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2016-09-27 19:39:15

子宮内膜スクラッチについて

テーマ:船曳美也子
医師の船曳美也子です。 

Endometrial scratching for subfertility: everyone’s doing it
S. Lensen New Zealand H&R Vol.31, No.6 pp.1241-1244, 2016

これは、2016年3月にでた論文です。オーストラリア、ニュージーランド、
イギリスの不妊施設において、子宮内膜スクラッチが勧められているか?
と調べたものです。時期は、2015年8月から10月。この調査を依頼した
189のクリニックのうち、適格な返答があった143施設の答えは。83%が
子宮内膜スクラッチを行っていて有効性を感じているというもの。そして、
対象は92%が体外受精の反復不着床の場合に行う、でした。

当院では、すでに6年前の2010年より、IFCEと命名した子宮内膜再生技術を
行っています。IFCE(子宮内膜再生技術)として、子宮鏡、子宮内膜スクラッチ、
病理組織検査をセットで行います。子宮鏡で子宮内膜ポリープなどがあった
場合は、後日切除します。また、病理検査で慢性子宮内膜炎という病態が
見つかったかたには有効な抗生物質を内服いただきます。また、正常であった
かたにも、子宮内膜スクラッチはその後の妊娠に有効です。また、施行の
ポイントは、スクラッチの部位に胚移植することです。ですので、この論文でも、
施術と移植は同じ施設で行われています。
http://www.oakclinic-group.com/ifce/

ちなみに、この3国は、コモンウエルスという英連邦のメンバーで、他にもカナダとか
入っていますが、4年に1回連邦参加国でのオリンピックのような競技会もしています。
オーストラリアの硬貨にエリザベス女王の顔がのっているのも納得ですね。

About endometrial scratching

This is the paper published in March 2016 which showed the proportion of clinicians
across Australia, New Zealand and the UK that are currently offering or recommending
endometrial scratching for subfertility from August to October of 2015. The result was
83% of clinicians responding to this survey are recommending endometrial scratching
for women undergoing IVF, mainly for repeated implantation failure. 

In our clinic, we have a technique with intrauterine fiberscope and curettage of the
endometrium, also known as IFCE. We have implemented this procedure since 2010,
which is 6years ago. If there is an endometrial polyp, we will remove it at a later stage.
If there is chronic endometriosis, we will prescribe suitable antibiotics. Even though the
endometrium is histopathologically normal, scratching itself works effectively for the
next pregnancy. And the important point is the site of scratch and embryo transfer
should be close. That’s why in this paper scratching and transfer are done in the same
facilities.
http://www.oakclinic-group.com/english/funin_eg/ss_ifce_eg.html

By the way, these three countries are the members of Commonwealth of Nations,
which includes Canada, Australia etc. They have their own Olympic games every
4 years. I understand why Queen Elizabeth’s face is carved on the Australian coins.


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2016-08-08 11:26:50

自己抗体(抗核抗体とくに抗セントロメア抗体)と多核受精卵

テーマ:田口早桐
医師の田口早桐です。

体外受精をすると通常は翌日に、受精卵の中に2つの核が見えます。
男性側からの核と女性側からの核で、前核といいます。これで正常に
受精が行われたとみなします。

もし3つ、4つ、それ以上前核が見えた場合は多核といって異常受精
とみなし、受精卵が異常である可能性が高いので、移植から排除する
ことが通常です。顕微授精でない場合は、複数の精子が卵に受精して
しまった多精子受精であることも考えられます。

しかし顕微授精の場合は、ひとつの卵子に一匹の精子を注入している
ため、多精子受精は起こりえません。にもかかわらず、複数の前核が
見える多核受精卵になることがあり、扱いに困ります。多核受精卵が
多い人の中で、自分の核に対する自己抗体を持っていることが原因で
多核受精卵、つまり異常受精になっている人がいるのではないかと
いわれています。

当院でも、顕微授精にもかかわらず受精卵のほとんどが多核になって
しまうため移植がなかなか出来なかった方がおられました。彼女は
抗核抗体の中のひとつ、抗セントロメア抗体が陽性でしたから、その為
の治療をして体外受精を行ったところ、今回は全ての受精卵が2前核で
正常受精、そのうちのひとつを移植して無事妊娠、経過順調で転院されました。











多核受精卵












<治療後>正常受精卵


同じような状態の方は、ぜひ試してみるべきかと思います。



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2016-07-22 13:00:34

8月・9月 お茶会のご案内

テーマ:コーディネーター
皆さん、毎日暑い日が続きますが体調など崩されていませんか?

