鳩山政権が昨年実施した独立行政法人の役員公募で、仙谷由人国家戦略担当相(当時は行政刷新担当相)が各閣僚に対し、事務方に任せずに閣僚自身が選考し「納得」した上で決定するよう念押しする通知を出していたことが分かった。政治主導の心構えを指南するもので、「天下り根絶」の徹底に腐心した様子がうかがえる。

 通知は昨年12月15日付。選考の際、「大臣自らが直接話を聞いて判断し、事務方に任せない」「複数の候補者から選定する。(各省に設置されている)選考委員会が1人に絞り込んだら、絞り込む前の候補者の情報も大臣に上げる」「行政勤務経験、行政機関との調整力、専門知識といった観点より、候補者の潜在力に広く着目して判断する」など5項目を要請。民間からの応募者の「潜在力」も考慮するよう細かく指導する内容だ。

 通知は、12月11日の閣僚懇談会で前原誠司国土交通相が「このまま推移したら結果的に天下りに陥りかねない」と危機感を表明したのを受けて出された。実績や成績をもとに選考すると多くのポストで公務員OBが採用される可能性があったという。また、元大蔵事務次官の斎藤次郎氏を日本郵政社長に起用したことが「天下り容認」と批判された時期でもあり、過剰反応した面もあるようだ。

 公募は昨年9月末の天下りあっせんの全面禁止の閣議決定を受け、10~12月にかけて行われたもので、49の独法役員ポストが対象。公務員OB122人を含む2386人が応募し、半数の24ポストで民間出身者が採用されたが、3分の1の16ポストには公務員OBが就いた。残り9ポストは再公募となった。【小山由宇】

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