1.豪華な作りやアメニティに過剰な投資をしている産婦人科
  
   →→→医者やスタッフの実力に自信のない表れ。
      女性を意識したサロン風もいいが、最近のものはやりすぎ。

集客に焦点を置き過ぎて、すでに経営者のピントがずれているとしかいいようがない。ちょっとしたおしゃれな産院の建築には少なくとも2億5千万円はかかる。機械設備5千万、土地250-400坪はピンきりだが、1億としても低く見積もって計4億はかかる。郊外の畑の中ならこの程度でできるが、市街地ならぜんぜん足らないだろう。もちろんこの返済は、患者さんから支払われたお金が廻されるのである。

こんな巨額な借金の返済を、まともな医療をしながらできるのか?

できません!
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無痛分娩と夢中分娩

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夢中分娩とは私が勝手に作った造語であるが、意味は分娩中に痛みのあまり助産師のアドバイスや指示が聞けずに発狂したように分娩台で暴れるお産のことである。
頻度はとても低く1-3%ぐらいではなかろうか。やはり、看護サイドとの言葉の壁がある外国人に多いという印象だ。
 こういう時には、速やかに了解をとって腰椎間からチューブを挿入し硬膜外麻酔による無痛分娩にしてあげると大変喜ばれるし、母体の過換気が落ち着き胎児も安心パターンに戻るのだ。
 この硬膜外麻酔分娩は、メリットは字の如くだが、デメリットとしては分娩時間が延長
し、時に帝王切開率が上昇することである。これは、子宮口が4-5cm開大するまで麻酔を開始しないという制限をかけることによって避けられるというデータが多い。
よって、無痛分娩を希望する妊婦さんは、途中まで十分我慢して本格的に分娩が進行してから麻酔を使うようにすれば、比較的安全なのだ。
 
では、私たちスタッフからしてみれば、無痛分娩はどうなのかと言うと、
 
  1.分娩時間が延長して、かつ麻酔薬を使うので母児の観察に細心の注意が必要で
    大変手間ひまがかかる。つまり面倒臭いのだ
  2.勝手な憶測だが、これを希望する妊婦さんは少々依存体質である。つまり、
    お産への覚悟、意気込みが足りない気がする。
    分娩とは、我々に産ませてもらうのではない。
    あなたがうまく出産するのを、我々はサポートするのである。
  3.でも、硬膜外麻酔は大変優れた和痛手段であり、患者さんが十分に
    この麻酔のリスクを理解した前提であれば、用いてもよいと思っている。
    しかも、いざという時に、薬の濃度を上げれば、そのまま帝王切開にも切
    り替えることができるので便利なのだ。
    ただし、観察に手間ひまかかるので、その分自費で料金(5-10万)は頂きますよ。
  
   これが本音である。
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「負け犬の遠吠え」により、改めて30代の女性の独身、子無しは脚光を浴びているが、今後ますます増加傾向にある。私の知り合いにもかつての同級生や仲間を含め、たくさんの負け犬たちがいる。別に負けてはいないと思うのだが、彼女たちの目の奥には母性愛であるとか、自分の挙児願望が溢れているのが良くわかる。

そう、本音は皆、「いまさら夫はともかく自分の子が欲しい。」である。
 
私でさえ仕事で毎日赤ちゃんと接していて楽しくて仕方が無いのだ。指でも何でも吸い付こうとする生命力や母親に抱かれた時の安心しきった寝顔をみると感心せずにはいられない。もう全員抱きしめてしまいたくなる。
 
もう10年も前から、つまり私が20代の頃から、生意気にも知り合いの30代女性に「未婚の母でもいいから子供はいた方がいいですよ。世間体なんて関係ない。」とウンチクを垂れていた。我ながら非常に感じの悪い後輩であった。もちろん女性にそれなりに経済力があることを前提にしてである。
 でも、子供はまともに育つのか?こればかりはわからない。世間は未だに白い目で見るだろう。また、行政からの保障や取り巻く生活環境も不十分だ。
 しかし、もはや選択肢の一つとして、個々人が十分吟味して良い段階なのではないかと10年経ってつくづく思うのである。

6人のお誕生会

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3年前この時期に、当院で同じ日に8人の出産があってびっくりしたのだが、その8人の内の6人のお母さんと子供が集まってお誕生会兼仲良し同窓会が、あるお家で昨日お昼前から開かれ私は今回初めて招かれた。うれしかったのだが、6人のお子ちゃまに何のプレゼントを用意するか一週間も悩んでしまったのだ。
こういう時は、例えば心のこもった手作りの何かをあげるのがいいと思われるが、一方で、私が手作りの物を用意する時間もアイデアも無いことは事実であるので、特製豪華キティちゃんグッヅとか、男女別に用意して10個ぐらい持って行ったらやはり兄弟姉妹連れ計9人の子供がいて助かったと思った。
さすが3-5歳のガキが集まるともう収集がつかなくなり、食べ物の争いで泣き叫びけんかして、昔の古き良き幼少時代を彷彿させた。保育園や幼稚園就学前からこういう仮想兄弟のような環境は、お母さんたちにも新鮮そうであった。