コーディネーターの稲葉です。

私がこの仕事に携わって約1年半が過ぎました。
たくさんの患者様と関わらせていただいたなか、妊娠、出産を経て
無事、待ちに待ったお子様を授かったという感慨深いお手紙をいただく
ようになりました。

改めて感じる事は、皆さん簡単に結果を手にしている訳ではないということ…
17回目の移植で妊娠した、流産を3回した、などなど本当に何度もくじけ
そうになりながら諦めないで治療を続けた結果、念願の赤ちゃんを授か
られたのです。

『あの時診察室で体外受精を勧められ、戸惑いながら家に帰り主人に相談、
話し合い治療を決心したものの妊娠判定陰性の結果を突きつけられる度に
何度もやめようかと思いました。』

本当に、本当に諦めず続けてこられたからこそ今があるんですよね。
今まだ途中段階の皆さん、なかなか結果がでないと心が折れそうになりますが
未来の新しい家族になる為、小さな生命が待っています。

私達コーディネーターは、1日でも早く赤ちゃんを授かっていただけるように
お手伝いさせていただきます。

何かありましたら何時でもご相談下さいね。

お茶会のお知らせです。

8月28日(日) PM1:00~3:00 ご夫婦で参加
9月 6日(火) PM1:00~3:00 30代でチャレンジ
9月13日(火) AM10:00~12:00 40代でチャレンジ
9月15日(木) PM1:00~3:00 2人目チャレンジ
9月25日(日) PM1:00~3:00 卵子凍結をお考えの方

お茶会で私達と元気を充電しませんか?
要予約となりますのでご希望の方は下記までご連絡ください。お待ちしています。

メール oak-cn@oakclinic-group.com
TEL 06-4398-1000


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2016-07-12 13:52:19

ESHRE(ヨーロッパ生殖医学会)で発表しました

テーマ:田口早桐
医師の田口早桐です。

7月3日から7日まで、ヘルシンキで開催されたヨーロッパ生殖医学会で
発表してきました。演題はA randomized comparison of live birth rates
following hormone replacement regimens for thawed blastocyst transfer
でした。ホルモン補充周期での融解胚移植について、ジュリナとエストラーナ
テープを比較検討したものです。

今、受精卵の質(染色体)に関してはPGS preimplantation genetic screening
で調べることができます。では、その胚が着床する内膜の状態はどうなのか、
というのが次の課題になります。当院では着床ウインドウの検査(ERA)を
行っていて、その有効性を確認するために世界規模で行われているRCT
(randomized control study)に日本で唯一参加していますが、それ以外にも
いろいろ内膜に関する研究をしています。

この、異なるエストロゲン製剤での比較もそのひとつで、毎年ヨーロッパ生殖
医学会とアメリカ生殖医学会という、生殖医学の2大学会で発表を重ねています。
少しで着床の確率を上げるにはどうすればいいのか、常に検討を重ねています。










写真はバレンシア大のカルロスシモン教授とともに。ERAについての議論をしました。








この写真は、メキシコで不妊治療に携わっているドクターから質問を受けているところです。



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2016-07-07 11:10:37

男性不妊外来

テーマ:多田佳宏
医師の多田です。

先日、当院で男性不妊外来を受診された患者様の中で、1000人ほど
のカルテを調査しました。ご夫婦で受診されて、精子の異常がなか
った方も多く含まれており、一度検査をして診療を終了となって
いることもありますが、不妊治療を女性だけのものとせず、男性側の
積極的な治療への参加の意思を推し量ることが出来ます。

男性不妊の診察の場合は、精子の確認から始まります。病院での
採精が苦手な方は、自宅で精子の採取を行ってもらっても良いです。
自宅での精子の採取の結果が芳しくなかった場合、(特に運動率が
低かったなどの所見があれば)病院内での採取も出来ます。精子を
採取するためだけの部屋があるので、そちらで採精できます。

あと、卵子と違い精子は日々生産されています。そのときの数週間の
体調の具合が影響することがわかっており、一度、精子の状態が良く
なくとも、その次には普通であることも多いです。精子の正確な検査は、
時期をずらして3回確認し、その真ん中の値をとることです。よりよき
治療のためにも、男性の受診をお待ちしています。


