いしたい、あるいは御願いしたかったというものだ。この気持ちは大変よくわかるのだが、数年前の私一人でやっていた時とは、患者さんの数がもう3倍以上になっていて、このままでは私の生死にかかわるので、上記のような体制になったしだいである。最近は患者さんもわかってくれているようだ。
こじんまりしたきれいな産院で細々やりたいと思っていたが、こうなっては倒れるまで後には引き返せないような気がしてならない。ナースや厨房、事務の方を含めて規模が急拡大してしまったからだ。

今日のような深夜に、ここから車で20分の自宅にいる娘のことがふと思い出された。もう4日も会っていないなあ。自分の人生って、家族の幸せってなんだろう?
「今日は調子はどう?」や「大丈夫だよ」とか「おばあちゃん元気?」と言っている医者をすぐに連想できるだろう。これはこれで、例えば、経過が長いとか、入院して手術して医者と患者の関係が十分に熟しているなどあれば、違和感はあまりなさそうだ。でも、あまり望ましいことではないと思っている。

しかし一方で、外来レベルで、しかも、初診で、患者さんに丁寧語を使えない医者はいかがなものだろう。同業からみても、非常に温度差を感じる。何か、時代に取り残されたというか、サービス業としての立場をわきまえていないというか、はっきり言って古い時代の医者であろう。一時代前の白い巨塔のころの医者という感じだ。いや、当時でもおかしい。むしろ、ただの常識のない世間知らずのバカ医者かもしれない。

私は、女子高生が患者として来院しても、丁寧語でお話しする。看護師が時々後で笑うのだが、自分はいたって真面目に接しているつもりである。実際、言葉使いよりも親身になって診ているかどうかの方が大切なのであるが、女性を診察するのであるから、患者さんに不快な思いや不安を与えてはいけないである。

卒後の初期教育を間違えると、医者は一生、患者に対して、一歩高い立場からしか診られなくなるのだと想像している。その他、私が腹立たしいと思うのは、お年寄りに対して、 「、、、だよ。おばあちゃん。わかる?」とか言って説明している若いバカ医者や若い看護師だ。まあ、こういう人たちはきっと近い将来、何らかの形で、懲りる日が来るであろう

さあ、皆さんの係っている医者はどうでしょう。

外来は風邪ばかり

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ほんとに多いです。妊婦の風邪っぴき。私までうつってしまった。当然の如く、飛沫感染なので咽頭痛から来るが、この段階では早期の回復は可能である。

私は、イソジンガーグルで朝、昼、夕うがい。部屋は24時間加湿器、寝るときはマスク使用。そして3-4番目に高いユンケル皇帝液一日2本、ベンザブロックのどスプレーを頻回使用、パブロン内服、そして、良く食べる良く寝ること。

以上、何の根拠も無い自己流の感冒対策でした。

妊婦の場合、イソジン液はヨードが入っているため避けた方が良いという意見もあるが、はっきりしていない。
マルチビタミン剤やサプリメント中のビタミンAはつい過剰摂取(1日10,000単位以上)になりがちなため、妊娠初期の方は是非注意しましょう。