AFTER THE GOLD RUSH

とおくまでゆくんだ ぼくらの好きな音楽よ――


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AFTER THE GOLD RUSH-岡林信康ろっくコンサート 凄い、カッコいい、痺れる。この音に身を委ねていると、ぼくは、もうただのミーハーファンになってしまうのだ。こもった音質で、録音のバランスも良くない。でも、ここには、おそらく現存する音源の中では、最もノイジーかつパンキッシュでエキサイティングな演奏を聴かせる岡林とはっぴいえんどがいる。


1970年10月9日。この日、日比谷野外音楽堂では何かとんでもないことが起こっていたのではないか。全共闘のアジテーションの如く荒々しく吠える岡林のざらざらとしたヴォーカル―それは紛れもなくロックの声だ―、そして、鈴木茂のいつにも増して兇暴で攻撃的なギター。爆音のように空間を劈くそれは、ロビー・ロバートソンというよりジミ・ヘンドリックスに極めて近い。そして、はっぴいえんどの演奏は、ザ・バンドというよりクレイジーホース(元祖グランジだ!)。


行儀の悪いヤジや歓声はアナログレコードの方が臨場感を持って響いたけれど、磁性体から欠落してしまったそれらアトモスフェアは記憶と想像力で補おう。目を瞑ると、ぼくには見える。音楽堂を埋め尽くした長髪の痩せた若者たちの姿が。ある者はシンナーでふらふらになりながら轟音に身を委ね、踊り狂い、ある者は座ったまま声を嗄らしてシングアウトし、ある者は熱い視線を送って手を叩き、そして、ある者は涙を流しながら「今日をのりこえて明日に生きる」決意を固めていた、かもしれない。そんな祝祭的空間が桜田門のお膝元に現出したと夢想すれば、少しは痛快な気分になるではないか。


「蟹工船」ブームと昨今の岡林再評価を結び付けて語る人が多いようだが、それは全く見当外れな分析だ。岡林の歌は、ワンアンドオンリーの「本物」だから、いつの時代にも通用する。それだけの話だ。そして、今、日本中のCDショップで、岡林の旧譜を普通に購入できるようになった喜びを噛締める。嬉しい。再発に尽力したディスクユニオンの矢島礁平氏には、ロック国民栄誉賞を与えるべきだろう。


岡林信康ろっくコンサート/岡林信康
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