衝撃的!深海の真実 | 沼津港深海水族館・シーラカンスミュージアム公式ブログ

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このページでは、沼津港深海水族館の飼育員が水族館で会える生物たちの飼育状況や、日々のちょっとした発見などを随時お届けしていきます。
随時更新していきますので、是非ご覧ください。

衝撃的です。




文字通り、

昨日、衝撃的な事件を目の当たりにしました。




午前11時。



沼津港の市場の方から連絡が入りました。




「なんだか見たこともない魚が釣れたんだよ。

ちょっと見に来れるか―?1m位あるよー」



とのこと。




すぐさま市場へ駆け込みます。





その正体は

「ミズウオ」でした。



頭がでっかちで口も大きく開き、

中には鋭い歯が並びます。

そして大きな背びれが特徴的です。

ミズウオは深海の中層に生息する遊泳性の魚です。

夜間や、冬の水温が低い時には浅瀬にも来るそうです。

たまに海岸に打ちあがったり、

漁師さんの網にかかったりするもので

深海生物の中では目にかかることが多い種類。



そんなミズウオを

一般の方が釣り上げたそうです。

しかも港で。



生きてはいましたが

内臓が出ていたり、傷もありました。


とりあえず水族館へ搬入し

様子を見ました。



呼吸も荒く、横になっている状況…




残念ながら数時間後、静かに息を引き取りました。



そのミズウオがコチラ




スタッフからは「カッコイイ~!」と

声が上がります。



1.2mあったミズウオ、持ってみました。


結構重かったです。







「ん??」



持っているとある違和感が…



「お腹がゴツゴツしている…」




そうです。


ミズウオって、口に入るものは

何でも食べてしまうようなお魚としても有名です。

共食いや、ビニールゴミでも食べてしまうとか。



それにしてもこのゴツゴツ、気になる中身。




ということで

お腹を開けてみました。




※衝撃的です。閲覧注意!





お腹を開けてすぐ、異常な大きさのものに遭遇しました。



出してみると…





タチウオだぁ~!!

丸飲みだぁ~!!





で、で、でかッ!

体の大きさからしても合いませんけどー?

こんなのも丸飲みかい!


こんなタチウオを丸飲みしているのに

他にもたくさん出てきました。



並べてみます。



ずら~っと出ました。

良く見ると…






ミズウオのエサとなったものも

深海の中層を泳ぐものばかりです。


しかもほぼ未消化の状態ですね。


シギウナギ、マメハダカ、ゴマフイカや

先日展示をしたユウレイイカが3匹も…


まさか胃の中から再会するとは…






何枚も出しますが

これは市場に上がったものではありません。


ミズウオの胃の内容物です!




こんなに食べておきながら

さらに釣りの餌まで食べに来たのかと思うと

恐ろしいですね。



半年以上何も食べない深海生物がいるというのに

胃袋の限界を知らない深海生物もいるんですね。




恐るべしミズウオ。












って、まだ終わりではありません。




そうです。



ここで、ある一つの疑問が生まれました。





「ミズウオは美味しいのか」









…食べてみました。





感想。




全員「まずい」




誰しも飲み込むことが出来ませんでした。


身は透き通るような白身。

味はあまりないのですが

名前の由来のような水っぽい肉。

噛むごとに耐えられなくなる食感。


湯がいてみたもボソボソでねちょねちょ。


食には向かないですね。




ということで

胃袋の限界を知らない深海魚ミズウオに

飼育員全員が興奮した1日でした。



のべ