前回、S先生との稽古で”構え”を教わったと書きましたが、大半は”立ち方”を理解する為の稽古と言って良い内容でした。
S先生は新体道を離れる前からある中国武術を習っていたそうですが、今回はその流儀に伝わる養生功の立ち方を題材に色々な角度から指導して下さいました。

養生功の構えと言っても一つ一つの構えや動作に意味があり、その要点を押さえるのと押さえないのでは大きな違いがあります。
具体的には取り受けに分かれ押したり払ったりしながら、どのくらい相手への力の通りが異なるのかを見ていきました。

特に片足で立つことを通した手ほどきは目から鱗で、片足で立つS先生を押そうとするとS先生は微動だにせず、押し手の方が姿勢を崩されるのです。
見た目には非常に不思議な光景ですが、それには身体構造に則った術理があり、S先生は実技を交えながら解説して下さいました。

そうして身体構造を確かめ実際の効果を確認していくことで、以前S先生から指導を受けた騎馬立ち(「2009年8月に騎馬立ちの深度」参照)の更に深いところと、何故必要以上の足幅を取る必要がないのかを身体感覚で理解することが出来た気がしています。

実は先月のベルナルド先生の指導の中には今回のS先生の指導と同じことを示している稽古法がありましたが、S先生はそのことに関して「整合性という点では、充分に取れます~むしろ取れない方がオカシイとさえ感じています」と仰っていました。

が、そうなりますと、過去に習った構えや立ち方の中には、どう考えても整合性が取れそうになく、同時に術としての有効性にも乏しいと推測されるものがあると言う現実があります。
何故そのような形骸化に至ってしまったのかの考察、推論は既に立てていますが、機会があればブログにアップしたいとは考えています。