「これは飲み物じゃない。おいしくない!」-。

 作品の大豆飲料を口にした山梨大ワイン科学研究センターの柳田藤寿(ふじとし)教授(49)に酷評され、大豆加工食品メーカー「白州屋まめ吉」(山梨県北杜市白州町)の榑林(くればやし)剛社長(43)は発奮した。昨年7月、「やまなし食のマッチングフェア」の同社ブースでの出来事。同社はこれ以前の平成20年春から乳酸発酵させた大豆飲料の開発に着手していたが、「発酵時の臭味をどう抑えるかが商品化の最大の壁」(榑林社長)だった。試作品の味は「美味」にほど遠かった。

 酷評に「カチンときた」と振り返る榑林社長だが、翌月には食品科学、醸造学が専門の柳田教授の元を訪れ、協力を依頼する。

 別のメーカーとの研究で乳酸発酵の際にワイン酵母を加えると臭味を抑制できると突き止めていた柳田教授のアドバイスを受け、乳酸菌やワイン酵母を選定。山梨大ワイン科学研究センターと共同開発の形で商品化にこぎ着け、今月16日から販売を始めた。

 同センターは国立大で唯一、ワイン醸造を手掛けており、榑林社長は「柳田教授の指導のおかげで臭味を抑えられ、酷評した先生に相談したことが商品化に結びついた。不思議な縁を感じます」と喜んでいる。

 商品名は「大豆で作った飲むヨーグルト」で、使われているのは山梨大が開発したオリジナルの「山梨ワイン酵母(W-3)」。粉砕した地元産の大豆を南アルプス山系の仕込み水に溶かし、乳酸発酵の際にワイン酵母を加えて特有の大豆臭を抑えた。甘みがあって飲みやすくヘルシーなのが特徴だ。

 1本(150グラム)に大豆5グラム(約30粒分)が含まれ、大豆を煮て搾り、おから(繊維質)が除かれる一般的な豆乳と比べて「栄養価が高く、豆乳嫌いな人にもお薦めできる」と榑林社長。食品衛生法上は清涼飲料水となり、ワイン酵母を使ったものは珍しいという。

 商品化は地域活性に向け、北杜市と山梨大が3月に結んだ包括協定に基づく連携、開発の一環。飲料ボトルには「農学博士Dr.ヤナギダ」の文字と似顔絵が添えられた。

 オープン価格で月産3万本が目標。中央自動車道の談合坂、双葉サービスエリアやスーパーのアマノパークス山梨県内全店などで150円前後で販売している。同社ホームページから購入できるほか、首都圏などにも販路を拡大する方針。6月に新宿高島屋で開かれる大学フェアで売る計画もある。

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