こんにちは。
すっかり桜も散り暖かい日が多くなりました。

先日入居している方の娘さんの結婚式がありました。

嘔吐しやすく少しの揺れでも体調が崩れやすい方でした。
長時間の外出になるため最初は医師に反対されましたが娘さんの強い希望により出席出来ることになりました。

ご家族をはじめ、ケアマネ、式場の方、介護タクシーの運転手、福祉用具業者、看護師、介護士で安全に出席出来るためのプランを念入りに何度も検討しました。

式場ではベットやスロープを事前に準備して頂き、式場の職員さんが移動のたびにスロープの移動をして下さり利用者様への負担を最小限に出来たと思います。
あんなにみんなで協力しあってひとつの事をするということに感動しました。

式場に着いてから、神前式の誰もいない式場で前持って利用者様と新郎新婦を待っていました。

その少し後に白無垢を着た娘さんが新郎の方と入場して来ました。
その時、娘さんがお父さんが来ている事に気付きなんとも言えない素敵な笑顔をしていました。その笑顔には無事にお父さんが来てくれた事と結婚式に出席してくれた喜びの笑顔に見えました。

その後親族写真の撮影をし少し疲れた様子だったので一旦ベットで休んでいただきました。

長時間車椅子で過ごし疲れた様子だったので披露宴に出席するかを皆で迷っていたのですが、利用者様本人に聞くのが一番いいと思い「披露宴に出席しますか?もし出席したかったら眼を閉じて下さい。」と伺うと、普段はあまり意思表示の分からない方でしたがその時ははっきり強く眼をつむってくれました。
あれは絶対瞬きとは違うのが分かりました。式場のスタッフとその姿を見てこれは出席していただこうと決めました。

その後、少し披露宴に出席し帰宅しました。

医師に反対されていたので、絶対に状態が悪くならない様慎重にしなければと思っていたので気が張っていたためたかホッとしたのと嬉しさとが混じり合った気持ちになりました。

翌日娘さんが来所し「昨日は本当にありがとうございました。後悔せずにすみました」と笑顔で感謝の言葉を頂きました。
私はその言葉を聞き、この仕事で家族や利用者様が喜んでくれる事が自分の喜びになるのでこちらがお礼を言いたいです。と言わせて頂きました。
本当にとても良い時間を過ごさせて頂きありがたい1日でした。
この仕事だから出来る事だと思うので、これからの仕事の励みにしていきたいと思います。

※文章、写真はご家族の同意を得て載せています。

施設長 塚越