Tue, May 24, 2005

仁義の淵 【鬼子來了】 (鬼が来た!) 姜文 [中国'00]

テーマ:映画 〔東/東南アジア〕

devilsdoorstep

 中国・華北の寒村。1945年旧正月前のある深夜、主人公夫婦の家に大きな麻袋が二つ、謎の男により持ち込まれる。袋の中には日本兵とその通訳が。
 夫役の姜文(チアン・ウェン)。張芸謀(チャン・イーモウ)監督の“紅いコーリャン”同様、これしかないという質実でどこか間の抜けた役柄を見事に演じ切っている。日本兵役の香川照之、妻役の姜鴻波のほか、後半に登場する日本軍部隊長役の澤田謙也の好演も光った。


 モノクロの粗い仕上がりがまた非常に良い。たとえば夜な夜な開かれる村人たちの合議のシーンや、クライマックスの村人たちと日本軍兵士たちが催す宴のシーンに登場する焔とその照り返しの表現などに、単なるレトロ色を狙ったのではない、カラーには出来ない表現を追い求めた跡がしっかりと窺える。

 登場する村の寂れた家屋と湖の凪いだ様子が少し信じられないくらいに哀愁を漂わせる。古い街区をゼロから再現したらしい。姜文は監督としての力量も“太陽の少年”ですでに確認済みだからとても大きな期待をもって観たけれど、総じてその期待値をも大幅に上回る出来だった。(詳細は[公式HP ]にて)


 これほどに完成度が高く、思想的にも政治的にもうまいバランシングを達成し、カンヌグランプリという海外からの充分な評価をも獲得した作品が、中国国内では未だに公開禁止だという。ここらへん、俄然不思議の国である。



鬼子來了 ” [鬼が来た! / Devils on the Doorstep] by 姜文 / 姜文 JIANG WEN, 香川照之, 姜鴻波 JIANG HONG-BO, 袁丁 YUEN DING, 澤田謙也 / 140min [original vers.:162min] / 中国 / 2000
2000年カンヌ国際映画祭グランプリ ☆☆☆☆

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Wed, May 11, 2005

禁忌と怨 【オールド・ボーイ】 パク・チャヌク [韓国'03]

テーマ:映画 〔東/東南アジア〕

 なぜか今日は、失語症的に書くことが思い浮かばない。それがこの映画に関してそうなのか、映画全般についてそうなってしまったのか、わからない。完成度の非常に高い作品であることは確か。異様に、と言ってもいい。ただその完成度が前もって周到に準備され、計算し尽されたゆえのものであるように感じたからか、受けた衝撃の大きさに比べると、見終えてどこか腑に落ちないところが残る。


 なんなんだこのおじさんは。すごいな。とは思う。ミドルショット1カットで3分続くチンピラ集団相手の乱闘シーンの、ただカッコいいだけでないしょうもなく汗臭いリアルさは“仁義なき戦い”とか“羅生門”を彷彿とさせるし、一緒に行動する女の子とのセックスシーンもこれほどに明け透けというか、愛してる→ゆえにいたす、という以外の映画的で余計な要素が一切ないのは久しぶりに観た気がする。

 (このセックスシーンを観てなぜかジャン=ジャック・ベネックスの“37゚2 le matin”と今村昌平の“うなぎ”を思い出したけど、“オールド・ボーイ”のそれに比べれば“37゚2 le matin”はキレイすぎるし、“うなぎ”は情緒的すぎる。)


 おじさん役のチェ・ミンシク、女の子役のカン・ヘジョン、大好き、すごくいい。もう一人の主役(敵役)を演じたユ・ジテは、その演技力は認めるけれどやはりどうにも年齢に無理がありすぎ。

 監督のパク・チャヌクはこの作品により、最終的にアジアを代表するヒットメーカーとしての地位を築いたんじゃないか。一発屋でないことは“JSA”を過去に持つことからも明らかだし、緻密な構成力と大胆な発想が見事に合成する様はほとほと感心するばかり。普段映画を多く観ない人はその各シーンに驚きと感銘を覚えるだろうし、よく観る人はそのほとんどのシーンに20世紀映画の遺産を観、この韓国人監督による味付けを堪能することになるはずだ。


 とまぁどこが失語症だよというくらいに五月雨打ちしてるけれども、どれもぜんぜ~んこの映画を観て感じたこと考えたことの核を突いてないんだよね。そこはおいおい、主人が別の機会に書くこともあるでしょう、あるかもしれない、ないかもしれない。

 

“Old Boy” by Park Chan-wook [+scr] / Choi Min-sik, Kang Hye-jeong, Yoo Ji-tae, Yoon Jin-seo / 韓国 / 2003
2004年カンヌ国際映画祭グランプリ ☆☆☆☆

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