• 20 Aug
    • 川瀬七緒さんの「フォークロアの鍵」を読了。

      羽野千夏は民俗学を専攻する大学院生。 昔話や口頭伝承研究のフィールドワークとして、グループホーム「風の里」に通い始めた。 そこは、認知症を患い、問題を起こす老人ばかりが集まる施設だった。   千夏はそこで、コミュニケーションのとれない一人の女性がきれぎれにつぶやく 言葉の「おろんくち」に、心をざわつかせる。   間に挟み込まれる高校生の大地の物語。 母親の重すぎる期待が鎖のように身を縛り、学校にも通っていない。 大地の心の叫びが実に重く、息苦しいが、 いつか千夏と出会うのだろうと、ようやく読み進められる。   千夏はネット上で、「おろんくち」の意味を尋ねまわるが、 それに答えたのが大地だった。   認知症に苦しむ老人たちにも、それぞれ、輝いていた人生がある。 一人一人から、その「消えない記憶」を必死で聞き取ろうとする千夏に、 老人たちはいつしか心を開き、「おろんくち」の意味をさぐる千夏の手伝いを するようになる。   老人たちは単なる弱者ではなく、それぞれが強烈な個性を輝かせている 人間だ。   重苦しい問題をはらんでても、認知症を患っていても、 老人たちが生き生きと描かれ、千夏や大地との交流の温かさが 心にしみる。     フォークロアの鍵   Amazon        

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  • 18 Aug
    • 司城志朗さんの「百年経ったら墓の中」を再読。

      1990年に刊行された作品。   ぜんぜん、古さを感じさせない。テンポのよい語り口、あれよあれよという間に ストーリーはどんどん展開していく。   会話のキャッチボールも軽妙で、ついニンマリしてしまう。   オッサン(40歳)の便利屋、鉄郎と、 はたちを過ぎたばかりの、少々、オツムが弱そうなフーゾク嬢のフー子が、 ひょんなことから知り合い、借金返済やら、殺人事件やら、拉致監禁された 友達の救出やらに、ドタドタ、バタバタと巻き込まれていく。   常にフー子に振り回されっぱなしの鉄郎に同情しつつ、 「がんばりや~」と叱咤激励したくなる、軽めのハードボイルド。    

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  • 16 Aug
    • 乃南アサさんの「未練」と「嗤う闇」を読み返してみた。

      やっぱり、「女刑事 音道貴子」は最強の女性刑事モノの一つだ。   「未練」と「嗤う闇」を続けて読み返してみた。 って、ミステリーを何度も読み返すワタシって、どうヨ。   トカゲと呼ばれる機捜の隠密部隊での活躍を描いた「凍れる牙」、 人質にされ、過酷な状況に陥った「鎖」の長編小説2作を経て、 「未練」と「嗤う闇」はどちらも短編集。   さまざまな表情の音道貴子に出会える。   例えば、「鎖」で大きなダメージを負った直後から始まり、 しかし、ゆっくりだが、再生を果たす「山背吹く」。   幼児殺人、そして幼児虐待がテーマとなった「聖夜まで」など、 事件に真摯に向き合う、立ち向かう音道の姿が生き生きと描かれている。   さらに、音道とコンビを組む刑事たちも個性的て面白い。 なんといっても、「凍れる牙」でコンビとなり、「鎖」にも登場した 滝沢刑事にまた会えたのが嬉しい。          

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  • 14 Aug
    • 大山淳子さんの「光二郎分解日記 西郷さんの犬」を読了。

      「相棒は浪人生」に続く、「光二郎分解日記」シリーズの2作目。   大山淳子さんは、解決まで時間がかかりイライラするミステリーを 「イラミス」と呼んでいる。   イライラするのは光二郎さんの言動ではない。前作を読んで、 光二郎さんはブレない人だとわかったから。   今回は、むしろ、孫のかける。   あれ、前作のかけるは、こんなにポンコツだったっけ。 ポンコツなのだが憎み切れない。やっぱり、「いい子だ」と思わされる、 そこがイライラするのだ。   さて、今作では、「おぼっちゃま」刑事の頭野の素性が明かされる。 このシリーズのゆるやかな雰囲気に、どこか剣呑な空気が入り込む。   上野の西郷さんの銅像から、愛犬の姿が消えた。 像を盗んだ犯人とは、そしてその目的とは…。     光二郎分解日記 西郷さんの犬   Amazon  

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  • 12 Aug
    • 中山七里さんの「連続殺人鬼 カエル男」を読了。

      渡瀬刑事が登場する、中山七里さんの「ネメシスの使者」を「立ち読み」した。   というわけで、そういえば、渡瀬が出てくる「カエル男」がウチにあったことを思い出し 読み返してみた。   ところどころ忘れていたこともあるけど、中山さんの作品はミステリーといえども 何度読み返しても、その展開にドキドキする。   マンションの13階から吊り下げられた女性の全裸死体、公園で見つかった男児の バラバラ死体、車いすの男性の撲殺されて焼かれた死体。   一つの街で立て続けに起こった猟奇的殺人。いずれの現場にも、 「きょう、かえるをつかまえたよ」で始まるメモ書きが残されていた。   デカものとして、実に派手な事件でひきつけているが、 常に問題となる、責任能力を問う法律、刑法第39条、 そして、過去に酷い虐待を受け、心が崩壊した者が実行する犯罪と、 なかなか重いテーマが柱となっている。   骨太な読み応えのある作品だ。            

