Thu, September 22, 2005
posted by obaragoroku
■素晴らしきタクシー野郎
テーマ:ブログ
オレはよくタクシーに乗る。
日中の打合せの移動時、夜仕事場から飲みに行く時、飲んで深夜帰宅する時・・・。
気がつくと、朝から晩までずっとタクシー移動だったりする日もある。
電車で動ける時はできるだけ電車で、とも思うのだが、つい「面倒くさい」が先に立ってしまう。(もちろん全て自腹です)
先日も昼過ぎ、恵比寿の仕事場から赤坂見附方面の打合せ場所まで行くのに、(この時は急いでいた)ついタクシーに乗ってしまったのだが・・・。
今回は、そん時の面白エピソードと心象風景をちょっとショートストーリー風に書いてみよう。
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■素晴らしきタクシー野郎■
急いでタクシーに乗り込んだオレは、「えっと、赤坂見附と青山一丁目の間の246沿いの辺りまで」と運転手さんに告げた。
50才半ばとおぼしき初老の運転手さんは、「わかりました。○○辺りから246に出てしまうルートと、○○交差点を経由して○○通りを抜けるルートがありますが、どっちがいいですか?」、と尋ねてきた。
タクシー運転手さんから良く「どうやって行きますか?」という質問を受ける事があるが、オレ自身が詳しい道を知らない場合は、当然ながらこう答える。
「えーっと・・・、早いほうで」(ちょっと苦笑)
今回も同様に「早いほうで」と答えるオレ。
「了解です。じゃあ早く着くほうで行きますね!」と運転手さん。
彼の、“早く着くほう”の“ほう”に妙に力がこもっていたせいか、はたまた、彼の毅然とした態度と口調が何か確固とした確信に満ちているように思えたせいか、一瞬、「“早く着くほう”以外に他にどんな選択肢(メニュー)があるんだろう? きっと何か別メニューがあるに違いない」と思い、考えてみた。
メニュー1.「早く着く」ほう
メニュー2.「早く着かなくていいから、いつもの自分のお決まりのルート」で行くほう
メニュー3.「あんまり通った事のないルートで風景を楽しみながら走る」ほう
メニュー4.「どうせ会社の金だし、社内で昼寝したいので、できるだけゆっくり行く」ほう
メニュー5.「運転手さんとじっくり会話を楽しむ」ほう・・・・・。
世の中にはいろんな人がいるから、きっと中にはとんでもないリクエストを出してくる客がいるんだろうなー。
例えば、
「運転手さん、走らなくていいから、30分くらい寝かせてくんない?」とか、
「金ならなんぼでも払うから、大声で歌うたっていい?」とか、
ぼんやり窓外の風景を眺めながらそんな馬鹿げた事を考え、ふと我に返ると、この運転手さん、すっごい飛ばす飛ばす! 割り込みギリギリでガンガン走るし、カーブも交差点もグイグイとタイヤの軋み音を立てて曲がるのだ。 しかしメチャクチャ乱暴な運転というわけではなく、熟練の深みを感じさせるハイレベルのドライブテクがある。
しかも、細い路地の裏道という裏道を、寸分の気の迷いもなく右に曲がり、左に曲がり、先々の道路の混雑状況を瞬時に判断しながら、目的地に向かっていかに最短距離&最速で辿り着けるかを目標に一心不乱にハンドルを切っているようだ。
その様子はレースのようにも見えたが(思わず、運転手さん次を右! とナビしてあげそうになった)、もちろん彼は誰かと競っているわけではなく、当然お客さんのため、という気持ちはあるのだろうが、それよりも何か「自分自身に対する挑戦」をしているように見えた。
思わず、「運転手さん、すごい裏道行きますねー」と話しかけると、
「いやー、あっちの道入っちゃうと混んでそうですからね」と淡々とした答え。
ふと時計を見ると、打合せ開始時間1分前。
オレ、携帯で先方に電話する。 「すんません、今タクシーで向かってまして、そうですねー、あと10分、いや5分以内で着くと思います」。
すると運転手さん、無言のままさらに加速!
目的地近くまで来たとき、彼はようやく口を開いた。
「お客さん、どこに付けますか?」
「次の信号を右に曲がってちょっと行ったビルの前で」とオレ。
そして到着!
時計を見ると、さっき「5分以内で」と言った時間からきっかり5分後!
リュック・ベッソン監督の映画「TAXi」を彷彿とさせるエンディング。
「ブラボー!! 運転手さん、あんた最高だよ! 本物のプロフェッショナルだ! 職人だよ!」 と心の中で叫びながら、その感情を押し殺すように運転手に向かって言った。
「いやー、運転手さんホントに早く着きましたねー。プロですねー」
すると彼は満面の笑みをうかべて照れながら、
「いやー、お客さんにそういう事言われちゃうとプライドがくすぐられるっていうか、よし、次も頑張るぞ! って燃えちゃうんですよねー」
「じゃあこれからも頑張ってください」
と言い残してオレは車を降りたのだった。
「プロ」。いい言葉だ。
プロにはプロの自負と誇りがある。精神の格調と美学がある。
プロ(=職人)って、現代社会に生きる最後のサムライ、なのかも知れないな。
★今日の格言: プロは誉められて育つ!
