自治と学 【泥ウソとテント村】 新田進 [日本'04]
テーマ:映画 〔日本:21世紀〕
“泥ウソとテント村”は東大・山形大で起こった学生自治寮の廃寮反対闘争をテーマとしたドキュメンタリー映画。
東大駒場寮、山形大自治寮のどちらもが結局機動隊を導入する騒乱を経て潰されてしまうのだけれど、山形大学の方はそののち自治寮の学生たちが山形大学当局を訴えた『泥棒はウソのはじまりだった』国家賠償請求裁判へと至る。
大学当局による強制執行や山形大学によるスパイ行為露見のシーンなど、絵的にも見応えのある箇所が思いのほか多かった。
大学側の関係者がもっぱら冷酷無情の鉄面皮で描かれるなか、元東大教官でかつて自治寮を長く支援してきた人が出演するシーンは、目先ではなく大きな視野で現在の狭量に陥った教育状況を批判する言葉が逐一説得力があり、よろしい。映画的にも静かなクライマックスの一場面として良く機能していた。
このドキュメンタリー映画は主に二つの見方ができると思う。一つはスタンダードに学生による社会運動を追いかけた記録映画として、ことの顛末を追い事実確認の糧とする見方。もう一つは、学生たちの成長を描いたビルドゥングスロマンとしてその行く先を追う見方。
後者の見方を採った場合、東大の学生たちが寮建物の強制排除後、同じ敷地内に自ら設営したテント村のエピソードや、山形大学の学生たちが追放後新しい寮に入れてもらえず、自分たちで共同生活を始めるエピソードなどに感動を覚えることになる。琉球新報への掲載記事に載った、「テント村の建築法は、大学当局によりバリケードを作るために介入した施工業者の技術を盗み、敷地後方のテントに行くに従い上手くなっていく」というある建築評論家(五十嵐太郎か?)による記事が紹介されたりする。
実際に監督や映画中に登場する二人の“最後の”両学生自治寮委員長とも知り合い話した。その顛末についてはそのうち同行した主人が書くんじゃないかな。きっと書くかな。いやどうかな。
“泥ウソとテント村 -東大・山形大 廃寮闘争記- ” by 新田進 / 日本 / 2004 / アテネ・フランセ 2005年5月7・14日上映 ☆☆