お食事会の最後の方は私は蚊帳の外のような感じになったが、こうやって着実に私関連ネットワークが増えていき、内心しめしめと思っていた私であった。しかし、後で聞いた話であるが、お母さん達は私をうまく持ち上げて今後の会のスポンサーにしてしまおうという、なかなか見上げた企みもあったらしい。まあ結構なことなのでその策に乗ってあげようと思う。

毎回健診時に超音波診断をするが、医学的に明らかなメリットは限られている。しかし、今では毎回しないと妊婦さんの気が済まなくなっているので、サービスでしているのであるが、タイトルの如く男女の性別判定の希望が多い。
というか、そればかりでウンザリしてしまう。

昨日などは、聞かれたので画面で丁寧に「この部分が木の葉のように見えるから女の子ですよ。」と教えてさし上げたら、
「えっ!本当ですか?そんなはずはないのではないですか?だって、みんなにお腹が尖ってるから男の子って言われますよ。地域の長老もそう言ってましたから。」
「じゃー聞くな!だいたい何だ!地域の長老って?」と言いかけたが、ぐっと堪えて笑顔で、「次回も念のため見ましょうか」と言って納得してもらった。

私の場合、性別判定で間違ったことはないが、それでも妊娠20週を過ぎてからの判定がより正確であるし、また倫理的にも無難であると経験しているので、あまり早い時期のリクエストは受け付けない。
今日の出産費用の平均は把握していないが、おそらく入院して自然分娩後5日目ぐらいで退院すると、施設によって異なるが30万から50万ぐらいの間ではないかと推測している。妊婦健診10数回も含めれば、さらに5-7万といったところであろうか。公的な給付金は現在30万円であるから、当然足が出ることになる。

患者さんからしてみれば、分娩費は高いと思うだろう。しかし、経営者側から見れば、リスクに適った料金とは言いがたく、かなり安いと感じる。 24時間、かかりつけの産婦人科医として対応しているし、中には正常妊娠、正常分娩ではなく急変する母体や胎児、新生児に迅速な処置(帝王切開、高次施設への搬送依頼)をほぼ患者さんに保証しているのだ。 もしなにか手落ちがあり大問題になった時に、我々の対応が適切であったかが問われることになるし、このリスク管理には人件費も含め多大な経費を日々、使っているのである。私とスタッフは、全力で4000人のお産に携わったが、その中には残念な結果をたどった一人の患者さん家族との訴訟の件も含まれている。

お産は異常がない限りは、社会保険や国民健康保険は使えない。また、我々がこの患者さんには保険でやろうと思っても、日本の医療財政が破綻しそうなので7割分を最近は支払ってくれないこともある。

私も本音としては、患者さんごとにリスクも異なるので、この方は物分り良くお産も順調だったので35万円、この方は入院して4時間で生まれ手が掛からなかったので25万円、この方は肥満で分娩リスクも高く、性格も悪いので55万円と、個別に時価で設定したいのであるが、到底皆さん容認できませんよね。

つくづく思うが、妊婦さんの実のおかあさんの扱いにはほとほと疲れることがある。
なにしろ実の娘の妊娠、分娩である。さぞかし心配であろう。気持ちはわかるが今回の妊娠の主役は、娘夫婦と生まれる赤ちゃんである。
例えば、経過にちょっとした異常があり、お話をする時、私の目の前には実のお母さん(おばあちゃん)が陣取っていることがよくある。夫は?というと、隅の方に追いやられていたりするのだ。
私はこういう時、夫に、責任者は自分であるという自覚を芽生えさせるためにも、そして、強いおばあちゃんにも一歩ひかせるためにも、注意するのである。
そうすると次回からは、話の時や出産の際のご家族の集合時には、夫が頼もしく変身していることが多い。
これは、特に若いお父さん(夫)の時にとても効果があるように思える。
そして不思議なことに、そのお父さん(夫)から、後で握手を求められることもしばしばであった。

妊婦健診で時々、希望があれば胎児の超音波診断を夫に披露しているが、夫が診察室に入る時に大体3通りの言動が観察される。

1.無言のままの人
2.頭をさげる。もしくは、「こんにちは」という人
3.「はじめまして。いつも妻がお世話になっています。」と言う人

普通は、であろうと思うが、も多い。は全体の15%ぐらいであろうか。
私は比較的、平等と言われているが、私もやはり人の子である。
どうしてものカップルには懇切丁寧な診察と熱心な説明を提供してしまう。
あまり信じたくはないが、のような夫の妻は、やはり普段からそういう妊婦
さんなのである。
ちなみに1,2,3の違いに、夫の年齢はそれほど関係ないと思われる。
妊婦、小児、老人、慢性疾患患者の4つのグループは、CDC(米国疾病予防センター)やその他の発表によると、インフルエンザ重症化のハイリスクグループである。よって、当院では妊婦さんにワクチン接種を推奨しているが、なんと厚生省はまだそこまでの判断が及んでいないようだ。さすが遅れている。当院では妊婦さんに格安で提供していたら、「夫のも打って」「友人も打って!」「妹も御願い!「隣のおばさんも!」となりあっという間に無くなってしまった。しかも赤字である。今度から「ご友人や隣のおばさんは、重症化のグループに入らないのでお高くなりますよ」と言うことにしよう。