2006-06-02 17:00:27

羅城門百鬼夜行。

テーマ:P&Dの日替わりリレー日記
ども。
稲葉です。

今朝、何年かぶりに(何十年ぶり?)階段を踏み外しました。
お酒飲み過ぎて幽体離脱してたせいだと思うんですが、なかなか情けない出来事です。
というわけで、いま体のアチコチが打撲で痛い。
30過ぎた男のやることじゃ無いと反省しております。

※今回もネタバレを含みます※

さて。
それは、『大神』制作も終盤。終盤どころかもうゴール直前の出来事でした。
テストプレイに明け暮れていた僕は、難易度について特に細かく口を出し続けていました。
何度もブログで触れていますが
『大神の全て味わってもらえるようにチューニングする』
という考えで口を出していたので、何かと言えば
『ここ難しい』
『この敵強すぎ』
という話ばかりしていたのです。
時には敵キャラの体力値や攻撃力パラメータ設定にまで首を突っ込み、
『これは、プロデューサーとして
口を出してよい領域を越えている』

と思ったこともしばしばあります。

そうやって『大神』がかなり遊びやすいゲームになってゆくと共に
ある欲求が自分の中で抑えきれないほど大きくなっている事に気づきました。
いや…自分ではわかってたのですが、スケジュールに1ミリの隙も無い
状況が続く中、どだい無茶な話だろうと押さえ込んでいたのです。

それは、
入手した強力な武器や道場で学んだ技、鍛えられたアクションスキルを
存分に発揮できる場所がどうしても欲しい!!
という望み。

『大神』ではさまざまな技や武器を入手するのも楽しみの要素になっており、
そこにはRPG的なエッセンスが込められています。
しかし、元々アクションが得意な人にとっては…
それを存分に発揮できる場所があるとは言い難い。
それは難易度チューニングを簡単な方向に振り向けていることが原因でもあります。
これは、欲求不満になる人も出るだろうな…と思いつつも、
ひとつの難易度でこれを解消する方法はありません。
どこかに向けて作られた難易度は、どこかの層を切り捨てるわけですから。

思い悩んだあげくに神谷に相談にいったのは
『思う存分、もう本当にお腹いっぱい戦える場所を作りたい』
という事でした。
もうその時点では、ディレクターの神谷にすら仕様追加をする権利が
ありませんでした。
追加によってバグを引き起こす危険性がありますし、すでに入っているものの
作り込みの優先度の方がはるかに高いという状態です。
つまり、ここで仕様追加をするというのは完全な強権発動でしかありません。
『プロデューサーという権力を持った人が無理を押し通してる』
という図式なわけです。

この話を相談しに行った時の神谷の顔は忘れられません。
だって顔に
『スケジュール的に無理だろうけど…そんな事を通してくれるの?』
ってハッキリ書いてありましたから。
神谷もやりたかった事には違いなかったらしく、すぐさま同意をしてくれました。
本当に時間がないので、その足で急遽プログラマーを招集。
やりたいことを相談しはじめると、ものすごく前向きに話を聞いてくれました。
プログラマーとしては、できれば何も追加したくない時期です。
何かバグが起これば、それは最終的にはプログラマーの責任になってしまうのですから。
でも、彼らは本当に前向きに話を聞いてくれました。
その時点で神谷を始めとする企画チームも会議に合流させ、詳しい仕様の検討に入りました。
やりたいことが明快になっていることもあり、いろんな事が次々と素早く決まっていきます。
『ここでこういう風にやりたい…』
『こうしたらどう?』
『いや、それはプログラム的にこういう問題が出る』
『じゃあこうするのはどうだろう?』
『あ、それいいね。それで行こう』
などとスタッフ達が次々と話を固めてゆく様を、僕は見守るだけの状態になったときに
細部の詰めをまかせて会議室を後にしたのでした。

そうやってできたのが、世界に三カ所存在する
『羅城門百鬼夜行』
です。
『袋狢』というボス格のキャラクターと闘う場所を再利用して
作られたこの超ハードな試練の場所は、当初の思い通りに
『お腹いっぱい闘える場所』
となりました。
これを調整してるときの神谷の楽しそうな顔と言ったら…(笑)

このあたりの顛末が、生々しく書かれてるのがこの回この回 です。
いま読み返しても、ムチャしたなあ…と思いますが。

では、また。

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