日中の打合せの移動時、夜仕事場から飲みに行く時、飲んで深夜帰宅する時・・・。
気がつくと、朝から晩までずっとタクシー移動だったりする日もある。
電車で動ける時はできるだけ電車で、とも思うのだが、つい「面倒くさい」が先に立ってしまう。(もちろん全て自腹です)
先日も昼過ぎ、恵比寿の仕事場から赤坂見附方面の打合せ場所まで行くのに、(この時は急いでいた)ついタクシーに乗ってしまったのだが・・・。
今回は、そん時の面白エピソードと心象風景をちょっとショートストーリー風に書いてみよう。
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■素晴らしきタクシー野郎■
急いでタクシーに乗り込んだオレは、「えっと、赤坂見附と青山一丁目の間の246沿いの辺りまで」と運転手さんに告げた。
50才半ばとおぼしき初老の運転手さんは、「わかりました。○○辺りから246に出てしまうルートと、○○交差点を経由して○○通りを抜けるルートがありますが、どっちがいいですか?」、と尋ねてきた。
タクシー運転手さんから良く「どうやって行きますか?」という質問を受ける事があるが、オレ自身が詳しい道を知らない場合は、当然ながらこう答える。
「えーっと・・・、早いほうで」(ちょっと苦笑)
今回も同様に「早いほうで」と答えるオレ。
「了解です。じゃあ早く着くほうで行きますね!」と運転手さん。
彼の、“早く着くほう”の“ほう”に妙に力がこもっていたせいか、はたまた、彼の毅然とした態度と口調が何か確固とした確信に満ちているように思えたせいか、一瞬、「“早く着くほう”以外に他にどんな選択肢(メニュー)があるんだろう? きっと何か別メニューがあるに違いない」と思い、考えてみた。
メニュー1.「早く着く」ほう
メニュー2.「早く着かなくていいから、いつもの自分のお決まりのルート」で行くほう
メニュー3.「あんまり通った事のないルートで風景を楽しみながら走る」ほう
メニュー4.「どうせ会社の金だし、社内で昼寝したいので、できるだけゆっくり行く」ほう
メニュー5.「運転手さんとじっくり会話を楽しむ」ほう・・・・・。
世の中にはいろんな人がいるから、きっと中にはとんでもないリクエストを出してくる客がいるんだろうなー。
例えば、
「運転手さん、走らなくていいから、30分くらい寝かせてくんない?」とか、
「金ならなんぼでも払うから、大声で歌うたっていい?」とか、
ぼんやり窓外の風景を眺めながらそんな馬鹿げた事を考え、ふと我に返ると、この運転手さん、すっごい飛ばす飛ばす! 割り込みギリギリでガンガン走るし、カーブも交差点もグイグイとタイヤの軋み音を立てて曲がるのだ。 しかしメチャクチャ乱暴な運転というわけではなく、熟練の深みを感じさせるハイレベルのドライブテクがある。
しかも、細い路地の裏道という裏道を、寸分の気の迷いもなく右に曲がり、左に曲がり、先々の道路の混雑状況を瞬時に判断しながら、目的地に向かっていかに最短距離&最速で辿り着けるかを目標に一心不乱にハンドルを切っているようだ。
その様子はレースのようにも見えたが(思わず、運転手さん次を右! とナビしてあげそうになった)、もちろん彼は誰かと競っているわけではなく、当然お客さんのため、という気持ちはあるのだろうが、それよりも何か「自分自身に対する挑戦」をしているように見えた。
思わず、「運転手さん、すごい裏道行きますねー」と話しかけると、
「いやー、あっちの道入っちゃうと混んでそうですからね」と淡々とした答え。
ふと時計を見ると、打合せ開始時間1分前。
オレ、携帯で先方に電話する。 「すんません、今タクシーで向かってまして、そうですねー、あと10分、いや5分以内で着くと思います」。
すると運転手さん、無言のままさらに加速!
目的地近くまで来たとき、彼はようやく口を開いた。
「お客さん、どこに付けますか?」
「次の信号を右に曲がってちょっと行ったビルの前で」とオレ。
そして到着!
時計を見ると、さっき「5分以内で」と言った時間からきっかり5分後!
リュック・ベッソン監督の映画「TAXi」を彷彿とさせるエンディング。
「ブラボー!! 運転手さん、あんた最高だよ! 本物のプロフェッショナルだ! 職人だよ!」 と心の中で叫びながら、その感情を押し殺すように運転手に向かって言った。
「いやー、運転手さんホントに早く着きましたねー。プロですねー」
すると彼は満面の笑みをうかべて照れながら、
「いやー、お客さんにそういう事言われちゃうとプライドがくすぐられるっていうか、よし、次も頑張るぞ! って燃えちゃうんですよねー」
「じゃあこれからも頑張ってください」
と言い残してオレは車を降りたのだった。
「プロ」。いい言葉だ。
プロにはプロの自負と誇りがある。精神の格調と美学がある。
プロ(=職人)って、現代社会に生きる最後のサムライ、なのかも知れないな。
★今日の格言: プロは誉められて育つ!