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  • 11 Aug
    • 内藤了さんの「ON 猟奇犯罪捜査斑 藤堂比奈子」を読了。

      藤堂比奈子との出会いは、TVドラマのほうが先だった。   今回、原作を読んで、ドラマでは藤堂比奈子のキャラにかなり手が加えられていた ことに驚いた。   原作の比奈子は、猟奇的犯罪現場の写真から目をそらし、 犯罪を憎み、被害者に寄り添い、親友の死に号泣する。   実に生き生きと描かれている。   ワタシ個人としては、原作の比奈子のほうに 共感できるなぁ。       ON 猟奇犯罪捜査班・藤堂比奈子 (角川ホラー文庫)   Amazon    

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  • 09 Aug
    • 平岩弓枝さんの「新・御宿かわせみ 花世の立春」を読了。

      「御宿かわせみ」は新シリーズになって、2、3冊読んだ。   読んでいて、登場人物も殆どが馴染みの人々で、これはこれで面白いのだが、 昔の「御宿かわせみ」ファンとしては、どうも物足りない。   やはり、それは東吾がいないせい、そして、なんといっても、畝源三郎がなくなってしまった せいなのだろう。   さらに、江戸の捕物帳が大好物のワタシにとって、時代の違いにも違和感を覚える。   ま、こんなことを言っても、「昔はよかった」、「あの頃は…」とグジグジという、 老人の繰り言としか思われないのだろうが…。    

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  • 08 Aug
    • 島田荘司さんの「屋上の道化たち」を読了。

      トリックはコートームケーなほど読んでいて楽しい。   半ば過ぎまでの、挟み込まれた「トム・クルーズくん」の話や、 ティッシュ配りのサンタクロースの話、屋上の呪いの話が事件の要素となって、無駄がない。   そして後半近くになり、ついに御手洗潔の登場である。   例によって天才は独りよがりだが、屋上の呪いも、何もかも、鮮やかに 謎を解き明かしてくれるのだ。    

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  • 07 Aug
    • ”イラミス”って?

      作家の大山淳子さんは、イライラさせるミステリーに「イラミス」と名付けている。   「何やってんだよう」と、主人公を叱咤激励したくなったり、 「ああ、もう!」と、カッカソーヨーしたりする。   結局、たっぷり感情移入ができていて、それは多分、作者の思う「ド」壺にはまっているということ なんだろうなぁ。   でも、ワタシは「イヤミス」より、好きだけど。     光二郎分解日記 西郷さんの犬   Amazon  

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  • 06 Aug
    • 逢坂剛さんの「宝を探す女」を読了。

      逢坂剛さんの作品には、御茶ノ水、神保町界隈がよく出てくる。   「古今の多くの小説家が通いつめてきた神保町だが、この街への思い入れにおいて追随を許さないのが 逢坂剛である」と千街晶之さんが今作の解説に書いている。   ワタシが逢坂さんのファンである理由の一つに、このことが大いに関係する。   御茶ノ水はワタシが青春を過ごした街だからだ。 20代前半、駅前の喫茶店でバイトをし、そのバイトにのめりこみ、 恋をし、大学をやめ…。   いろいろあったなぁ。   この作品には、御茶ノ水駅に近いビルで調査研究所なるものを開き、 さまざまな種類の調査を行う岡坂紳策の短編5編が収録されている。   岡坂神策シリーズ、いつも御茶ノ水の街を思い出しながら、楽しませてもらっている。       出典:街画ガイド       宝を探す女 (角川文庫)   Amazon              

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  • 04 Aug
    • 伊岡瞬さんの「代償」を読了。

      奥山圭輔が小学5年の時、遠い親戚だという同い年の浅沼達也が近所に引っ越してきた。 このときから、奥山家の崩壊が始まる。   達也が圭輔の家に泊まりに来ていたクリスマスイブの夜、 火災が発生。圭輔は両親を一度に亡くすことになる。   その後、圭輔は達也の家に引き取られ、達也の母が後見人となるのだが…。   この作品は、圭輔の小学生から中学時代を描いた1部と、 成人して弁護士となった後の2部からなる。   圭輔が直面するあまりにも過酷な運命に、何度も「途中ギブ」しそうになった。 しかしどうしても結末が気になり、そして、もう一つ、 圭輔の味方である諸田寿人の存在が、ストーリーの先行きへの希望の光となって、 読み通すことができた。  

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  • 02 Aug
    • 貫井徳郎さんの「悪党たちは千里を走る」を読了。

      悪党には違いないんだけど、 どこか間が抜けていて、お人好しで、憎めない詐欺師3人組。   金持ちをカモにしようとすれば邪魔され、 犬を誘拐しようとすれば、子どもにその計画を見抜かれる。   そんな3人のやりとりにクスッとしたり、スピード感ある展開に、 結末まで息つくひまなく読み通してしまった。 これぞ、エンターテイメントだ。  