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2016-07-06 17:14:04

ERAのRCT(ランダム化臨床試験)についてのご案内

テーマ:【理事長】中村嘉孝
理事長の中村嘉孝です。

スマホが壊れて携帯ショップに行くと、「お得なキャンペーン」の話を
必ず聞かされます。でも、話がややこし過ぎて、本当にお得になるのか
どうかよくわかりません。

その上、パンフレットに「MNP」とか「アドバンスオプション」とか、
横文字がたくさん書いてあると、なんだか巧く言いくるめられているのでは
ないかという気がしてきます。

実際、「目先の費用が安くても長期間解約できないプランで困った」、
なんて話も聞くので、「ほんとにお得ですから」とか言われれば言われるほど、
あやしく思えてきます。

さて、当院では現在、ERA検査の有効性を検証する臨床試験を準備しています。
ERAはスペインのIgenomix社が開発し、提供しているサービスで、子宮内膜の
mRNAを解析して着床に適切な時期を調べる検査です。

世界の医療機関が参加する大規模トライアルとして行います。先日は、Igenomix社
の担当者が来訪され、弊院のスタッフと会議を行いました。

内容を簡単にいうと、参加していただける患者さまを、ERAを受けるグループと
ERAを受けないグループの二つにランダムに分け、妊娠率がどれくらいよくなる
のかを調べます。

ERAは検体をスペインまで送らなければならないこともあり、もともと16万5千円
する検査ですが、今回の臨床試験ではERAを受けるグループに無償で提供されます。
これは、たいへんお得です。

受けないグループに割付られてしまった方は「運が悪かった」と言ってしまえば
それまでなのですが、少々気の毒に思います。そこでIgenomix社に粘り強く交渉した
ところ、受けないグループの方にも「臨床試験が終わってから一回無償でサービス
します」、との回答を貰いました。

ですので、ほんとのほんとにお得な臨床試験なのです。もちろん参加できる医学的
基準がありますし、もっと詳しい説明が必要ですから、ご興味をお持ちいただける
方は、スタッフにお尋ね下さい。

現在、ヘルシンキで開かれているESHRE(欧州ヒト生殖医学会)に田口、船曳の
両医師が出張しており、現地で、研究責任者であるSimon教授と詳細の詰めをしている
はずです。

ぜひ、この機会に参加をご検討いただきますようお願い申し上げます。


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ERAのページ


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2016-06-29 17:36:12

第35回アンドロロジー学会に参加しました

テーマ:多田佳宏
医師の多田です。

先日、第35回アンドロロジー学会に参加してきました。
アンドロロジー学会は男性学の学会で、精子、精巣、前立腺、
ED等について、基礎医学から、臨床にいたるまで幅広く発表議論を
していく学会です。

一般に性別の医療としては男性学に対して、女性医学があります。
女性医学については、思春期、不妊、出産、更年期などどの年齢に
おいても、多くの発表や研究がなされています。それに比べ男性学に
ついては、遅れをとっているという発言がありました。

その中で、精子については、悪性腫瘍患者に対して、精子凍結を進める
こともがん対策のひとつであるとの発表がありました。若年悪性腫瘍の
患者では、精巣腫瘍や血液疾患での精子凍結の希望が多くあるとのこと
でした。それ以外は、前立腺癌での精子凍結の希望が多いとのことでした。
泌尿器科領域の疾患である、前立腺や精巣腫瘍では泌尿器科医が治療に
関わっているため、悪性腫瘍の治療の際に精子凍結の話が出来ているよう
でした。血液疾患については、化学治療を急ぐため、緊急で精子凍結の
依頼があるとのことでした。

当院では、卵子凍結と同様に精子凍結も行っています。急ぎで精子凍結を
希望する場合は、男性不妊外来の日でなくとも、予約を取っていただければ
対応可能です。これから、治療で抗腫瘍薬を使われる予定がある方は、相談
していただければ積極的に対応いたします。


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2016-06-17 09:50:25

第57回日本卵子学会に参加しました・・・その2

テーマ:検査部
検査部の濱田です。

今回私は5月14日と15日に開催された、第57回日本卵子学会に
参加しました。
毎年いくつもの学会に出席しているのですが、今回も興味深く、
実際の現場で働いている身としてもいい刺激と知識を得ることが
できました。

今回、特に興味深かったのが、
「移植結果から見たConventional-IVFとICSIの比較」というものです。
現在、多くの病院やクリニックで行われている体外受精の方法として
Conventional-IVFとICSIがあります。この報告は、この2つの媒精方法
(受精させる方法)の違いが胚移植の結果に影響しているかを調査した
ものでした。

Conventional-IVF(体外受精)とは、採卵した卵子を入れた培養液に
濃度を調整した精子を滴下し一緒に培養して、受精させる方法のことを
指します。また、ICSI(顕微授精)とは、顕微鏡下で卵子に針を刺して
精子を注入する方法を指します。

