研修合宿の最終日には修講式があります。
そこで初めて自分の配属先が明らかにされます。
関東に残る者、関西に戻る者、北海道にとばされる者…。
会場は喜びと落胆の声で満たされます。
案の定私は関東、彼女は関西に配属されることとなりました。
私は泣きました。
彼女と離ればなれになるのが悲しくて泣きました。
同部屋で仲良くなった連中と別れるのが悲しくて泣きました。
一緒に講義を受けて、一緒に講師の先生に怒られて、同じ釜の飯を食い、一緒に風呂に入り、同じ屋根の下で寝、一緒に酒を飲んだ仲間達と別れるのが悲しくて泣きました。
私だけがメソメソと泣いていたわけではありません。
研修生も講師陣も誰も彼も全員が号泣していました。
こんなに悲しい気持ちになったのは今までで初めてでした。
こんなに涙が出ることに驚きました。
関西へ旅立つ者達が先に会場を後にすることになりますが、
私は泣きながら彼女の手を取り、「好きっす!」と再び本気の想いを告げました。
彼女も泣いていましたが、
おそらく、その涙は私のために流されたものではないでしょう。
私の顔を見る前から彼女の目は涙で溢れ、頬には涙が伝っていました。
目標というものは常に下方、あるいは上方に修正されていくものだと思います。
私は彼女に会いに何度でも大阪に行くことを、決意表明とさせて頂きます。
完 ~研修合宿編~