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  • 01 Aug
    • 夏のおやつの定番。

      と言ったら、アイスクリーム。   こっちは、日本のように、氷菓子にいろいろな種類があるわけではない。 というわけで、アイスリームは一年中、おやつとして活躍する。   夏場は毎日のように食べてしまうので、 個売りのカップタイプを買ってもいられない。 それで、ウチではバケツ。   1.25ガロン(約4.73リットル)入りで6ドルくらいだから、 費用効率は抜群。   だが、冷凍庫のどこに入れるのかに、いつも頭を悩ませる。      

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  • 31 Jul
    • 相場英雄さんの「ガラパゴス」を読了。

      上下2巻で、読み応えのある作品だった。   人間扱いされない派遣労働者、欠陥車隠し、トラブルの隠蔽など、日本経済、 製造企業、人材派遣会社が抱える問題、そして闇が凝縮されたミステリーだ。   警視庁継続捜査班の刑事、田川は、同期の鑑識課、木幡から 身元不明遺体の身元割り出しの手伝いを頼まれる。   その作業中、自殺として処理された男性遺体の写真から、 実は、他殺体であることを見抜く。   その瞬間から、長く困難な捜査が始まるのだ。   だが、最後がなぁ~。権力を持つ人間がよってたかって、 真実に蓋をする。巨悪に手が届かない。 そんな構図の作品は、もう、飽き飽きなんだけどな。   だからやっぱり、スーパーヒーローの登場を、誰しも 願ってしまうんだろうな。  

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  • 30 Jul
  • 29 Jul
    • 大倉崇裕さんの「警視庁いきもの係 クジャクを愛した容疑者」を読了。

      こちらもオッサン刑事(現在は刑事ではないが)と 女性警官とのコンビ。   先日読み終えた「噂」と違って、こちらの女性警官は少々オトボケだ。   この作品は、警視庁いきもの係シリーズの4作目。   二人のコンビぶりには磨きがかかり、薄の日本語能力の迷走ぶりは 一段と迫力を増す。 作品中の1編で、登場人物の「あんたら面白れぇなぁ。見てて飽きねぇよ」という セリフが、このコンビをよく表している。   今作では、いつものメンバーに加えて新しい仲間が登場したり、 須藤が監察に目を付けられ、クビ寸前にまでなったりと、盛りだくさんだ。    

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  • 27 Jul
    • 荻原浩さんの「噂」を読了。

      10年位前の作品だが、色褪せず、面白く一気に読んだ。 「レインマンが出現して、女のコの足首を切っちゃうんだって。でも、ミュリエル(香水)をつけていると、 狙われない」。口コミで広まったこんなうわさ通りの事件が起きる。犠牲者は2人、3人と増え…。 事件を追う中年のオッサン刑事と若い女性刑事のコンビが実にいい。 こういうコンビを描く作品はあちこちで見かけられるが、 この二人は、ひらめきがすごいわけでもなく、腕っぷしがたつわけでもなく、 地道に、コツコツと犯人を追い詰める。 二人とも、根性のすわった警察官だ。   読書日記ランキング

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  • 26 Jul
    • ハンパないカロリー。

      きのうは、家族の一人が誕生日だということで、 チーズケーキファクトリーのケーキが届いた。 キーライムや、バナナ、ティラミス、オレオなど数種類を 1ピースずつ買ってきてくれたのだが、 ここのチーズケーキは、まあ、「これぞ、アメリカ」という感じで、 こってり、大甘。 殆どが、1ピースだけで、1000カロリー近くある。 中には、1200~1300あるものも。 アメリカ人は、ステーキやハンバーガープレートの他に、これをペロッと食べてしまうんだから、 肥満にならないわけがない。  

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  • 22 Jul
    • 小林泰三さんの「大きな森の小さな密室」を読了。

      かなりクセのある作品だった。7編の中にそれぞれ探偵役をつとめる個性的な人物が登場。その人物が次の編にも出てくるという、なかなか凝ったつくり。中にはトリッキーすぎて、少々キツイものもあるが、変則的なものが好きな人なら楽しめるかもしれない。

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  • 19 Jul
    • 吉永南央さんの「ランタン灯る窓辺で アパートメント・ストーリーズ」を読了。

      あの、「紅雲町シリーズ」の作家さんである。アパートメント・ストーリーズは、亡き祖母の代わりに、大家業を押し付けられた(はじめは)司法浪人である瑞輝の、いわば、成長ストーリー。アパートという、見ず知らずの他人が棲み暮らす一つの箱。そこを舞台にした作品は、いろいろある。さまざまな人間模様を描きやすいシチュエーションなのだろう。さらに、この作品の舞台、「ランタン楼」は外国人ばかりが棲むアパート。その日常の中で感じ取れる違和感を、大家代理の瑞輝が解き明かそうとする。力足りず、問題が解決できずに店子を失うこともあるが、住人たちとの触れ合いや、関わり合いの中で、瑞輝は成長していく。続編を望むストーリーである。

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