今回の報告としては、媒精方法の違いが、胚移植の結果に影響することは
ほとんどなく、移植時の胚の選択を重要視すべきということでした。

しかし、充分な運動精子でConventional-IVFを行ったにも関わらず受精
しない「受精障害」ということがあります。受精卵が得られなければ
その周期の治療はキャンセルになるので、そういったリスクを考えると
ICSIの方が受精率が高く確実な方法です。

さらに当院では、妊娠率向上やより良好な胚盤胞を得るために以下のような
アプローチも行っております。
通常の顕微授精(ICSI)よりもさらに細かく精子形態や染色体異常の範囲まで
選別し、より良好な精子を選別して顕微受精を行う、ヒアルロン酸成熟精子
選別法とIMSIの実施。受精障害や重度の男性不妊に対しておすすめしている、
卵子と精子の受精をよりしやすくする方法としてカルシウムイオノフォアの実施。

また、より良好な胚を選別する方法として長期培養・胚盤胞培養や、着床補助
技術としてTEリムーバル、アシステッドハッチング、エンブリオグルーの使用
という方法があります。

これらの技術をもとにより多く患者様のお声にお応えできるよう誠心誠意努めて
いきますので、ご興味のある技術などがございましたら是非お気軽にスタッフに
ご相談ください。


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2016-06-13 14:32:40

6月・7月 お茶会のご案内

テーマ:コーディネーター
コーディネーターよりお茶会のお知らせです。

過ごしやすい季節になりました。いかがお過ごしでしょうか?
コーディネーター主催、お茶会の案内です。

先日はご夫婦のお茶会、40代でチャレンジの方のお茶会がありました。
採卵のため半年かけて食事から見直し、より良い卵と赤ちゃんの
着床のベッド作りの準備をされている方、可能性がある限り挑戦
し続けて諦めないという方のお話を伺い、落ち込んでおられた他の
参加者の方も元気をもらったと喜んでいただけて本当に嬉しく思い
ました。

治療に取り組まれているなかで、不安や悩み、もやもやをすっきり
させてリフレッシュなさってみませんか?

初めての方も、2回目や3回目の方ももちろん歓迎です。
予約やお問い合わせ、お待ちしております。

6/15(水) 「二人目チャレンジの方」 13:00~15:00
7/3(日) 「ご夫婦のお茶会」 13:00~15:00
7/7(木) 「30代でチャレンジ」 13:00~15:00
7/30(土) 「お仕事しながらの方」 13:00~15:00

場所 オーク住吉産婦人科4階 ラウンジ ルミエールにて

いずれも予約要。参加は無料となっております。
メール oak-cn@oakclinic-group.com
TEL 06-4398-1000


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2016-06-09 12:17:54

第57回日本卵子学会に参加しました

テーマ:検査部
こんにちは。培養士の中森です。

私は先日新潟県で開催された第57回 日本卵子学会に参加
しました。様々な演題がありましたが若年女性に対する
がん治療と妊孕性温存についての教育講演に特に興味を持った
のでご紹介します。

妊娠などに関わるがんとして子宮や卵巣のがんが挙げられると
思いますが、特に近年では20代、30代の子宮頸がん患者数は年々
増加しています。若年がん患者数が増加しているものの手術療法や
化学療法、放射線療法などや診断方法が進歩していますのでその
治療成績は向上し、がん患者の生存率が改善してきています。

しかし、一部の若年女性がん患者は治療によって、後に閉経の
早期発来や妊孕性が損なわれる可能性があります。抗がん剤による
卵巣への影響は大きく妊娠を望む場合には大きな問題となります。
そのために有用な方法として当院でも実施している卵子凍結が
あります。

子宮頸がんは妊娠中に合併する最も多い悪性腫瘍です。妊娠中に
合併する子宮頸がんは初期ステージのものが多く、がんが粘膜上層皮に
とどまっている場合は、治療を行わず無事出産を終えてからがんの治療を
しますが、妊娠の早い段階で見つかった場合は妊娠を断念してがんの
治療を優先することが一般的です。しかし、妊娠継続希望が強い場合には
治療を遅らせたり、化学療法を行ったりして治療を行います。また、
演者の先生が広汎性子宮頚部を摘出し無事生児が得られた症例があると
発表されていました。

早期発見によって妊孕性の温存や妊娠の継続ができます。がん検診の
重要性や治療方法などを再確認する良いきっかけになりました。


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